FXが詐欺だのギャンブルだのと批判される理由
FXは、投資家に非常に人気が高い反面、多くの知識人には、評判はよろしくありません。
FX業者も、いろいろと政府からお叱りを受け、自主規制という形で、いろいろとサービスの縮小を迫られてきました(ここ数年、ようやく落ち着いてきた感があります)。
何故、FXだけが批判されるのか?
FXはギャンブル性の高い金融商品だと以前書きました。
それは、株式投資に比べ予測が難しいことと、レバレッジを利用すれば、ハイリスク・ハイリターンな取引が可能だからです。
しかし、では株式投資は、簡単に予測ができるかといえばそうではなく、リスクが低いかといえばそうでもありません。
株で大金を失った人は多数います。
しかし、株はあまり批判されず、FXはよく批判の対象になります。その理由を検証することでFXの問題点がいろいろと浮き彫りになります。
株の購入は景気回復に繋がる
株を購入すれば、当然、その会社は株価が上がり、運転資金が増えることになり、増えた運転資金を設備投資や人件費に回せば、失業者数減にもつながります。
しかし、為替の売買は、はっきり言って誰の役にも立ちません。為替レートの急激な乱高下は、各国経済にとって混乱の要因にしかならならないばかりか、場合によっては国家破綻にもつながります(過去ヘッジファンドの攻撃により英国やアジアで通貨危機が発生しています)。
株は投資であり、FXは投機である、のような言われ方をするのは、このためでもあります。
FXはハイリスク
FXはレバレッジがあり、レバレッジを利用すれば、大きなリターンが得られる反面、同時にリスクも負うことになります。
が、レバレッジを使用しなければ、株と比べて寧ろリスクは少ないと言え、しかも、現在は1000通貨での取引も可能なため、よりリスクを減らすことも可能です。
とはいえ、やはり人間は欲深い生き物です。
少しでも多くの利益を得たいと、ハイリスク・ハイリターンな取引をしがちです。というよりハイリスク・ハイリターンな取引を好む人がFXを選んでいる、といったほうが真に迫っていると言えます。
結果、FXで大金を失い、中には破産してしまう人まで出る始末。
このこともFXが批判の対象になる要因に繋がっています。
FXは相対取引である
相対取引とは、FX業者と投資家が1対1で取引するシステムのことです。
例えば、株式投資などは、相対取引ではなく、取引所取引で行われるため、とある投資家の利益は、どこかの投資家の損失になり、損失は反対に利益になります。
つまり、利益と損失は、投資家同士の間でやり取りがなされ、証券会社は間に入っているだけ。
逆に相対取引は、投資家とFX業者が1対1でやり取りするため、投資家の利益はFX業者の損失となり、投資家の損失はFX業者の利益となります。
この事実もFX業者が批判を浴びる原因になっています。
FXにしろ、株にしろ、勝者は2割で敗者は8割と言われています。株の場合は、敗者の投資家から勝者の投資家へと資金が移るだけですが、FXの場合、トレーダーが損したお金はFX業者の懐に入るわけです。しかもFX業者は、初心者勧誘の宣伝も派手に行っています。
このサービスの提供者(FX会社)とサービスの受け取り手(投資家)の利益が相反すると言う事実は、FX業者が自らの利益のために初心者を騙して金を巻き上げてる、といった批判に繋がっているようです。
また、投資家からしても、FX業者が「自分たちが利益を得るように、投資家にとって不利になるようレート操作など不正を行っているのでは?」といった疑念を生む源になってしまっています。
FXのデメリット
以上3つのFXが批判される理由を見てきましたが、ここからFXのデメリット3つが浮かび上がります。
- 税金が高い
- リスク管理が難しい
- FX業者に対する不信感
まず1ですが、FXは、株式投資やくりっく365などの取引所取引商品に比べ、生じた利益に対する税制が非常に厳しかったのですが、これは2012年に解消されました。
今では一律20%の申告分離課税、取引所先物取引等との損益通算が可能、損失の3年間繰越控除などが認められるようになっています。
しかし他の2つのデメリットに関しては未だ健在です。
2のリスク管理ですが、やはり人間、少しでも勝てるようになると、レバレッジを利用して効率よく利益を上げたい、と考えてしまうんですね。また、負けると人は「倍返しだ!」とばかりにレバレッジをあげたくなります(笑)。
勿論、これはFXトレーダー自身の問題ですが。
そして3が、一番の問題点。
FXは上がるか下がるかの2択なので、普通にやれば勝率は5割になるはずなのですが、時として10連勝や10連敗は当然ながらあり得ます。
仮に皆さん(初心者)が最初に10連敗などしてしまったと仮定します。どう思うでしょうか。
裏でFX業者がモニタリングしていて、自分の注文と反対方向にレート操作しているのでは?などと思ってしまうかもしれません(実際、自分がそうでした)。
実際にはこういうことはあり得ないでしょうが、絶対にないとは言えません(FX業者の中の人にしかわかりません)。
そう考えると、相対取引というシステムは、今後いろいろと問題になってくる可能性はあります。というより、現在、結構、口コミ等では問題になってます。
FXは繰り返しますが、負ける人のほうが多いです。そして、負けた人は、どうしても負けた原因をFX業者のせいにしたくなってしまい、ネットでの口コミは、FX業者の悪評だらけになってしまっています(私は評判の良いFX業者の口コミを見たことがありません)。
これからFXを始めようという人は、できるだけ信頼のある業者を選ぶことにしましょう。
でないと、負けが続くと、業者のせいにしてしまい、FXトレーダーとして成長することができなくなってしまいます。