外国株の投資(CFD)の始め方
日本経済が停滞気味で足踏みを続ける中、日本の株に投資してもなかなか儲かりません。
バブル崩壊以降、日経は、1989年12月の最高値38,915円の半分しか回復していないのに対し、アメリカのNYダウ平均は、リーマン・ショックからの回復も日本の約3倍も早く、現在は史上最高値を更新しています。
というわけで、世界1の経済大国である米国の株や、経済成長右肩上がりで今や日本を抜いて世界2位の経済大国になった中国の株式に投資しようと言う人が近年増えてきました。
といっても、外国株への投資って難しいんじゃないの?と言う人がいるかもしれませんし、実際に現物株への投資は少し面倒なところがあります。
が、CFDなら、そんな少し難しい外国株への投資も比較的手軽に行うことができます。
目次
手軽に始められる外国株CFDの魅力
外国株CFDには、現物株投資にはない多くのメリットやデメリットがあります。
取引銘柄が意外と多い!
CFDというと取引銘柄が少ないというイメージを持っている人が多いかも知れませんが、意外と多くの銘柄をCFDで取引することができます。
例えば、国内CFD取引シェアナンバー1のGMOクリック証券なら、米国株だけでも有名どころはほぼ全て60種類以上、中国株も20種類以上取り扱っています。
といっても、マネックス証券やSBI証券、楽天証券などで取り扱っている米国株の銘柄数は1000から3000くらいあるので、それに比べればはるかに少ないですが、それでもFXなんかと比べればずっと多いです。
これだけの銘柄数で十分と思えるかどうかが、まず外国株をCFDで取り引きするかどうかの分かれ目になります。
ちなみに海外CFD業者の(日本法人)サクソバンク証券なら、米国株CFDの取扱い銘柄は2000銘柄以上あるので、海外業者でも良ければサクソバンク証券も選択肢に入ります。
外国株CFDは手数料無料もスプレッドが!
まずCFDはFX同様に手数料無料が基本です。
といっても取引コスト0ではなく、スプレッドがあるので、実際にはこれが実質的な手数料と言えます。
このスプレッドは同じ米国株でも銘柄によって違い、特に人気のない流動性の低い銘柄はスプレッドが大きく開いています。
例を挙げると、超有名企業のTwitter社のスプレッドは1株当たり0.1ドル、インテルは0.2ドルほど(時間帯によって変動します)。
とはいえ、米国現物株の取引手数料の最安値が、マネックス証券が米国株1株あたり5ドル~、SBI証券も同様に5ドル~と割高。それに加えて為替手数料も取られるので、CFDのほうが取引コストはかなり安いです。
少額から始めることができる!
CFDにはレバレッジという制度があるため、現物株より少額から投資可能です(外国株CFDはレバレッジ5倍)。
また、米国株の場合、CFDも現物も1株から取引可能と条件は同じですが、中国株の場合だと、現物株は単元株数が約2000株と日本の企業の株式よりもさらに多いです。
そのため、投資に必要な資金もそれなりに必要になります。
しかしCFDはレバレッジが効くだけでなく、単元株数も現物中国株よりも少ない(100枚など)ため、少額での投資が可能です。
少額から中国株を始めたいという場合、CFDのほうが始めやすいです。
買いでも売りでも取引可能
CFDはFX同様、売りでも買いでも参入可能です。例えば、Google社やTwitter社、Amazon社などの株価が今後下がると予想すれば、売りから入ることもできるわけです。現状は、あまりそういうことは考えられませんが、しかし、オーバーシュートした際に一時的な売りをしたいという場合はあると思います。
現在、外国株の信用取引はどこの証券会社も取り扱っていないため、外国株のショートポジションを作れるのはCFDだけです。
CFDは成行注文にも対応!
CFDは指値、逆指値、成行注文、3種類の注文方法に対応しています。
それに対して外国現物株の場合、国内大手証券会社では指値、逆指値、成行、全てに対応しているのはマネックス証券だけです。
- マネックス証券:指値、逆指値、成行
- SBI証券:指値のみ
- 楽天証券:指値と成行のみ
デイトレなら成行注文はある意味必須でしょうし、中長期の取引でもストップロス(逆指値)は入れておかないと危険です。なのにSBI証券も楽天証券も逆指値なし!
暴落したら大損間違いなしですね(笑)。
CFDはストップロス注文がほぼ必ず約定する!
基本的にCFDは、FX同様にストップロス注文(逆指値)がほぼ確実に約定します。
外国株は、ストップ安やストップ高がなく、株価が上がるときはどこまでも上がり、株価が下がるときはどこまでも下がる可能性があります。値が飛んだ場合、逆指値に引っかからずに想定レンジから離れた場所で約定してしまう可能性が高いです(といってもほとんどの証券会社では逆指値注文すらないですが)。
が、CFDはFX同様、業者との相対取引なため、ストップロスは勿論、強制ロスカットで証拠金以上の損失がでることはほとんどありません(流動性の低い中国株の場合は、多少リスクがあるかも)。
リスク管理という点でもCFDのほうが、現物株取引よりも優れていると思います。
CFDはほぼ24時間取引できる!
基本的に外国株は外国の株式市場が開いている時間帯でしか、取引できません。
指値や逆指値注文は24時間発注可能ですが、少なくとも成行での注文は米国株なら、米国株式市場が開いている時でしか注文不可です。
しかしCFDはほぼ24時間(祭日も)、成行での注文に対応しています。
米国株式市場が開いていない時間帯に、テロや戦争などネガティブなニュースが発生することは多々あります。そういう場合でも、CFDならすぐに対応可能なのも大きいです。
CFDは配当がもらえない
CFDは現物株と違って配当金はもらえません。なので配当目当てで投資するならCFDは不向きと言えます。
とは言え、現物株のほうもそんなに配当金は多くなく、日本企業よりも株主還元を重視する高配当の優良企業が多い米国企業ですら、10年国債(長期金利)の利回りよりも低いのが現状です。
というわけで、どうせなら配当利回り狙いではなく、キャピタルゲイン(安く買って高く売る)を狙いましょう。CFDはレバレッジ5倍までかけられるので、得られる売買差益も5倍です。
CFDのオーバーナイト金利とは?
外国株CFDには、金スポットCFDと同様にオーバーナイト金利(価格調整額)というものが存在します。
これはどういうものかというと、例えば、CFDで米国企業の株を買うということは「米ドルを売って、米国株を買う」ということです。
FX経験者なら、この時点でピンと来ていると思いますが、要するにスワップ金利と同じです。
米ドルを売るとはこの場合CFD業者から米ドルを借りているとのと同じですから、借りている間はその分の金利を支払う必要があります。
なので、先の配当金の話と合わせると、外国株をCFDで購入すると、配当がもらえるどころか、オーバーナイト金利を支払う必要があります。
勿論、デイトレなどでその日のうちに建玉を決済すれば、オーバーナイト金利は発生しません。
それにオーバーナイト金利(GMOクリック証券では価格調整額と呼ぶ)は、配当金と同様、売買差益と比べると微々たるものです。
あまり気にする必要はありませんが、逆に言えば、気になる方は、CFDで個別株への投資はやめたほうが良いかも知れません。
外国株CFDのメリット・デメリットまとめ
- 投資できる銘柄数は少ないが有名どころはそろっている
- 取引コストは安い
- レバレッジ5倍までかけられる
- 売りから入ることもできる
- 暴落などのアクシデントに強い
- 24時間いつでも取引できる!
- 配当は無しでオーバーナイト金利もあるので長期のロングには不向き?
以上、外国株CFDのメリット・デメリットもまとめでした。
個人的な印象としては、個別株のCFDは現物株よりもいろいろとシンプルで融通が利く部分が大きいと思っています。FXをやっている人なら、すぐに馴染めるはずです。
米国株や中国株への直接投資もそれはそれでいい面もありますが、CFDもCFD特有のメリットがありますので、自分の目的に合わせて、最適な投資方法を選択してくださいね。