利食い千人力と損小利大は矛盾している?
FXでポジションに利が乗った時、更なる上利益の上昇を期待し、欲張って利食いをしないままいると、結果、気がつけば、買値(売値)に戻ってしまい、結局、一銭も利益を手にすることができなかった、ということがよくあります。
利食い千人力とは、FXでよくおこるこういった利益の損失をなくすために「あまり欲張らずにさっさと利食いしたほうが賢明だよ」ということを示唆している格言です。
そういう意味では、魚の頭と尻尾はくれてやれと、意味するところはよく似ています。
FXで利食いしないまま放っておくとどうなるか?
為替相場は、結局、行ったり来たりになる場合が多いため、ずっと利食いしなければ、いつかは元値に戻ってしまう場合が多いです。
仮に、未来永劫、利食いしなければ、おそらく、ほとんどの場合が、元値に戻ってしまうでしょう。
逆に、含み損もそのまま放っておけば、大抵は元値に戻りますが、こちらは、ある程度まで損失が膨らむとFX業者の強制ロスカットというシステムに引っかかってしまいます。
そういう意味では
- 未来永劫、決済注文をしない
- 絶対に強制ロスカットにかからないほど運用資金があるわけではない
上記2つの条件がそろってしまうと、FXは絶対に勝てないゲームになってしまいます。
FXを「勝てるゲーム」にするためには、必ずリカク幅を有限にすること。
そうすることで、いつかは必ず利食いすることになるため、少なくとも勝率0ではなくなります。
FXにしろ、他の投資商品にしろ、利益を確定しないことには、一銭にもならないわけです。
損小利大の理論と矛盾している?
FXには、損小利大という有名な格言もあります。
この格言には「損切りは急げ、でも利食いは急ぐな!」という意味も含まれているため、一部で「利食い千人力と矛盾しているんじゃないの?」という疑問を抱く人がいます。
が、両者は決して矛盾しているわけではありません。
利食い千人力と損小利大の本当の意味
利食い千人力の真意は「利食いを早めろ!」では決してありません。「利食いポイントを明確にしろ」です。
要するに、FX初心者にありがちな、感覚だけでトレードして、欲張って、最初に決めた利食いポイントをあまり動かすな、という意味が含まれています。
同じく損小利大は、確かに「「損切りは急げ、でも利食いは急ぐな!」というメッセージも込められていますが、これはFX初心者が利小損大になりやすく、損切りができないばかりに大損してしまうケースが多いからに他なりません。
つまり、損切りを急いで、利食いを急がなければ、一気に大損することはそうそうないよ、とFX初心者に注意を促してるわけです。
要するに上記二つの格言の真意は
- 利食い千人力→初心者は最初に決めた売買ルール通りに利食いしよう。欲張りすぎるな
- 損小利大→(FXは動く時に大きく動く習性があるので)初心者は大きく利幅が取れそうな時(多くはトレンド発生時)にポジションを持つように心がけ、うまくいかなかったらすぐに損切りすれば(少なくとも)大損はせずに済むよ
ということです。
どうです?
二つの格言が決して矛盾していないことに気づきませんか?
どちらも、FX初心者が犯しがちな過ち(損切りできない、利食いのチャンスを不意にする)に対する警鐘のため、伝わりやすいよう「損切りは急げ。利食いは急ぐな」「利食いを急げ」と、簡単な言葉に置き換えているにすぎません。
そのために矛盾しているように感じるのかもしれませんが、実際には本質的には全く別のこと(売買ルールの徹底とトレンドフォローの重要性)を意味しているということは十分理解しておく必要があります。
ちなみに、どちらも初心者が大損することがないよう、アドバイス的な格言であるため、二つの格言は必ず守る必要もなければ、守っていたからといて、勝ちが約束されるわけではありません。
例えば、損小利大を守っていれば、すぐに大損することはありませんが、決して損しないわけではないですよね。
損切りを急げば、下手すれば、損切り貧乏になってしまい、結局、損は積み重なって、いずれ膨らんでいきます。
結局、FXで利益を上げ続けるためには、優位性(エッジ)のあるトレード手法、つまり勝ちパターンをを見出す必要があり、損小利大の順守や機械的なトレードだけでFXで勝てるようになるわけではないので、誤解のない様にしたいものです。
損小利大を守らなくても、感覚(相場観)に頼ったトレードをする人でも勝てる人は勝てることは言うまでもありません。