FXで億万長者になることは可能か
FXをこれから始めようという人には、億万長者を目指している人は多いのでは、と思います。実際、私も最初はそうでしたから。FXなら短期間で一攫千金が可能、あわよくば億万長者に。そんなふうに思っていた時期がありました。
が、現実的に見ると、言うまでもなく、手持ち100万円をFXで1年で1億円にする、なんて芸当は、ほぼ不可能です。
FXで一億円稼ぐためには
FXとは?でも述べたとおり、現在、国内のFXではレバレッジは25が最高になっています。
仮に投資資金(証拠金)100万円をレバレッジ25倍で運用した場合、どのくらい勝ち続ければ100万円が1億円になるかをざっと計算してみます。
数ある通貨ぺの中でも一番ボラティリティ(値動き幅)があると言われるポンド円ですら、最近は1日に2円動くことは稀ですが、ここでは、ポンド円が1日に2円(200pips)以上動くと仮定しましょう。
証拠金100万円、レバレッジ25で、1日200pipsとれれば、利益は1日50万円です。つまり、1日で資金が1,5倍になったことになります。
次の日は証拠金150万で、同じようにレバレッジ25で200pipsとったとすると、150万×1,5で、225万に。
といった具体に計算すると、11連勝すれば、約8千6百50万になり、12連勝で約1億3千万になる計算になります。
1日に200pipsしか動かない通貨で200pips抜き続けるのは無理があるので、1日100pips、とノルマを下げてみると、1日で1.25倍になることから、同様に計算すると。
1.25の20乗が86.7361737988。
1.25の21乗が108.420217249。
つまり、100万円を1億円(100倍)にするには20連勝程度が必要になってきます。
1日100pips抜きが成功する確率を50%と設定した場合、10連勝や20連勝する確率は2の10乗が1024、20乗は1048576であることからそれぞれ千分の1、100万分の1ですね。
確かにじゃんけんや丁半博打でも10連勝や20連勝が全く起きないわけではないので、可能と言えば可能でしょう。
宝くじを買うよりははるかに確率が高い、と言えなくもありません(笑)。
ちなみに、レバレッジが100倍の場合だと2の7乗が124なので、7連勝で100万円が1億2400万になります(確率は124分の1)。
このことからもレバレッジの規制により、一昔前よりも、億万長者は誕生しにくくなっていることがわかると思います(破産する人も少なくなっているでしょうけど笑)。
長期的な視野で1億円を目指す戦略
上記の例は、少しばかり、仮定が強引でした。いくらなんでも、レバレッジ全開で10連勝、20連勝を目論んでいる人は、ほとんどいないと思います。
では、投資資金100万円で月収100万円くらいならそれほど難しくないか、と言われると、レバレッジ25倍の場合、月に400pips分の勝ち越しで達成可能です。
しかし、逆に最大ドローダウンが400pipsに到達した時点で、投資資金は0になりますし、実際には200pipsマイナスで、有効証拠金維持率は半減、ほとんどのFX業者で強制ロスカットが発生して相場から退場することになるので、やはり確率的に見て非常にリスキーだと言わざるを得ません。
ちなみに相場の世界では年率20%で資金運用できれば、プロレベルと言われています。
つまり投資資金100万円なら、年20万、1月2万円弱を安定して稼げれば上等というわけです。
そして、長年にわたって年利20%で資金運用を行うことができた人は、実は過去一人しかいません。
現在、世界一のお金持ちの座をビル・ゲイツと争っている有名なウォーレン・パフェットさんですね。
パフェットは年利25%を36年間にわたって達成した、いわば生ける伝説。
その伝説の人ですら、年利25%ですから、100万円を1年で100倍なんて論外、1年で2倍にする、という考え方ですら、非常に困難であることがわかってもらえると思います。
FXで億万長者になるのは無理か?
しかし、FXで億万長者になるのは一生無理か、というと、そういうわけでもありません。
仮に年利20%を25年にわたって運用し続けることができた場合。
1.2の25乗=95.3962166441
であることから、25年で100万円がほぼ1億円になることがわかります。
しかし、年利20%を何年も続けるのは、プロ級の腕間が必要ですから、普通の人にはこれでも簡単ではありません。
なので、もっとハードルを下げて年利10%と仮定してみます。
- 毎月10万円づつFXの投資金に積み立てる
- 年利10%(月利1%程度)を目指す
年利10%の運用なら、それほど難しいことはありません。初心者でもしっかりと知識を蓄えていけば、可能な数値です。
毎月10万円づつ、投資口座に振り込むことも、節約を頑張れば、可能な人は少なくないと思います。
上記の条件で資金運用するとして、果たして何年で1億円まで到達するかというと。
20年で約7千5百万。
23年で約1億500万。
やはりおよそ20年前後で、100万円が1億円程度まで膨れ上がることになります。
複利の力で20年かけてFXで1億円稼ごう!
FXで失敗し、大金を失う人は、大体が、このページの最初のほうで紹介した博打的な資金運用をしている場合がほとんどです。
しかし、長期的かつ現実的な資金運用でも、100万円を1億円にすることは十分可能です。
ちなみに最初から投資資金が1000万円ある人でも、かかる年数は同程度になります。
- 投資金1000万から開始
- 年率10%
この場合、1,1の24乗が9.84973267581になるので、1000万円を10倍(1億円)にするには25年が必要、という計算になります。
最初に1千万よりも「毎月10万円」のほうが、より少ない年数で1億円に到達することがわかってもらえるでしょうか。
これが複利運用(利息を元本に加えていくこと)の威力です。
要はFXの運用益だけで1億円を目指すのではなく、毎月少しでもいいから節約して投資に回そう、そうすれば複利の力が加わって、どんどんお金は貯まりますよ、ということです。
天才物理学者アインシュタインも複利のことを「人類が見つけたもっとも驚くべき法則である」と語っていたそうです。
丁半博打的な運用で1億円を目指すのも、それはそれでスリルがあっていいかもしれませんが、現実味という点で言うなら、年利10から20%の資金運用で、20年程度かけて1億円を目指す、というほうが確実です。
FXにはスワップ金利もあるので、実現性は他の投資手段に比べて有利な点は多いのではないでしょうか。