「魚の頭と尻尾はくれてやれ」とは?
相場の世界には「魚の頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。
「頭と尻尾はネコにくれてやれ」とか「たい焼きの頭と尻尾はくれてやれ」といった言い方もありますが、いずれも同じ意味です。
例えば、FXや株式投資の場合、一番安いところ(底)で買い、一番高いところ(天井)で、利食い売りをすることができれば、もっとも多くの利益を得ることができます。
しかし、どこが天井でどこが底かというのは後になってわかることで、リアルタイムでそれを判断することは、とても難しいです。
でも、そんな難しいこと(天井や底を見極めること)なんてできなくても、利益を上げることができるのがFXです。
- 相場がサポートラインに跳ね返されたことを十分確認してから、買っても遅くない(サポートライン付近でなくても、少しくらい買い遅れても大丈夫)
- 利食いした後、更に相場が上昇しても「しまった、もっととれた!」などと後悔しなくても良い
上記の「魚の頭と尻尾はくれてやれ」には、上記2つの意味が込められています。
逆張りではなく順張りのほうが儲かる!
1は、言うまでもなく、順張り推奨の意図が込められています。
FX初心者は、レートがサポートラインに近づいたり、あるいは大きな下落の後などに「もうそろそろ反転するだろう」という期待を胸に、逆張りトレードを行いがちですが、相場の先人たちは、逆張りよりも、順張りのほうが簡単で儲かることを知っています。
特に為替相場の場合、長い長いレンジ相場の後に、一気に均衡が破れ、トレンド相場が発生する瞬間が必ずきます。
トレンドが発生したのを確認してからポジションをとったとしても、確かに、ピンポイントで底値や天井で売り買いするよりかは、利益は減りますが、そんなの気にしなくても十分儲かるし、それが一番簡単な儲け方だよ!
というのが先人たちの経験から導き出された答えなのでしょう。
天井で売れなくても気にするな!
また、2ですが、FX経験者ならわかるでしょうが、「ここが天井だ!」と思って利食いしたら、その後、更に上昇して、結局、上昇分の半分も利益が取れなかった、ということは多々にしてあります。
逆に「もっと上がるはず!」と思っていたら、そこからずるずると、値が戻ってしまい「もっと早くリカクしておけばよかった!」と嘆きながら、仕方なく決済ボタンを押すことも少なくありません。
が、こんなことは、伝説の相場師と呼ばれるような天才的な人でもない限り、頻繁にあり得ることです。
筆者の場合、天井で利食えたことなど、何十万回のトレードで、未だに一度もありません(泣)。
それでも、利食えたならいいじゃないか、先は長いんだから、気楽にいこうぜ!
そういった先人からもメッセージが、この格言には込められている気がします。
事実、FXは、1回や2回で勝負が決まるわけではありません。
何千回、何万回というトレードの中でトータルで利益を上げるのが目的ですから、それが実践できているのであれば、そんなに細かいことは気にする必要はないと言えます。
- 相場の天井と底を見極めるのは難易度が高く、常人には無理
- しかし、相場が動いた方向へついてくこと、誰にでもできて簡単。しかもそれでも十分な利益がでる
- 利食いのタイミングは、FX上級者でも難しい。気にしたら負け
魚のもっとも美味しい部分は、頭と尻尾を除いた胴体に集中しています。
頭と尻尾すら、残さず食い切ろうなんて欲張らず、順張りトレードで美味しいところだけを、ちゃっかりいただいてしまおう。
繰り返しますが、こういう格言があることからも、逆張りトレードよりも順張りトレードのほうが優位性のあるトレード手法だと、多くの先人たちが考えていたことがうかがえます。
ちなみに、FXはレンジ相場が多いので、逆張りトレードのほうが勝率は良くなる傾向にあります。
この辺りが、FX初心者が陥りがちな、相場の甘い罠なのかもしれません。