マーチンゲール法はFXでも必勝法になり得るか

マーチンゲール法とは、カジノなどのギャンブルが好きな人は知っていると思いますが、数あるギャンブルの取引戦略(Betting system)の一つです。

マーチンゲール法は、別名「勝つまでやめない法」と呼ばれ、カジノ必勝法として昔からあるもっとも有名な方法です。

理屈は単純明快で、例えば、最初の掛けで1万円負けたら、次は2万円賭ける。それでも負けたら4万円賭ける。
要するに、勝つまで倍掛けを続けるという方法。

あまりにも単純で馬鹿らしい方法だと思うかもしれませんが、実はこの方法、必勝法と言われるだけあって、実はある条件を満たせばいつかは必ず利益がでる方法でもあります。

勝つまでやめない法

少しシミュレーションしてみると…。

2回目に勝つ場合。

  1. 1回目負け→マイナス1万
  2. 2回目勝ち→プラス2万(累計1万)

という具合にやっていくと…。

N連敗後N+1回目に勝つ場合。

  1. 1回目負け→マイナス1万
  2. 2回目負け→マイナス2万(累計マイナス3万)
  3. 3回目負け→マイナス4万(累計マイナス7万)
  4. 4回目負け→マイナス8万(累計マイナス15万)
  5. 5回目負け→マイナス16万(累計マイナス31万)
  6. 6回目負け→マイナス32万(累計マイナス63万)
  7. ………
  8. N回目負け→マイナス2の(N-1)乗万円(累計2のN乗万-1万円)
  9. N+1回目勝ち→プラス2のN乗万円(累計1万円)

というわけで、2回目に勝っても10回目に勝ってもN+1回目に勝っても、要するに何回目に勝っても、最初の掛け金分の利益が必ずでることになります。

ただし、問題は勝つまでの回数。

勝ち負けの確率2分の1のギャンブルの場合、10連敗や20連敗はなかなかありませんが、絶対に0とは言い切れません(ちなみに私のFXにおける最大連敗数は19連敗)。

FXは決して勝ち負けの確率2分の1のギャンブルではありませんが、FX初心者にとっては、それに近いものがあると思うので、仮にFXでマーチンゲール法を応用したと仮定します。

ドル円1万通貨の取引で、1万円利益(+100pips)で勝ち、1万円損失(-100pips)で負けとして先ほどのシミュレーションに、私の19連敗(計算をわかりやすくするために20連敗として)を当てはめてみると…。

Nは20なので、なんと20回目のトレードで、「2の20乗-1」万円、という損失がでることになります。

2の20乗は1048576です。つまりマーチンゲール法を使った「1万通貨で取引、プラスマイナス100pipsでリカク&ロスカット」というトレード手法で20連敗した場合、1048575万円(100億円超)の損失が出ます。
1000通貨での取引でも10億円超、更に決済幅をプラスマイナス10pipsにしても1億円超のマイナスです。

というわけで、もうわかってもらえたでしょうが、先ほどの「ある条件」とは投資金がほぼ無尽蔵にあること。
しかも、すさまじいリスクとは反対に、リターンは常に1万円という究極の損大利小トレードです。

実はマーチンゲール法はFX初心者に大人気

と、ここまで読んでもらえれば、如何にマーチンゲール法が、必勝法(笑)で、あるかがわかってもらえると思いますが、実はこの手法、FX初心者に大人気な模様。

というのも、20連敗はもとより10連敗もそうそう起こるものではないからです。

  • 10連敗の確率=0,000976%
  • 20連敗の確率=0,0000009%

10連敗の場合、約1000分の1程度の確率(2の10乗は1024)で、損失額も1000万程度。

1000通貨での取引、決済幅が10pipsにまで狭めると、たったの10万円程度のリスクです(ただし、リターンは100円ですが)。

要するに、リスクとリターンの比率は1000対1ですね。

なので、この手法で、勝ちづつけ利益を上げることはまず不可能なのですが、それでもこのマーチンゲール法をFXに応用して、運よく億万長者になった人がきっといるのでしょう。

そういった人が講演やセミナーや著書でこのマーチンゲール法を推奨したりしているようです。
また、FX初心者の場合、普通の感覚では「10連敗なんかあり得ないよ!」と思ってしまうのも無理はありません(私も思ってました)。

勿論、1発勝負のギャンブルなら、確率的に勝つ可能性が大きいため、それでもいいのかもしれませんが、もし、FXである程度長期的に利益をあげ続けたいのなら、絶対にやってはいけないトレード手法の典型だということができます。

逆マーチンゲール法もある

実はマーチンゲール法には逆バージョンも存在します(パーレー法と呼ぶそうです)。

手法は、その名の通りマーチンゲール法の反対で、1万賭け、勝てばその倍、さらに勝てばその倍、負ければ最初の1万円に戻す、というものです。

負ければ、何回負けても掛け金は1万円なので、10連敗しようが20連敗しようがN連敗しようが、損失は1×N。
投資金が100万円あれば、100連敗まで可能です。

そして勝ち続ければ…。

  1. 1勝で1万円の利益
  2. 2連勝で2万円の利益(累計3万円)
  3. 3連勝で4万円の利益(累計7万円)
  4. 4連勝で8万円の利益(累計15万円)
  5. ………
  6. 10連勝で512万円の利益(累計1023万円)
  7. ………
  8. N連勝で2の(N-1)乗の利益(累計2のN-1乗+1万円)

となります。

ただし、10連勝の確率は10連敗の確率を同じく1024分の1。3連勝でも8分の1です。

ちなみに逆マーチンゲール法の場合、例えば10連勝を目指す場合、連勝が1でストップしても9でストップしても、損失はマイナス1単位(この場合1万円)になります。つまり何回トレードしても負け数×1万円が損失の総額です。

10連勝の確率が約1000分の1なので、1000回負ける(損失1000万)までに、10連勝が出た場合、利益は1023万円-1000万-1000回分の取引コスト(スプレッドやマイナススワップで、スプレッドが0,5pipsのFX業者の場合、1000回分の取引コストはスワップポイントを無視すれば、500pips分になります)なので、約20万弱儲かる模様。

1000回以上トレードして利益はたったの18万。一体時給に換算するとどれくらいでしょうか(笑)。
しかも1000回の負けに耐えれるよう、口座に1000万以上は最低入れておく必要もあります。

ただし、運よく100回程度の負け回数で「確率1024分の1」の10連勝が出れば、900万円超の利益になります。
マーチンゲール法とは反対にすさまじいまでの損小利大ので、1発当たれば、大きな利益が期待できるわけです。

  • 損大利小トレード→勝つ確率は高いが1回の負けで破産することも
  • 損小利大トレード→勝率は低いが、1発当てれば、大逆転

マーチンゲール法と逆マーチンゲール法は、FXで利益をあげ続けるために大切なことを教えてくれている気がしませんか?

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