今から株を始めても絶対勝てない理由(特にサラリーマン)
日本のサラリーマンたちの間では、一定周期(数年)ごとに必ず株取引のブームが起こる気がします。
ブームの火付け役は証券会社や大手の投資ファンドなのでしょうが、日経平均株価の上昇がちょっと続くと、マスコミなどがそれを大きく取り上げ、そのブームに乗っかる(乗っけられる)形で、多くのサラリーマンが株を買うようになります。
しかし、そうやって世の中の流れに乗せられて株を買ってもまず儲かりません。
何故なら、そういう仕組みになっているからです。
目次
サラリーマンが株を買っても儲からない理由
サラリーマンが株を買っても、絶対とは言い過ぎかもしれませんが、まず儲かることはありません。
その理由にはいくつかあるので順番に見ていきます。
日本経済自体が沈み始めている
まず一番の理由は、日本という国自体の経済の問題です。
株価はその国の経済状況を大きく反映します。
とすれば
- 日本経済が成長過程にあるなら株価は上昇
- 日本経済が衰退過程にあるなら株価は下降
ということになります。
日本は言うまでもなく、先進国。
発展途上にある国と比べれば伸びしろはあまり無い、と言えます。
実際、ここ近年急成長を遂げた企業はほとんどなく、あってもブラック企業だったりと、日本を代表する企業とは程遠く、今後もその成長が維持できるとは到底思えません。
これまで戦後日本の経済を支えてきた大企業も、そのいくつかは、近年、業績が伸び悩み、今も業績が好調な自動車関係の企業は北米依存から抜け出せないため、今後、日本とアメリカの距離が離れれば離れるほど、非常に不味いことになる繋がる可能性は高いです。
そしてそれらに変わる新しい芽が国内から全く育っていないばかりか、育つ雰囲気すらありません。
日本経済はまさに今沈みつつある。
そんなふうに感じる人も多いのではないでしょうか?
勿論、日本の株価はここ10年で明らかな下降トレンドに入っているわけではありません。
以下は2000年からの日経平均株価の推移表ですが、特に大きく下げているわけではなく、今後もしかすると2万円台まで戻す可能性はあるかもしれません。
でも、もっと長い目で見ると、明らかに日経平均株価は下降トレンドの途中にあることがわかります。
以下は楽天証券で掲載されている1950年代からの日経平均株価の推移ですが、これを見ると、1990年代のバブル崩壊以降、日本経済は衰退の一途を辿っていることがよくわかるのではないでしょうか。
何度も言うように株価はその国の経済そのものを表すものです。
どんなに成長性の高い株を購入しても、それが沈みつつある国のものでは、結局は地盤沈下に足をすくわれる形で、大きくジャンプすることは不可能と言えます。
要するに
日本の株を買っても所詮儲かる確率は5割以下
ということです。
それなら、株を買うなら、経済が衰退しつつある日本の株式よりも、現在進行形で経済が成長過程にある国の株を購入したほうがはるかに儲かる可能性が高いわけですが、世界同時不況で、そういった国が今のところ見当たらないのが現状です。
株で儲けている人は短期トレーダーが多い
勿論、上記の話は、株を長期保有する場合であって、短期売買なら、いくらでも勝つチャンスはあると思います。
しかし、短期トレードで勝つには、常に相場に張り付いている必要があります。
日中、本業に忙しいサラリーマン投資家に、常に株式相場をチャックし続けることなんてできますか?
ほとんどの人ができないのではないでしょうか。
だから多くの人が株を買ったまま放ってらかしにしてしまうのでしょう。
長期投資で勝つためにはファンダメンタルズ分析は不可欠
勿論、しっかりと企業分析を行い、将来有望な会社をしっかりと見極めることができれば、いかに日本経済が沈みがちだとしても、長期投資で大きく儲けることも可能でしょう。
実際、そうやって株で億単位の資産を築き上げた人はたくさんいます。
しかし、おそらく多くの人は、株で勝っている人たちのようには、熱心にファンダメンタルズ分析等をやっていないのではないでしょうか。
というより、サラリーマンの場合、昼間働いて、疲れもあるわけですから、十分、勉強する時間もなければ、そもそもやる気すら起きない、と言ったほうが正しいのかもしれませんが、いずれにしても、結果は同じです。
素人が、勘を頼りに株を買っても、前述したように、長期保有の場合、日本国内の株は5割以上が買っても儲からない銘柄なわけですから、当然ながら、結果は芳しくないものになりがちです。
株ブームを起こしているのは株を売りたい人たち
加えて、株ブームが起きる仕組み。
これも、素人トレーダーが痛い目を見るようにできています。
基本的に株ブームが起きる時というのは、日経平均株価が上昇トレンドに入った時です。
連日のように日経が続伸すると、それをマスコミが大きく取り上げるため、あたかも「今が株を買うチャンス」だと思ってしまう人が多いのでしょう。
しかし、考えてもみてください。
株価が上昇するということは、その株を既に誰かが買っているということです。
現実的には、株価が大きく上昇する時は、ヘッジファンドや外資系ファンドなどが大きく買い持ちしている場合が多く、彼らは利食いのチャンスを常に窺っています。
少しでも上の水準で株を売りたいわけです。
そんな時に、素人トレーダーがわんさかと市場に入ってきて、株価がどんどん吊り上がっていけば、もしあなたが投資ファンドのディーラーだったらどう思いますか?
小躍りしたい気持ちになるのではないでしょうか。
- 大手の外資系投資機関が日本の株を買う
- 日経平均株価が連日のように好調
- マスコミがそれを大きく取り上げる
- 素人トレーダー(カモ)が乗せられて株を買い始める
- 大手投資機関は素人トレーダー(カモ)に株を売って利益確定
- 株価は暴落、素人トレーダーは大損
これがブームに乗せられて株を始めた素人が絶対に勝てない仕組みです。
こういったサイクルが何度も繰り返されているのを、昔から株やFXをやってる私は幾度となく見てきました。
外資系の投資ファンドなどにすれば日本人はほんとうにいいカモだと思います。
こうやって何度も繰り返し稼がせてくれるのですから。
ちなみに現在、日本の株取引の約7割を外国投資家が占めていると言われています。
逆に言うと、そういった外資系の大手投資機関が定期的に日本の株を買ってくれるから、日経平均株価は日本経済の実情と比べて、高い水準で下げ止まっている、とも言えるのですが、もし彼らが日本の株を買うのをやめた途端、日経がどれくらい下げるのか、考えただけでもぞっとします。
株式取引は政府公認のイカサマ賭博
というわけで、まとめると、サラリーマン素人トレーダーが株を始めたところで絶対に勝てない理由は以下の通りです。
- 日本という国が現在沈みつつある
- 日経平均株価はその実情を反映していない
- 反映していない理由は外国人投資家が日本の株を買ってくれているから
- 彼らが日本の株を買うのは日本人が投資素人(カモ)ばかりの国だから
ギャンブルは基本的に勝つのも負けるのも確率的には5割です。
ただし、それは公正なルールに乗っ取っているのなら、という条件つきです。
しかし、日本の多くの投資家は上記のような理由で素人が株をやっても絶対に勝てない仕組みになっていることを知らないのではないでしょうか。
付け加えると、日経平均株価が外国人投資家に買い支えられている現状から、日本政府は国民に注意喚起もできません(やってしまうと日経平均株価の大暴落を招く恐れがある)。
これはもう政府公認のイカサマに等しい仕組みといってもいいような気がします。
サラリーマンが株で勝つためには?
では、そんなイカサマ同然の株式投資で、サラリーマン投資家が勝つためにはどうすれば良いか。
実はその方法は(口で言うのは)簡単です。
上記の仕組みを理解しカモられる側からカモる側に回ることです。
- 株ブームが起きる前に株を買う
- 株ブームが起きたら株を売る
ただし、株ブームを察知できるのは、おそらく株ブームを引き起こす張本人たちだけでしょうから、個人投資家がそれを真似るのは無理と言えます。
次に考えられるのは短期売買(デイトレやスイングトレード)ですが、これは先ほど述べたようにサラリーマントレーダーは本業がありますから無理でしょう。
その次に考えらるのは、上のほうで述べた海外の株式の購入です。
そもそも値上がりする確率が5割以上のマーケットなら、負けろというほうが難しいので、経済状況が上昇基調にある国の株式なら、例え素人であろうとも、勝てる確率は高いです。
しかし、これは先ほども述べたように、世界同時不況の現状、そういった成長性著しい国はなく、また、一時流行った中国株を例にとるまでもなく、バブル崩壊というリスクも存在するため、容易には始めることはできません。
サラリーマンはFX向きと言われる理由
というわけで、筆者は数年前、株をやろうかFXをやろうか迷った際、FXを選んだわけですが、実際、FXは株取引よりも以下の理由でサラリーマン向けだと言われています。
- 24時間取引可能(夜にデイトレができる)
- 祭日も取引可能(世界中で取引が行われている)
- 買いでも売りでも参加可能なので景気に左右されない
- 株よりもはるかに少額(1万円以下)から始められる
FXは外国為替の取引なので、土日以外は日本の祭日でも24時間いつでも取引可能です。
おまけに株よりもはるかに少額から始めることができ、買いでも売りからでも入っていけるため「今がチャンス」というようなものも存在しません。
また株と違ってあまり複雑な知識も必要としないという特徴もあるため、投資初心者でも非常に敷居は低いと言えます。
ただし、為替のレートは株のような明確な適正値を表す指標が存在しません。
1ドル100円。
例えば、このドル円のレートが適正値なのかどうか誰にも判断しようがないわけです。
これがFXはプロでも勝つのが難しいだとか非常にギャンブル性の強い金融商品だと言われる所以でもあります。
ただ、100%勝ち目のないイカサマ賭博に等しい株式投資よりも、上がるか下がるか2択の公正なギャンブルであるFXのほうがはるかにまし。
少なくとも初心者にとって勝ち目が高いのは紛れもなく後者です。
勿論、投資やギャンブルでお金を増やそうなんて考えず、汗水流して一生懸命働くのが一番なのでしょうが、一生懸命あくせく働いてもなかなか給料が増えないのが日本のサラリーマンの懐事情でしょう。
そう考えれば、夢を買う意味でもFXを始めるのは、そう悪い選択ではないと思いませんか?
1000通貨での取引なら買っても負けても1日プラスマイナス1000円程度に収まる点も、日本の薄給サラリーマンにとっては大きな利点でしょう。
勿論、FXもしっかりと勉強すれば、勝率5割のギャンブルではなく、立派な錬金術となり得るので、まずはゲーム感覚で少額から始めてじっくり勉強を重ねていけば、将来の楽しみも増えるというものです。
ただし、筆者のように一攫千金の目がくらんで、いきなりハイレバで取引を始めると、あっという間に資産がなくなってしまうので、そういったメンタルコントロールは株よりも難しいので要注意です。
特に学歴の高い人ほど「自分は大丈夫だ」と思いがちなので、注意しましょう。
とにかく以上の理由から、筆者は、サラリーマンが投資をやるなら、株よりもFXのほうが絶対有利だと考えます。