順張りと逆張り―FXにおける2つの戦術

FXの戦術には、大きく分けて逆張りと順張りと呼ばれるものがあります。
それぞれの基本的な特徴と、そしてFXにおいてはどちらが有効なのか、についても軽く触れたいと思います。

順張りとは?

順張りとは、トレンドにしたがって取引をする戦術のことです。

例えば、ドル円のチャートが右肩上がりで、上昇トレンドを形成している、と判断される時、投資家は、常に「買いエントリー」のチャンスをうかがいます。

過去のチャートなどを見れば明らかですが、チャート上に陽線が連続で続いていた時、ふと、上昇が一服、陰線が刻まれる時があることがわかります。

誰に目にも明らかな上昇トレンドの最中で、力強くぐんぐん上がっている時でも、利益確定のため、一瞬相場の動きが止まる、あるいは一時的に下降に転じる時があるのです。

こういった時にこそが大チャンス。

このように、上昇トレンド中の踊場や一瞬の下げ局面を狙っての買いエントリーのことを押し目買いと言います(反対に売りの場合は戻り売りと言う)。

下図で言うと、マルで囲ったところなどが絶好の押し目になります。
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FXは、押し目買いと戻り売りだけで勝てる、と言う声があるほど、この戦術はうまくはまれば大きな利益に繋がりますが、実際は押し目かどうかを判断するのはなかなか難しいです。

例:ドル円100円から102円まで上昇。その後、101,50まで下げる。

これを絶好の押し目(買いのチャンス)と見るか、あるいは上昇トレンドが終了し、再び、100円付近までだらだらと下がっていくのか、の判断はトレーダーの相場観によります。

逆張りとは?

逆張りとは、相場の流れに反して、買い(売り)注文を入れることです。

例:ドル円100円から102円まで上昇。そろそろ下げに転じるだろう。

そう判断した場合、102円で売り注文をいれますが、こういう「そろそろ逆に動くだろう」という予測をもとに逆張りは行われます。
為替相場は7割がレンジ相場で、相場は同じところを行ったり来たり上下動する場合がほどんどです。

ドル円が100円から102円まで上昇したことが「トレンドが発生したから」と判断した場合は、勿論、逆張りは行いません。あくまで102円がドル円の天井である、と判断したからこその逆張りです。

当然、順張り同様、トレンドなのかレンジなのかあるいは天井または底に到達したのか否かを正確に見極めることが重要になってきます。

順張りと逆張り、どちらが儲かりやすい?

一般に、FXの入門書を見る限り、トレンドフォロー、つまり順張りのほうが儲かりやすい、とされ、初心者にもおすすめ、とされています。

実際、為替相場は、動かない時はゆったりと同じところを行ったり来たり繰り返すのに、いったん動き始めると一気に上昇(下降)に転ずる、という特徴があります。

そういった大きな波を捕まえることに専念することは、初心者が陥りがちな「とりあえずエントリーしておこう」といった曖昧な動機によるトレードを減らすことに繋がります。

しかし、一方で、繰り返しますが、為替相場は7割がレンジ相場(ボックス相場とも言う)で、以下の画像のように、同じところを行ったり来たりする場合が多いです。

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そう考えると、ある程度上がったら「そろそろ下がるだろう」という判断は単純ではあるものの、非常に当たりやすいという利点があります。

その点で言えば、逆張りのほうが順張りよりも勝率は高くなりやすいです。

FXの目的は勝率ではない

しかし、私たちFXトレーダーにとって、FXをする目的は勝率ではありません。あくまで利益を最大化することです。

例1:10回取引して8勝2敗。勝ちトレードの平均:20pips。負けトレードの平均80pips。
例2:10回取引して1勝9敗。勝ちトレードの平均:200pips。負けトレードの平均20pips。

例1の場合、利益は8×20-2×80で0です。つまり全く利益に繋がっていません。

逆に例2の場合は、10回の取引の内、たった一度、大きな波に乗ることに成功しただけで、残りの9敗分の損失を補うばかりか、プラス20pipsの利益を上げることに成功しています。

上記の例は少し極端ですが、実際によくおこる事例でもあり、「FXは1勝9敗でも勝てる」と呼ばれる所以でもあります。

  1. めったに発生しない大きな波を捕まえ、少ないチャンスで大きくもう得るか。
  2. 大きな波に乗ることはあきらめ、コツコツと勝率重視で利益を積み重ねていくか。

どちらが利益を上げやすいかは、人それぞれ意見の分かれるところでしょうが、言うまでもなく「トレンド相場」では1が「レンジ(ボックス)相場」では2のほうが、儲かりやすいです。

自分が今為替相場を「トレンド」と見ているのか「レンジ」と判断しているのかで、順張り戦術を選ぶべきか逆張り戦術を選ぶべきかは180度変わってきます。

ちなみに筆者の場合、デイトレ主体なので、数少ないトレンド相場よりも、レンジ相場でトレードすることが圧倒的に多いですが、エントリーは、サポートラインやレジスタンスラインで、しっかりと跳ね返されたのを確認してからポジションを持つようにしています。

勿論、逆張りが得意、という人は、無理して順張りをする必要はありませんが、初心者の場合、逆張りをやらない、と決めるだけで、利益率が大幅に上昇する例は少なくありません。

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