メキシコペソ/円のスワップポイントをFX業者で比較
近年、メキシコペソ(MXN、墨ペソ)の取扱い業者が増えてきました。トルコリラや南アフリカランドほどではありませんが、高金利通貨として人気が出てきて、小さなブームが起きている感があります。
そこで今回は、メキシコペソの魅力、今後の見通しなどと共に、メキシコペソを取り扱っている各FX業者のスワップポイントについてもまとめてみたました。ぜひ、ご参考に。
メキシコペソ円のスワップ比較
早速ですが、まずメキシコペソ円の各業者のスワップは現在(2018年5月)のところ、だいたい以下のようになります。
FX業者 | スワップポイント (1万通貨の場合) | スプレッド | 最小取引単位 |
---|---|---|---|
みんなのFX | 15円 | 0.5銭(原則固定) | 1000通貨 |
FXプライムbyGMO | 15円 | 1.9銭(原則固定) | 1000通貨 |
外為どっとコム | 12円 | 0.5銭(原則固定) | 1000通貨 |
マネーパートナーズ | 12円 | 0.5銭(原則固定) | 1万通貨 |
ヒロセ通商 | 11円 | 0.4銭(原則固定) | 1000通貨 |
くりっく365 | 11円 | 0.74銭 | 10万通貨 |
マネックス証券 | 11円 | 0.9銭(原則固定) | 1万通貨 |
勿論、スワップポイントは日々変動しますので、どこが一番良いスワップポイントがもらえる業者かも勿論毎日のように変動します。
なので、上記の表を見て、FX業者を選んで口座を開設しても、いざトレードを始める時期にはランキングも変動している可能性が高いです。
と、考えると、上の表のスワップポイントランキングは無意味のように思うかもしれませんが、高スワップを提供してくれる業者はだいたいいつも同じなので、そういう意味では、大きな目安になると思われます。
スプレッドでの比較に意味はある?
メキシコペソ円は高金利通貨ということもあって、あまり短期トレードでやる人は少ないと思われます。なので、スプレッドはあまり意味が無いように感じますが、リスクヘッジでたまに両建てでのデイトレとかをする場合もあるかもしれません。
そういう意味では、スプレッドも狭いに越したことはありません。
最小取引単位について
最後に、最小取引単位についてですが、現在のトルコリラ円のレートは1リラ=約5円から6円の間です。
1万通貨での取引でも必要証拠金は2千円から3千円くらいで済みます(レバレッジ25倍の場合)。
そういう意味では取引通貨単位、1000通貨(0.1ロット)取引に対応しているかどうかも、あまり気にする必要はないと思います。
おすすめのFX業者は?
個人的には、メキシコペソ円でスワップ生活を始めるなら、ヒロセ通商かFXプライムbyGMO、あるいは最小取引単位10ロットですが、くりっく365あたりがおすすめです。
理由は、メキシコペソ円の特集ページを設けているのがヒロセ通商とFXプライムbyGMO、くりっく365だけだからです(特集ページを設けている=その業者が力を入れている、と見ています)。
高金利通貨への投資はやはりリスクもそれなりに伴いますので、資金に余裕があるなら、分散投資が基本です(例:トルコリラ円に資金の3割、メキシコペソ円に資金の4割、残りを南アフリカランド円に、など)。
そういう意味でも、ヒロセ通商さんはトルコリラ円や南アフリカランド円等のスワップポイントでも業界トップクラスなので、スワップ派の人にとっては確実に口座を開いておきたい業者と言えます。
何故人気?メキシコペソの魅力
最近、メキシコペソが注目されているのは、言うまでもなく、高金利だからです。
メキシコペソの政策金利は、2015年12月3.00%から利上げ開始後、2018年2月には7.50%まで上昇しました。トルコリラには若干及びませんが、南アフリカランドを上回る高金利です。
さらに、現在、インフレ率が中央銀行の政策目標である3%を大きく上回る6%台半ばで推移していることから今後も利上げが続く可能性があり、さらなる金利アップが見込めます。
ちなみに、目安としてメキシコペソ円をFXプライムbyGMOで10万通貨運用したとすると、スワップ金利は年間15×10ロット×365日=54750円。
為替レートを1ペソ=6円とした場合、必要証拠金はレバレッジ1倍だと60万円。年利換算では約9%になります(レバレッジ3倍だと年利約27%)。
これだけ金利収入があれば、ほとんどの人は十分なのではないでしょうか。
おまけに他の高金利通貨(トルコリラ、南アフリカランド)に比べて、格付けも高いのも魅力です。
トルコリラ | 南アフリカランド | メキシコペソ | |
---|---|---|---|
政策金利 | 8.0% | 6.75% | 7.5% |
S&P格付け | BB | BBB- | BBB+ |
フィッチ格付け | BBB- | BBB | BBB+ |
ムーディーズ格付け | BBB- | BBB | A- |
ちなみに米国格付け会社のS&Pのソブリン格付けはAAA、AA+、AA、AA-から始まってDまでの22段階。
BB+以下は投機的(一般にジャンク債とも言う)と言われています。
S&PによるとメキシコペソはBBB+(南アフリカランドはBBB-、ロシアルーブルはBB+、トルコリラ、ブラジルレアルはBB)。
日本よりも2段階下、南アフリカよりも2段階上、トルコリラよりも4段階上となっています。
要するに格付け会社によれば、トルコリラやブラジルレアルへの投資は、もはや投資ではなく投機であるのに対し、メキシコペソへの投資は、立派な投資と言えるわけですね(勿論、格付け会社の格付けが全てではありませんが)。
高金利でありながら、信用も高く、かつ今後も利上げが続く可能性がある。
とくれば、人気があるのもうなづけるのではないでしょうか。
メキシコペソ今後の見通し
現在、メキシコペソ円のレートは1ペソ5円から6円の間。
2017年1月に就任した米ドナルド・トランプ大統領は、いろいろとメキシコへの強硬政策を打ち出していることで有名ですが、チャートを見る限り、それによってメキシコペソが急激に売られているということはなさそうです。
というのも、メキシコは長年に渡るアメリカの友人であり、米国製品の輸入国として必要不可欠な存在。米国経済にとってもなくてはならない存在と言えます(メキシコは、中国と英国を合わせたよりも多く米国から輸入しています)。
そういう意味で少なくとも米国がメキシコを見捨てるような、メキシコが死んじゃうような政策は(いくらトランプがバカでも)やらないだろうと多くの識者は見ているようです。
目標の倍近い高いインフレ率にも拘わらず、格付け会社のメキシコの格付けが比較的高評価なのは、こういった背景があるため。
ちなみに、S&P社の格付けでは、メキシコペソの今後の見通しは3段階中の真ん中。
- ポジティブ(将来、格付けが上がる可能性を示唆)
- 安定的(将来、格付けが上がるとも下がるとも言えない)
- ネガティブ(将来、格付けが下がる可能性を示唆)
メキシコペソは現在も十分な信用力があり、それは将来も変わることはないだろうと楽観的にみているようです。
同じ高金利通貨のトルコリラがネガティブ(今後さらに格付けが下がる可能性を示唆)なのと比べてもこの点でも、優位性があると言えるでしょう。
そういう意味では、スワップ投資派の人は、ポートフォリオにおけるトルコリラの割合を減らし、メキシコペソの割合を増やしたほうが良いと言えると思います。
ただ、何度も言うように、メキシコは現在、インフレ率6%以上と目標値の2倍以上もあります。インフレ率が高いということはペソの価値が下がっているということなので、インフレ率を抑えたいがゆえにメキシコ政府は政策金利を高めに設定しています(高金利にはちゃんとした理由があるわけです)。
高いインフレ率は決して好ましい状況ではありませんが、はっきり言ってしまうと、世界中のどこの国の経済も決して好ましい状態ではありません(日本も然り)。
投資するかどうかは、「どの程度好ましくないか」「許容範囲なのか否か」の見極めが重要です。
ただでさえ日本にいればメキシコの情報なんて、ほとんど入ってきません。
そう考えると、高金利につられて盲目的に全力投資なんかしてしまうと……。
いえ、個人的にはメキシコペソはそんなに心配する必要はないと思うのですが、やっぱりリスクを分散する意味でも、分散投資をお勧めしたいところです。