ダブルリピートイフダンの戦略と損切り設定
マネースクエアのトラリピが、如何にFXの常識を覆す、良く言えば裏技的、悪く言えばギャンブル的なトレード手法であるか、リンク先の説明を見てもらえればわかると思いますが、トラリピにはいろんな応用があって、例えばダブルリピートイフダン(ドテンリピート)という取引手法も存在します。
ダブルリピートイフダンとは?
ダブルリピートイフダンとは、買いと売り、両方で利益を狙うトレード手法のことです。
トラリピの基本的考えである、リピートイフダン注文は、例えば「ドル円を100円で買って101円で売る」。
100円で新規買い。
101円で決済売り。
100円で新規買いリピート。
以下、この設定の繰り返しでした。
しかりダブルリピートイフダンは
100円で新規買い。
101円で決済売り。
101円で新規売り。
100円で決済買い。
100円で新規買い。
以下、繰り返しとなります。
一度の設定で、途転注文を繰り返し発注することからドテンリピートなどとも言われています。
ダブルリピートイフダンのメリット
メリットは言うまでもなく、想定レンジがズバリ的中した際のリターンがリピートイフダンの2倍になるという点。
はっきり言ってそれだけです(笑)。それ以外に、少なくとも筆者の頭では思い浮かびません。
そういう意味では、想定レンジに相当自信のある場合に使用するもの、と言えるでしょう。
ダブルリピートイフダンのデメリット
ダブルリピートイフダンのデメリットは、必ず最後は負け(ロスカット)で終える必要があるということ、です。
想定レンジを外れた際でも、いつかは含み損が解消されるリピートイフダン注文(例えば買いのリピートイフダンでは、レンジからの上抜けは損失になりません)とは違って、ダブルリピートイフダンは、想定レンジを上に抜けても、下に抜けても、損失が膨らんでいくことになります。
レンジ相場の多い為替相場ですが、それでもいつかはレンジブレイク、トレンドが発生とともに、必ず終わりが来ます。
だからこのトレード手法では、いつかは必ず損切りする必要がある、ということになります。
トラリピのように複数のレンジを設定して運用することも可能(ダブルトラリピ)ですが、この場合、利益確定の回数も約2倍になりますが、当然、リスクも2倍になるので、正直言ってお勧めはできません。
というかトラリピ自体が、筆者はもう既に「怖い」と感じてしまっているので、それを買いと売りダブルでやるなんてとても考えられません(笑)。
勿論「ドル円は例え一時的な暴騰、急落があろうとも、いずれ必ず110円から120円のレンジに落ち着く」みたいな絶対の確信があれば話は別ですが、未来予知能力者でもない限り、そこまでの確信を抱くことはまず無理でしょう(笑)。
如何にしてトータルで勝つか
(常人の場合)最後は必ずロスカットで終わるダブルリピートイフダン注文ですが、勿論、それまでにロスカット額を上回る利益を上げていれば問題はありません。
仮に最後のロスカット100万円だったとしても、それまでに150万利食いしていれば合計で50万の利益になりますからね。
問題はどうやって「トータルで勝つ」かですが、公式サイトで、M2jのチーフストラテジストの比嘉洋氏は、そのためのルールとして以下の4点を推奨している様子です。
- ストップロスを上下いずれか、あるいは双方に設定する。
- ストップロスの見積損失額 ≦ 利益確定1回分の金額 とする。
- できるだけ現在レートをはさまないダブルリピートイフダンを発注する。
- チャート上でのサポートもしくはレジスタンスと思われる付近に仕掛ける。
1と2はわかるとして、3はレートを挟まない場合、必ず順張りテントリーになるため見積損失額≦利益確定1回分の金額に設定しやすいから。
逆張りエントリーだと利食い幅よりも必ずロスカットの幅のほうが大きくなりがちです。
また4は「最初のエントリーだけは素直にトレンドに乗って、そのまま利益確定」を狙うためのものだそうです。
1回でも利食いしてしまえば、見積損失額≦利益確定1回分で損失が0以上になることがないことが確定するので、是が非でも最初のエントリーで利食いしてしまいたい、というお考えのようです。
ダブルリピートイフダンは超短期トレード向き
ここまで見てきて、既にわかっているとは思いますが、言うまでもなく、このトレード戦略は「正確にレンジを想定できるか否か」にかかっているように思います。
肝心のリスク管理が「最初のエントリーは順張りでなんとしても損失0を目指そう」ですから、レンジが想定できなければ、結局、良くてトントン、下手すれば損切り貧乏へ一直線になることは間違いないでしょう。
そういう意味では、超短期での目先のレンジを想定して「目先の利益を細かく積み上げていく」ことを目指す時に利用すべきトレード手法だと言えると思います。
正直、超短期トレードなら、PC画面に張り付いて、裁量でやればいいし、自動売買に任せる必要がないような気がしますが、勿論、使いようがないわけではありません。
例えば経済指標発表後など、相場が細かく揉み合っていて、今後3~5分くらいは狭いレンジ(30pips以内)での上下動に終始しそうな場合で、なお「トイレに行きたい!せっかくのチャンスなのに!」みたいな時ってありませんか?
上記のように「他に用事ができて、その間だけ(短期間)、自動売買をしておいて欲しい」みたいな場合、ダブルリピートイフダン注文を設定しておけば、非常に便利なのではないでしょうか。
使い道は限定されていはいますが、他のトラリピ、リポートイフダン、トラップトレード等を合わせると、これだけでもいろいろなトレード戦略が立てられそうですね。