「FXは怖い」ということを初心者にもわかるように説明

FXは怖い。そういう声をよく聞きます。

しかし「何故、FXは怖いのか」という理由を本当の意味で理解している人はほとんどいません。

実際は、株式投資よりも為替のほうが価格変動リスクは断然少ないです。
1000通貨での取引なら買っても負けても1日1000円程度です。

100万とか1000万とか、そんなレベルで大損するはずなんてないんです。

身の丈にあった金額で取引していれば。

しかし、人間の欲望とは怖いもので、いつしか自分のキャパシティーを越えたレベルでのトレードをしたいと感じるようになります。
欲があるがゆえに、人はいつしか一攫千金、大儲けしたいという誘惑に惑わされ冷静さを失うようになります。

そして、その人間の欲望を利用して、人から大金を奪うのに、FXというゲームは本当によくできた仕組みをしているのです。

FXの怖さを身をもって知るまでの5つのステップ

今回はFXを始めたばかりの初心者が、いつしか一攫千金の誘惑にはまり、FXで大金を失うまでのありがちなパターンを体験談風にまとめたいと思います。
筆者の実体験に、基づいている(というか実体験)ので、リアリティはものすごくあると思いますよ。

ステップ1:損切り貧乏で小銭を失う毎日

大抵のFX初心者は「FXは怖いもの」という認識を最初から持っています。
しかし、彼らはこうも思っている。

少額で取引するだけだから問題ない、と。

実際、1000通貨での取引なら為替レートが1円動いてもプラスマイナス1000円です。
毎日1000円負けて、10連敗、20連敗したところで1万、2万の損失です。

お小遣いの範疇で、遊び半分でやるだけだから大丈夫。

そう思ってFXを始める人は多いと思います。

しかし、そうやってFXを始め、毎日取引を繰り返していると、約1か月後、誰もが以下のいずれかのパターンに陥ります。

  1. 収支プラス。着実に資金が増えている。FXって全然怖くない!
  2. 収支トントン。負けもしないが儲かりもしない。いつになったら儲かるの?
  3. 収支マイナス。お金が着実に減っていく。なんとかしなければ

1の人は一気にステップ4にまで移りますが、2と3の人は、大体、これまでの自分の取引履歴を眺めるなりして、自分のトレード手法の見直しを図ります。

そして気づきます。

あれ?損切りしていなければ、あの時の取引はプラスで終わっていたんじゃ……。

為替相場は7割以上がレンジ相場と言われ、行って来いになることが多いことは何度も解説していますね。

1ヵ月為替取引を経験すると、誰もがそれを実感できます。

・100円で買ったドル円が99.50円に。
・損切り。50銭のマイナス確定。
・しかしその後ドル円は101円にまで上昇。
・損切りしてなければ1円儲かっていたのに!くやしーっ!

過去1ヵ月の自分のトレード履歴を振り返ってみれば、9割以上のロスカットが上記のようなパターンになっていることに多くのFX初心者は気づくことになります。
というより、筆者の実体験で言うと、過去1ヵ月の負けトレード全て(100%)が上記のようなケースでした。

損切りしなければ負けないんじゃ?

誰もがそう思ってしまっても無理のないことなのかもしれません。

ステップ2:損切りしないトレードで連戦連勝

損切りしなければ負けない。
そのことに気づいたFX初心者は、一切損切りしないようになりがちです。

実際、損切りしなければ、FXはかなりの確率で連戦連勝できてしまうゲームです。

そして多くのFX初心者は連戦連勝し、資金がどんどん増えていく快感を味わうことになります。

1000通貨での取引なら1日プラマイ1000円だと書きましたが、それでも連戦連勝が続けば月2,3万円くらいは余裕で稼げます。
こうなると、誰もが汗水流して働くのがアホらしくなってきます。

そしてステップ3へ進みます。

ステップ3:FXって確かにスリルがあるけど、でもそれが癖になる!

しかし、いくら為替相場がレンジが多いといっても常に狭い範囲で行ったり来たりしているわけではなく、時に大きくレンジから外れることもあります。

・100円で買ったドル円が99.50円に。
・ここで損切りしたらマイナス50銭だけど、損切りしなければどうせいつものようにプラスになるはず
・ドル円のレート99.00円に。あれ?なんで?もしかしてやばい?
・ドル円のレート98.50円に。神様!お願いです。早くもとのレートに戻して!

100円で買ったドル円が98.50円まで下がり、このままでは1円50銭(150pips)の損失です。
1000通貨での取引ならたったの1500円の損失ですが、損切りしなければ負けない!ということを知ってしまったFX初心者はこの時点で取引枚数を引き上げている場合が多いです。

1万通貨でのトレードなら1万5000円の損失、10万通貨での取引なら15万円の損失です。

仮に数万通貨くらいにまで取引枚数を上げていた場合、この1ヵ月の間の連戦連勝でコツコツと積み上げてきた利益は一気に吹っ飛び、下手すると合計収支はマイナスになってしまいます。
俗に言うコツコツドカンですね。

当然、この時点で潔く負けを認めることができる人間はほとんどいません。

何故なら、この時点で負けを認めれば、この1ヵ月間、パソコンやスマホの取引画面とにらめっこしてきた、これまでの苦労が全て水の泡となってしまうからです。

RPGに例えるなら100時間かけてレベル99まで上げたゲームのデータが1瞬で全て消えてしまうくらいのショックです。

あなたはそうなった時「仕方がない」と諦めることができますか?

少なくとも筆者はできませんでした。

だから祈るのです。
神様、お願いします!と。

神様に祈りながらトレードすることを神頼みトレードと言いますが、FX経験者なら誰もが一度は体験したことがあるはずです。
勿論、筆者も体験済みです(笑)。

しかし、FXの神様は本当に意地が悪い。

だって大抵の場合、願いをかなえてくれるのだから。

100円で購入したドル円が98.50円まで下がって神様に祈っていたら、2日後に100円まで戻ってきた!ありがとう、神様!

結局、為替は行って来い。最終的には元の値位置まで戻ってくる。

勿論、含み損が発生中は夜も眠れない日々が続きますが、それも大抵2日か3日。長くても1週間くらいです。

肝を冷やすも、運よく、大損せずに済んだFXトレーダーの多くは、だいたい2,3日するとまたもとのように損切りしないトレードの日々へと戻っていき、再び、連戦連勝の日々を重ねます。

勿論、怖い思いをしたことは確かなわけですから、反省はします。
筆者も反省し「損切りしない」というやり方を改めようと思いました。

しかし、ここまでそれ以外での勝ち方は全く学んでいません。
そして、1,2ヶ月毎日のようにFXをやっていると、それが習慣になってしまいます。

最初は遊びのつもりだったのに、いつしか毎日しなければならない日課のようになってしまいます。

おそらくギャンブルにはまる人も同様に過程をたどっているのだと思います。

なんだかんだでギャンブルはスリルがあって、人間は知らず知らずのうちにそのスリルとそこから得られる快感に酔いしれることになりがちです。

そして、FXは1日24時間いつでも取引可能。

これは日中働いているサラリーマントレーダーにとってはメリットのように感じますが、ギャンブルのようにはまりやすいという点では大きなデメリットとも言えます。

だから多くの人はリスクを知りながらもFXを続けてしまう。
唯一知っている勝ち方「損切りしないトレード」で。

いつかそのやり方が破たんする日がくることを心の奥底では予感しながらも、辞められないのです。

そして次のステップに進んでしまいます。

ステップ4:レバレッジを上げる

もう既にここまでの段階でレバレッジを上げ、取引枚数を増やしている人が多いと思いますが、ギャンブルによる快感は無限に続くものではありません。

いつかは飽きが来ます。

時速50キロで車を走らせることすら怖いと感じていた初心者も1年たてばその感覚がマヒし、いつしか時速100キロを出すようになります。
スピード狂と呼ばれる人たちは時速100キロに慣れると、更にスピードを出すようになります。

それと同じ心理です。

1000通貨での取引ですら怖いと感じていたFX初心者は、時間とともに、1000通貨ではスリルを味わうことができなくなり、1万通貨→5万通貨→10万通貨→20万通貨、とどんどんと取引枚数を増やしていきます。

スリルが味わえる状態にしないと、FXなんてただただ取引画面とにらめっこするだけの毎日に終始していまいますから、当然の心理だと思います。

取引枚数を10倍にすれば、スリルも10倍、利益も10倍です。
FXというギャンブルにはまり込んだ人がそれを行わない理由はありません。

そしてその結果として、これまでコツコツと増やしてきた資金の数倍・数十倍という大金をたった1回のミスで溶かすことになります。

投資の神さまは本当にたちが悪いです。
最後の最後で我々を見捨てるのですから(笑)。

もし仮に少ない取引枚数の時点で、見捨ててくれていれば、それほど大けがすることはなかったでしょう。

だからもし仮に

FXはじめて1ヵ月で50万溶かした!

というような方がいれば、その人はまだ運が良かったと思います。

しかし

最初の1ヵ月で50万勝って、次の1ヵ月で500万負けた!

とか

1年目は5000万儲かったけど2年目は2億円負けた!

なんて話になってくると正直笑えません。
笑えませんが株やFXの世界ではよく聞く話です。

多くのFXトレーダーは大負けした時点で茫然自失。

もう2度とFXなんてしない!

とばかりにFX業界やFX勝ち組に対する恨みつらみを口にしつつ、マーケットから退場していきます。

失ったお金の額が大きければ大きいほど、ギャンブル熱を冷ます効果は絶大ですから、当然の結果です。

しかし、この時に失ったお金が額が中途半端で、十分に熱を冷ますに至っていなかった場合。

人はいつしか失った大金の重みと痛みを忘れさり、再び投資の世界に舞い戻ってきます。

筆者のように(笑)。

そして最終ステップへと進みます。

最終ステップ:そしていつか億万長者に?

最終ステップははっきり言って、まだ実現していない、言ってしまえば、単なる願望です(笑)。

しかし、投資で大成功した人の中には、かつて破産寸前まで陥った人も多数いると聞きます。
大失敗があったからこそ、大成功が生まれる。
そういう例は古今東西たくさんあります。

だから、今後筆者が億万長者になる可能性は大いにあると思います。

あ、すみません。ただの願望です(笑)。

ただ、筆者が思うに、FXはその怖さを体験してからが本番なのでは、と思っています。
その怖さを知っているからこそ慎重になれるし、研究も怠りませんし、少しくらい利益が出たからと言っておごることもありません。

熱くなってしまって失敗した経験があるからこそ、冷静でいることの大切さを身をもって実感しています。

だから、これからFXを始める人。
ここまで読んで、まだなおFXや株をやろうという人は少ないとは思いますが(笑)、もしそういう人がいたら、その人に1つだけアドバイス。

それは「失敗を恐れるな」です。

繰り返しますが、大失敗した経験があるからこそ、大成功が生まれるのだと筆者は信じています。

勿論、筆者のように豪快に大金を溶かす必要はありませんが、少しくらいの損失は将来の糧とくらいに思ってください。

たった10万円の損失を怖がったがために、大金を失った。
あるいは大金を得るチャンスを失った。

このほうが筆者にとっては怖いことのように感じます。

小銭を失うことを怖いと感じてしまう人は(おそらくこれが一般的な感覚なのでしょう)、FXや株などのリスクのある投資商品は向いていないので、一切かかわらないほうが良いのかもしれません。

しかし、多少の失敗をものともせず、寧ろ成功のもとであると感じることのできる人は、はっきり言って投資家向きだと思います。

多少のリスクに恐れをなすことなく、人生、果敢に攻めていきましょう!

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