「FXは難しい」と言われる4つの理由を徹底分析!
FXは難しいと言う人がいます。
その一方でFXは簡単である、という人もいます。
どちらが本当なのか?
結論から先に言うと、高度な前知識があまり求められず、素人でも簡単に始められ、取引の仕組みもシンプル、という点でFXは株式投資などよりもはるかに取っつき易いと言えます。
が、しかし、シンプルであるがゆえに奥が深く、勝ち続けるためには高度なトレードスキルを身につける必要がある、という点では、FXも他の投資ゲームとなんら変わりはありません。
FXは簡単そうだから始めた。
そういう素人トレーダーが結局大損をしてしまうのはある意味必然ですし、そういった素人トレーダーが後に「FXは難しい!」と声を大にするのもある意味必然と言えます。
目次
FXが難しいと言われる理由を知ることの大切さ
何故、FXが難しいと言われるのか。
その理由を知っておくことは初心者にとてすごく大切です。
何故なら、「FXは難しい」という人たちの声は、前述したように、FXで失敗して大損したことのある人たちの声でもあるからです。
「FXは難しい」とネットやツイッターでつぶやいている人たちはたくさんいますが、FXを始める前に、彼らの声に耳を傾け、その理由をしっかりと分析しておけば「FXを始めて1ヵ月で貯金が半分に減りました(泣)」みたいなことは、おそらくなくなるはずです。
以下、FXが難しいと言われる理由です。
理由その1:FXは投資対象が少ない
FXは、株式投資などと比べ、取引の対象となる通貨ペアの数はかなり少ないです。
FXの投資先となる外国の通貨は、米ドル、欧州ユーロ、英ポンド、中国元など主要国の通貨をメインに、マイナーな国のマイナー通貨、あわせて十数種類程度しかありません。
投資対象が国内だけでも数千銘柄もあり、どの銘柄に投資すれば良いのか判断に迷う株なんかと比べると、雲泥の差です。
株ってどれを買ったらいいのかよくわからん……。
このように思っている人は多いのではないでしょうか。
FXは、初心者の9割以上がドル円のトレードから始めると言われるくらい、投資対象が明確。この点が取っつきやすさの要因になっていることは間違いなさそうです。
シンプルだから素人の自分でもやれそうな気がする。この点が大きな落とし穴になる確率が高いのです。
為替って上がるか下がるかしかないんだから、私でも勝率5割くらいは勝てそうな気がする。
こんな風に思っていると、大損する確率は大です(笑)。
デモ口座を開設して、とりあえずドル円を買ってみた。今のところ毎日5万ほど勝ってるけど、なにこれ簡単すぎない?
FXって一体何が難しいの? 大損した人ってどうやって負けたの?
こういうのも単なるビギナーズラックに過ぎません。結局、確率的に落ち着くところに落ち着きます。
理由その2:為替相場を動かす要因がわかりずらい
FXの難しさの要因2つ目は、為替相場のその方向性のわかりにくさにあります。
例えば、企業の株価なら、業績がよくなれば、当然上がります。
毎年1億稼いでいた会社が、毎年2億稼ぐようになれば、その過程で株価は2倍になるはずです。
どのタイミングで買えば良いのかを判断するのは難しいので、株で儲けるとなるとそうそう上手くはいかないのですが、株価のアップダウンの理屈だけみるとすごく簡単です。
では、為替レートのアップダウンはどのように決定されるのか。
一般に言われている為替相場を動かす要因には次のようなものがあります。
- 各国の景気
- 各国の金融政策
- 各国の経済政策
- 資源価格
- 戦争・災害などの地政学リスク
例えば、1の各国の景気。
仮に米国の景気が上昇気配にあるとします。この場合、ドル円のレートはアップする傾向が強いです。これはわかりますよね?
しかし、米国が今にも戦争に始めようとしていた場合はどうでしょう。
この場合、近年ではドルは売られる可能性が高いです。
どちらの要因がより強く働くかでドルが買われるか売られるかが決まるのですが、近年では戦争などの地政学リスクのほうが世界中の投資家の注目を集めるため、その影響も強く働きます。
あるいは、米国の景気が上向きであったとしてもその影響がアメリカ経済よりも欧州経済に与える影響のほうが強い(欧州と米国は経済的に強く繋がっているため)、と世界中の投資家が判断した場合、ユーロ買いドル売りが加速します。ドル買いの勢いよりもユーロ買いの勢いのほうが強ければ、結果としてドルは売りのほうが多くなるのです(つまりユーロドルは下落)。
その結果としてドル円が下落……。なんてことも珍しくありません。
ものすごく複雑ですよね。
しかもその複雑な要因が毎日のように変化するのですから、上記のような要因から世界経済や為替相場の行方を予測するのは専門家でもほぼ不可能と言われています。
プロでも為替相場の先行きは予測不可能。
これは言い換えれば、FXはギャンブル性が強く、プロも素人も同じ土俵で勝負できる、とも言えるのですが……。
FX始めて1ヵ月たつけど、全然儲からんわ。資産が増えるどころが確実に減りつつある……。大負けしてないからやめる踏ん切りもつかないし……。
いずれにせよ、素人の場合、ギャンブルトレードはよくてプラマイ0、ほとんどの場合はマイナスに働くことのほうが多いのは間違いありません。
雇用統計の数字が予想よりも大幅UP! なので全力でドル買いしたのに、その後ドル円は大暴落……。FXまじよくわからん……。
また、こういった意見もFX初心者によく見られます。
「噂で買って事実で売る」は株式相場でもよくあるのですが、理由その1でも述べたように、FX初心者は投資素人が多いため、よりこういった声をよく耳にします。
さらに加えると、通貨の価値が絶対的ではないため、適正レートが存在しないことも、為替相場の方向感の無さを強めています。
理由その3:FXはギャンブル的中毒性が強い
FXは土日以外なら、日本の祭日も含めて24時間いつでも取引可能です。
スマホ等があれば、いつでもどこでも相場をチェックできます。
と言えば、利点のように聞こえますし、実際FXの利点の一つですが、理由その1で述べたようにFXは、投資素人にとって取っつきやすい(始めやすい)投資商品です。
また、理由その2で述べたように、為替相場の方向感は相当経験を積んだ人でも掴みにくいと来ています。
- FX初心者は投資素人が多い
- FXはトレンドの把握が難しい
それでいて24時間いつでもトレード可能なわけですから、素人が下手に手を出せばどうなるかは、想像に難しくありません。
FXを始めて最初の1週間で50万勝った! 調子に乗って全財産口座に入れたけど、その後トレードすればするほど資産が減っていく……。でもたまに大勝するからやめられない。誰か俺を止めてくれ……。
おまけにFXはレバレッジがあるので、貯金が100万円しかなくてもその何倍もの金額で取引が可能なわけです。
誘惑に負けやすい人、ギャンブラー体質の人が、短期間に全財産を失いやすい性質が、FXには備わっていると言えます。
理由その4:FXは損切りしなければほぼ負けることがない!
FXの難しさの要因4つ目(最後)は、損切りの難しさです。
FXは理由2で述べたように方向感がわかりにくく、かつ為替には絶対的な適正レートがありません。
そのため、為替相場はレンジ相場が非常に多い、という特徴を持っています。
ドル買いなのか円買いなのか、市場のコンセンサスが形成されにくい(皆の意見がまとまらない)からです。
ドル円で例えますと、特にドル円のレートは下の図のように同じところを行ったり来たりする傾向が強いです。
上記の画像のような相場だと、どのタイミングで買っても売っても1度は必ず利益が乗るタイミングがあることになります。
FXをある程度やっていると、多くの人はこのことに気がつきます。
そして考えるようになります。
損切りしなければ勝率10割!
しかし、為替相場はレンジ相場が多いもののトレンド相場が発生する時は一気に働くという性質があります。
かくゆう筆者自身、2008年のリーマンショックにおけるドル円のレート110円→90円の過程において、たった2度、損切りを失敗したせいで300万超の損失を出してしまった痛い経験があります。
実は筆者だけでなく、FXで大損する人の大半が、たった1度や2度の負けで大金を失っている、という事実は多くのFX初心者にとって警鐘となるはずです。
まとめ:勝ち組FXトレーダーになるためには?
以上、4つの観点からFXの難しさについて語ってきましたが、FX初心者の方は理解していただけたでしょうか。
まとめると
- FXは投資初心者に魅力的に見える
- FXはファンダメンタルズが複雑
- いつでも取引できるため中毒性が強い
- 損切りするかしないか非常に悩ましい?
と言えます。
逆に言うと、FX勝ち組になりたかったら以下の4点が特に重要だと言えます。
- FXは投資初心者にとって甘くないことをしっかり理解する
- テクニカル分析中心で勝負する
- 取引する時間や売買ルールをしっかりと決める
- 損切りする(短期)か損切りしない(長期)か最初に決めておく
前述したようにFXは、プロ(知識人)と素人が対等に渡り合える、数少ないマネーゲームの一つです。
経済に関する知識よりも、チャート分析のほうがはるかに重要で、言ってしまえば、下手に高学歴で知識が豊富な人のほうが、どつぼにはまりやすいです。
ただし、努力が必要なことに変わりはなく、トライ&エラーを忍耐強く繰り返し、相場に打ち出の小づち(勝利の方程式)を見出すしか、生き残る術はありません。
その覚悟のない人は、ギャンブルトレードでイチかバチかに賭ける場合は別として、安易に手を出さないほうが賢明と言えるでしょう。
そういう意味では、FXの本当の難しさは「勝ち続けるには多大な忍耐を要求される」と一言に尽きるのかもしれませんね。