FX初心者がスキャルピングで破産する理由と勝利の秘訣
スキャルピングは上手くやれば、爆発的に一気に資産を増やすことが可能ですが、大抵の場合、失敗します。
理由は、スキャルピングという手法自体が非常に難易度が高いからです。
にもかかわらず、筆者の知っている限り、FX初心者はスキャルピングをやりたがる人が多い様に思います(「一ヵ月立たない間に全財産失った」といったような人はだいたいがスキャルピングに手を染めてしまっている場合が多いです)。
筆者はこういうサイトを運営している立場上、メールにてFX初心者と思しき人たちからアドバイスを求められることがごくまれにあるのですが、大半がスキャルピングプレイヤーです。
そしていつも私はスキャルピングは初心者向けではないからすぐにやめるようにアドバイスするのですが、聞き入れてもらえたことが一度もありません(笑)。
なら、アドバイス求めてくるなよ、とそのたびに心の中で思ってしまいます(笑)。
目次
FX初心者がスキャルピングにはまる理由
FX初心者がスキャルピングに夢中になる理由は、一昔前、バイナリーオプションが大流行したのと同じで、一言でいえば楽しいからなのだと思います。
- すぐに勝ちか負けかの結果がでる
- ハイレバなら数秒で10万円以上の利益なんてこともざら
ゲーム感覚でドキドキしながら遊べて、それでいて楽にお金を稼ぐことができる。
まさにパチンコやカジノですね。
要するにスキャルピングはギャンブル好きを夢中にさせる要素が満載というわけです。
FXを始める人はギャンブル好きが多い、というのもあるのかもしれませんが、加えて、FXというゲームの特性上、損切りさえしなければ9割9分負けることはない、という点も、FX初心者の心をとらえて離さないのでしょう。
以前、メールでFX初心者と思われる女性から相談を受けたことがあるのですが、彼女は1日100回はトレードしている、とのことでした。
特に指標発表後の流動性が低下した時間帯にスキャルピングするのが楽しいのだとか。勝率もおそらく損切りしないからでしょうが、かなりのものだったようです
私は「スキャルピングばっかりやってると今はよくてもいつか痛い目に合うから辞めておいたほうが良いよ」とアドバイスしたのですが、それ以降、音信不通になってしまいました(笑)。
単に私の小言がうざかっただけなのか、あるいは大損して既にFXを辞めてしまったのかは定かではありませんが、おそらく後者のほうなんだろうな、と想像しています。
FX初心者がスキャルピングで負ける理由
何故、FX初心者がスキャルピングで大損してしまうかは、理由は簡単です。
それはFX初心者が行っているスキャルピン手法は、そのほとんどが、勘に頼ったギャンブルトレードでありギャンブルというのはいつかは必ず負ける日がくるからです。
何故ギャンブルトレードだと必ず負けるのか
例えば
- じゃんけんで勝てば1万円ゲット
- 負ければ1万円ロスト
- 損失累計10万円でゲームオーバー
というルールで延々とじゃんけん勝負を繰り返したとします。
どうなると思いますか?
じゃんけんは勝つ確率と負ける確率が五分五分ですから、延々と続ければ、必ずプラスマイナス0を行ったり来たりのジグザグの損益ブラフが出来上がります。
累計利益が10万円を超えることもあるでしょう。
逆に累計損益がマイナス10万円を越えてしまうこともあると思います。
両者の起こる確率は同じです。
しかし、前者の場合のように仮にトータルで累計損益が大きくプラスになったとして、ほとんどの人はそこでゲームを辞めるでしょうか?
おそらく辞めないのではないでしょうか。
とすると絶対にいつかはゲームオーバーの条件であるマイナス10万円に到達することは想像に難しくありませんよね?
今回はゲームオーバーの条件をマイナス10万円にしましたが、マイナス100万円の場合でも結局は同じで、いつかは必ずゲームオーバーになります。
- どれだけ稼いでもゲームクリアにならず
- ただし損失がある一定ラインにまで達したらゲームオーバー
- 勝率は5割
こういう条件のゲームがもし存在するなら、誰もがいつかは必ず負ける、ということです。
ギャンブルに勝つための必須条件
では、上記の条件にどのような条件を加えれば、勝ち残ることが可能か。
言うまでもなく、それはクリア条件を設定することです。
要するに「プラス10万になったらゲームクリア」のように勝利条件を同時に設定することです。
この条件を加えて初めてギャンブルは最終的な勝ち負けが5割のゲームになります。
しかし、多くのギャンブラーはまず勝利条件を設定しませんよね?
だから、1回当たりの勝ち負けが5分5分であり続ける限り、最終的な勝率は5割ではなく0であり、必ずいつかはゲームオーバーになるということができます。
勝ち抜け条件を設定しない限り、丁半博打のギャンブルはいつか必ず破産して終わる。
これは、理論的に考えれば誰にでもすぐにわかることなんですけどね。
スキャルピングで勝ち残る人と負け去る人の差
FX初心者でスキャルピングで大負けした経験のある人、あるいはこれから大損するであろう人。
彼らは上で挙げたゲームと同じ条件でトレードをしている場合がほとんどです。
- 勘に頼ったトレード(つまりギャンブルトレード)
- 勝てば勝つほど欲は強くなり決してやめない
- しかし資産は無限にあるわけではなくいつかは必ず底をつく
これがスキャルピングで破産する人の共通点のように思います。
ランダム・ウォーク理論が正しいなら、株価にしろ為替レートにしろ、いついかなる場合においても「上昇と下降の可能性」はほぼ同じで5分5分です。
つまり、勘に頼ったトレードは、ギャンブルと同じで1トレード当たりの勝率は必ず5割前後になります。
だから、先ほどのギャンブラー必敗の法則は、ギャンブルスキャルピングトレーダーにも勿論、当てはまります。
しかも、スキャルピングのような短期回転売買の場合、いくらFXの取引コストが安いからといっても、何百回、何千回とトレードを重ねれば、その総額は馬鹿にはなりません。
おまけに大抵のギャンブルトレードは、勝ったり負けたりでなかなか資産が増えもしなければ負けもしないのが普通ですが、FXの場合
- 損切りをしないという選択肢もある
- ハイレバで短時間で大儲けできる可能性がある
という誘惑もあり、人間は誘惑に負けやすい性質の持ち主である以上、ゲームオーバーラインに到達する確率やスピードが格段に上がってしまいます。
例え、勝率9割のゲームであっても
- 勝てば1万円
- 負ければ50万円
- 総資産100万円
という条件だったとしたら、資産が0になる確率のほうが相当高く、かつあっという間に資産がなくなってしまうのは、明らかでしょう。
つまりはFX初心者のやっているスキャルピングはたいていの場合、勝率とペイオフレシオのバランスがとれていないということです。
計算すらしていない人が多いのではないでしょうか。
スキャルピングで勝つためには?
ここまでの話を総括すると、スキャルピングで勝ち組になるための条件も同時に見えてきます。
いままで上げてきた条件の逆をやれば良いだけです。
条件はたったの2つです。
まず1つは王道というか、スキャルピングで勝ち続けるための必須条件です。
条件その1.ギャンブルトレードを辞める。
繰り返しますが、ランダムウォーク理論によれば勘に頼ったトレードは必ず勝率5割(ペイオフレシオ1の場合)であり、最終的には必ず上記のギャンブラー必敗の法則に当てはまってしまいます。
そこから脱却する1つの方法としてよく言われるのが、1トレード当たりの勝率が5割以上、つまりエッジ(優位性)のあるトレードを始めることです。
ただし、優位性のあるトレードというのは、これは言うに安し行うに難しで、なかなか実践は難しいと思います。
ただ、これが実践できなければ、スキャルピングで安定して勝ち続けることは不可能でもあります。
ちなみに、ギャンブラー必敗の法則から抜け出るだけなら、素人でも実践可能です。
条件その2:ゲームクリア条件を設定する
つまり勝ち抜け条件を設定する、というわけです。
100万円を200万円にしたら、もうFXから足を洗おう
といった具合にです。
これならほぼ50%の確率で誰にでも実現可能です(ビギナーズラックがあればの話ですが)。
ただし
100万円を1億円にしたら、FXを辞めよう
というのは、言うまでもなく成功する確率はかなり低いです(1%以下の確率です)。
とてつもないビギナーズラックが必要です。
勿論、今までその低確率を成し遂げた人たちが存在するのも事実で「普通の主婦がFXで億万長者に!」なんてニュースが一昔前報道されていましたが、何故、大きなニュースになるのかと言えば、FXで破産する人と比べて割合的に希少だから、という点は忘れないようにしてください(笑)。
スキャルピングで勝つための条件=FXで勝つための条件プラスα
- ギャンブルトレードからの脱却
- ビギナーズラックで勝ち抜けを狙う
上記で述べた2条件のうち、どちらを狙うかはあなたの自由です。
が、繰り返しますが、スキャルピングで勝つためには上記の2条件のいずれかを必ず満たす必要があります。
ちなみに、ここまで
スキャルピングで勝つため
と散々繰り返し書いてきましたが、実は既に気づいている人もいるでしょうが、今までのは
FXで勝つため
の条件であり、つまりデイトレやスイング等、スキャルピング以外のFXで勝つための共通条件でもあります。何もスキャルピングに限った話ではありません。
そして、スキャルピングで勝ち組になるためには、上記の2条件にプラスしてもう一つ条件があります。
それは先ほども述べましたが、注意が必要なのはスキャルピングは取引コストも計算に入れなければならないという点です。
スキャルピング以外のトレード手法なら、FXの場合、取引コストはほとんど無視できる低水準ですが、スキャルピングの場合はそうはいきません。
取引コストのマイナス分も計算にいれた上でさらにそれを上回る利益を上げ続ける必要があります。
例えば、1日20回(月400回)、スプレッド0.3の場合、取引コストは120pipsにもなるわけですから、それ以上の勝ち越しがあってはじめて利益が出ることになります。
スキャルピングのデメリットは、レバレッジや損切りといった心理的な側面等を含めればもっとありますし、勿論、メリットもありますが、こと取引コストの点だけを考えば、スキャルピングは他のトレード手法よりも明らかに不利と言わざるを得ません。