休むも相場―ペイアウトサイクルとペイバックサイクル
FXを長年経験していると、とにかく勝ちまくり、利益がどんどん増えていく時期がいずれ訪れます。
これは、トレードスキルとは関係なく、確率論的に訪れることになります。
が、逆も当然あって、どんなにトレードスキルがある人で、優位性(エッジ)のあるトレード手法を使っていても、何故か、うまくいかず、長いドローダウンからなかなか抜け出せない時期もあります。
これは、プロ野球などのスポーツでも同じで、最終的に圧倒的な強さで日本一になるようなチームでも途中10連敗くらいしてしまう場合はありますよね。
このように、勝ちが続いている時期をペイアウトサイクル、負けが続いている時期をペイバックサイクルと呼び、ペイバックサイクルに入ったら「休むも相場」の格言通り、トレードを休み、ペイアウトサイクルになるまで待ちましょう。
といったような内容が、トレーディングエッジ入門という本に書かれてあります。
FX上級者でも負ける時は負ける
上記の本は、結構、賛否両論が極端に分かれていることで有名です。
賛否が分かれる原因は、主に一つ。
どうやってペイバックサイクルに入ってしまっているのかを見極めるのか。
確かに、連敗中というのは、それがどれだけ長く続くかは定かではありません。後で振り返ってみて、初めて「ああ。あの時がペイバックサイクルだったんだな」というのが認識できるわけで、いわば結果論にすぎません。
だから、初心者ならまだしても、既に相場にエッジを持っているような上級者なら、別に休む必要はないのでは?
- エッジ(優位性)=確率的に利益が出るトレード手法
- 負けが続いたら休め=確率は前後の要素(連敗が続いていること)に左右されない
統計的に見て、利益が出るトレード手法を持っているのに、途中、少しうまくいかない時期があるからといって、休めというのは、落ちているお金をひらう作業を休め、とっているようなもので、どうも矛盾しているのではないか。
というのが、反対派の代表的な意見のようです。
筆者もどちらかというと、この意見に賛成です。
勿論、どんなにエッジ(優位性)のあるトレード手法を用いていても、いつでも勝てるわけではないのは事実です。
FXで億を稼ぐような人でも、毎年のように億単位で稼いているような人は、それほど多くないでしょうし、毎月の収支がプラスという人は、更に割合が減るでしょう(毎日プラスというような人は聞いたことがありません)。
このサイトで、最悪20連敗くらいは想定して、ポジションサイズやレバレッジを決めるべき、と繰り返し書いていますが、これは上級者でも、10連敗、20連敗、あるいは、非常に勝率や利益率が低くなる時期が、相場状況の変化次第で、あり得るからに他なりません。
しかし、既に相場にエッジ(勝ちパターン)を持っていて、既に機械的なトレードができている人は、寧ろちょっとやそっとの連敗や連勝で一喜一憂しないものです。
そう考えると、上記の本はどうも矛盾しているような気がします。
FX初心者は時に休息も必要です
ただ、エッジを築く以前の、勝ちパターンを確立する前の初心者トレーダーにとっては、この本は、非常に参考になるかもしれません。
というのも、やはり経験の浅い初心者にとって、連敗は、少なからず精神的ダメージが大きいですからね(筆者も過去何度も心が折れそうになりました)。
そういう場合、ポジションサイズを小さくするなり、少し取引画面から離れて、FXのことは忘れて、心と頭をリフレッシュするなり、そういった休息は絶対に必要なように思います。
最終的な目標=優位性のあるトレード手法を確立すること
ですが、そこに至るまでの道は、果てしなく遠いです。あまり気を張り詰めすぎると、必ず途中で根負けしてしまいます。