くるくるワイド~トラリピの応用で億万長者に
トラリピは、シンプルな投資戦略ですが、工夫次第では、いろんな応用が考えられ、いろんな人がいろんな方法で、あれやこれやと頭を悩ませているようです(そういった楽しみもトラリピの利点ですが)。
中でも「くるくるワイド」と呼ばれる手法は、発案した人の累積利益が億を突破しているとかで、多くのトラリピユーザーから支持を受けていて、そのまま真似をしようとするトラリピ初心者も多い様子。
くるくるワイドとは一体どんな手法なのか。
ここではくるくるワイドの考え方やメリット・デメリットについて解説してみます。
くるくるワイドとは?
くるくるワイドを簡単に説明すると、両建ての買いか売りのどちらかをトラリピで運用すること、です。
買い局面だと思えば、普通はロングポジションを持ちますよね?
しかし、その場合だと、予想に反した場合、含み損が生まれることになります。
それを嫌がって両建てを行うトレーダーがいるわけですが、両建てをやってしまうと、損失が固定されてしまって、いつ決済すべきか、イグジット(出口)に困ります。
しかし、両建ての一方をトラリピで運用することによって、こまめに利益確定がリピートされるため、利益確定総額が、固定された含み損を超え、トータルでプラスになった時に、全てのポジションを決済してしまえばよいことになります。
普通の両建てと違って出口が明確なわけです。
くるくるワイドの基本設定
くるくるワイドでは、基本となる「基本ポジション」を買いか売りかどちらかに決める必要がありますが、ここでは上昇局面を想定して、基本ポジションを買い、両建てのトラリピを売りで仕掛けるとします。
ロット数は同じにする
両建てなので、買いと売りの枚数は同じにする必要があります。
例えば買いが5万通貨で、想定レンジを5円と仮定すると、売りのトラップは1000通貨売り×50、つまり10銭ごとに売りトラップを仕掛けることになります(手数料やスプレッドは無視しています)。
基本ポジションは、想定レンジの一番底で設定。
そうすることで
- 仮にすぐ反対に一直線に下がれば普通に損切り。通常のトレード同じ
- 少し上がってからレンジを下回れば、売りトラップがいくつか利益確定するので、少し得
- レンジの間で行ったり来たりを繰り返せば、リピート大量発生でかなり得
- 想定レンジを上抜けすれば、1円上抜けするごとに5万円の利益がプラス
どうでしょう?
全く隙のない、トレード手法のように思いませんか?
普通にトレンドを読んでトレードするよりも、明らかにメリットが多い……と言いたいところですが、実はそうでもありません。
普通のトレードよりも得をするのは2と3だけ。4の場合は、買いポジションオンリーだけのほうが、売りトラップで利益を相殺されない分、はるかに儲かることが理解してもらえるでしょうか。
要するにくるくるワイドはハイリスクハイリターン型の「利益を最大限にする」トレード手法というよりはローリスクローリターン型の「負けないためのトレード手法」だということができます。
上記の場合は、想定レンジの一番下の当たりで基本ポジションをとった場合なので、すぐさまレートが下がってしまえば、普通にポジションをとった場合と同じく、あっという間の損切りになってしまいますが、レンジの真ん中あたりでポジションを保有した場合、1はなくなるので、負けは2の場合だけになり、売りトラップの数だけリスクヘッジになってくれます。
レンジ想定幅を大きくすればするほど、あるいは確定した利益で基本ポジションとトラップ数を増やし、想定レンジをどんどん広げていけば、なかなか損切りがつかず、いつかはレンジ上抜け、という最高の結果に繋がりやすくもなります。
損切りが苦手、という負けを認めるのが嫌いな人にはぴったりの投資手法だと思いませんか。
トラリピ両建てとくるくるワイドの違い
トラリピ両建ては絶対するなと以前書きましたが、ではトラリピの両建てと、いったいどこが違うのでしょうか。
まず、トラリピの両建ての場合、買いポジと売りポジを同数にすることは自分の意志ではできません。システムが勝手に下がれば買い増し、上がれば売り増しを行い、どちらかのポジションが一方的に積みあがっていくからです。
要するにリスク管理の難易度が格段に違います。
また、レンジを上抜けても下抜けても、含み損が残ることになり、トラップの数や想定レンジ次第では、その総損失はかなり膨れ上がりますので、途中で利益確定のリピート注文が何度も起きるような相場、つまりレンジ相場でない限りトータルでプラスにすることはできません。
そう考えると、くるくるワイドは、トラリピ両建てよりもシンプルでありながら、あらゆる局面に対応できる、非常によく考えられた手法だと思います。多くの人が評価しているのも当然ですね。
くるくるワイドの欠点
ただ、くるくるワイドにも欠点があります。
それは、自動売買はやりにくい、ということ。
くるくるワイドはトラリピの応用というよりは両建ての応用なので、トラリピの利点である「放ってらかしOK」の自動売買とは基本的に異なるトレード戦略になります。
トラリピは基本損切りはしませんが、くるくるワイドは予想と反対に動けば普通に損切りもあるわけですからね。
このようにトラリピにはいろいろな応用的なトレード手法が多数存在します。
これもトラリピの人気の秘密の一つなのでしょう。
トラリピはどうも性に合わない、と感じている人でもくるくるワイドなら、少し試してみたいと思ったのではないでしょうか。