南アフリカランド円のスワップポイント・スプレッドを比較
高金利通貨としてスワップ投資派に人気の南アフリカランド。
政策金利は現在7%とトルコリラの8%には及びませんが、国内FX業者を介して取引可能な通貨としては最高水準にあります。
2010年以前は10%を超えている時期もあったため、1時はスワップ投資派に最も人気のある高金利通貨と言っても過言ではありませんでしたが、近年はトルコリラにその座を明け渡してしまっているようです。
目次
南アフリカランド円のスワップポイント・スプレッドでFX業者を比較
南アフリカランド円のスワップポイント(買い)とスプレッドをFX業者別に表にしてみました(2017年6月9日調べ)。
南アフリカランド円は、最低取引単位が10ロット(10万通貨)になっている場合が多いので、10万通貨で運用する場合のスワップポイント・スプレッドになっています。
買いスワップ | スプレッド | 最低取引枚数 | |
---|---|---|---|
GMOクリック証券 「FXネオ」 | 170 | 1.0銭(原則固定) | 10万通貨 |
ヒロセ通商 | 150 | 1.0銭(原則固定) | 1000通貨 |
SBIFXトレード | 150 | 1.9銭(原則固定) | 1通貨 |
FXプライムbyGMO | 130 | 3.0銭(原則固定) | 1000通貨 |
アイネット証券 | 130 | 15.0銭(原則固定) | 10万通貨 |
YJFX! | 130 | 1.4銭(原則固定) | 1万通貨 |
DMMFX | 120 | 1.4銭(原則固定) | 1万通貨 |
マネーパートナーズ | 100 | 1.2銭(原則固定) | 1万通貨 |
セントラル短資FX | 100 | 1.9銭(原則固定) | 1000通貨 |
南アフリカランド円のスワップポイント(買い)は、トルコリラ円同様、GMOクリック証券「FXネオ」が一番もらえるようです(2017年6月9日現在)。
勿論、スワップポイントは日々変動します。
GMOクリック証券「FXネオ」の場合も、先月(2017年5月)は、160円から190円の間を行ったり来たりしていました。
なので、上記の表の順位も日々変動すると思われますが、おそらく上位の顔ぶれはほぼ不変なので、大体どこの業者が高スワップを提供しているかを見る上での目安にはなると思います。
南アフリカランド円のスワップ投資は年利にしていくらくらい?
2017年における南アフリカランド円のレートは、大体1ランド8.00円から9.00円の間を推移しています。
8.5円として計算すると、10万通貨での運用に必要な証拠金はレバレッジ1倍だと85万円、レバレッジ5倍だと17万円、レバレッジ10倍だと8.5万円になります。
GMOクリック証券「FXネオ」で運用すると仮定すると、1日のスワップ金利は170円、1ヵ月で約5100円、1年で約6万2050円になります。
そうすると、南アフリカランド円のスワップ投資における利益はだいたい
レバレッジ1倍での運用なら年利7.3%
レバレッジ5倍での運用なら年利36.5%
くらいになりそうです。
トルコリラ円が、同じくGMOクリック証券「FXネオ」で運用した場合、レバレッジ1倍で年利約12.5%(レバレッジ5倍なら62.5%)であることを考えると、やはりトルコリラ円のほうが今はかなりお得感はありますね。
南アフリカランド円の売りスワップをFX業者別に比較
南アフリカランド円でスワップサヤ取りを行う場合、売りスワップが安い業者が必要になってきます。
売りスワップでFX業者を比較したところ以下のようになります(スワップポイントは10万通貨での運用の場合)。
スワップポイント (売り) | スプレッド | 最低取引枚数 | |
---|---|---|---|
DMMFX | マイナス120円 | 1.4銭(原則固定) | 1万通貨 |
YJFX! | マイナス140円 | 1.4銭(原則固定) | 1万通貨 |
SBIFXトレード | マイナス160円 | 1.9銭(原則固定) | 1通貨 |
M2J | マイナス160円 | 3.0銭(原則固定) | 1万通貨 |
セントラル短資FX | マイナス160円 | 1.9銭(原則固定) | 1000通貨 |
マネックスFX | マイナス160円 | 5.0銭(原則固定) | 1000通貨 |
FXブロードネット | マイナス160円 | 16.4銭(原則固定) | 10万通貨 |
GMOクリック証券「FXネオ」の買いスワップ170円を上回る売りスワップ提供業者はその時点でスワップサヤ取りには使えないので消去。
また、スプレッドが広すぎる業者もスワップポイントでスプレッド分のマイナスを補うのに不利なのでスワップサヤ取りには不向きと言えます。
そう考えると全ての面においてDMMFXは非常に優秀。南アフリカランド円でスワップサヤ取りをするなら、両建ての売りのほうはDMMFX一択と言えそうです。
GMOクリック証券「FXネオ」で10ロット買い
DMMFXで売りで10ロット売り
とした場合スプレッドは両社合わせて2.8銭(2800円相当)、1日当たりのスワップポイントは50円ですから、スプレッド分のマイナスを取り戻すまでに56日(約2ヵ月)もかかる計算になり、なおかつ1日50円、1年15450円しかスワップポイントがもらえません。
これはランド円のレートを8.5円固定と仮定、レバレッジ1倍とした場合、必要証拠金は両建て20万通貨で170万円ですから、年利換算では1%を下回ってしまいます。
しかし、スワップサヤ取りは両建てである以上、為替変動による為替差損は常に固定。
そういう意味では為替変動リスクがほぼ0なのが大きな利点と言えます。
そのため、レバレッジ10倍以上でも精神的に楽に運用できますし、レバレッジ10倍なら年利は10%を越えます(スプレッド分のマイナスの影響度が減るため)。
南アフリカランドの政策金利の安定度から考えると、安定して年利10%を得たいなら、南アフリカランド円のスワップサヤ取りは十分検討の余地ありと言えるのではないでしょうか。
トルコリラ円との比較
ちなみに、トルコリラ円の場合、レバレッジ10倍でのスワップサヤ取りで計算すると、年利は約18%から19%と南アフリカランド円の約2倍。
買いだけのスワップ投資でもトルコリラ円が圧倒。
両建て鞘取りでもトルコリラ円が圧倒。
この結果を見ても、スワップ鞘取りにおいても、今の旬はトルコリラ円と言えるでしょう。
しかも現在、トルコリラ円は、下落トレンドが現在進行形で進んでいますから、今後さらなる政策金利の引き上げの可能性もあります。
一方で南アフリカランド円は資源価格上昇の恩恵を受けて、為替レートは上昇中ですが、景気減速を受けて、政策金利は寧ろ引き下げの可能性のほうが強いようです(低金利は景気刺激策として一般的)。
以上のことを全て合わせて考えても、やはり今後のスワップ投資はトルコリラ円が主役となっていきそうですね。