無限ナンピンはFX長期投資の必勝法?

昔からトレードテクニックとして「ナンピン」というものがあります。

ナンピンとは、例えば、ドル円を1ドル100円のレートで1枚購入し、99円まで下がった時、もう1枚買い増します。
すると、平均99,50円で、ドル円を2枚購入したのと同じになるため、平均コストを引き下げることができるとうメリットがある反面、取引枚数が増える=リスクも増えるというデメリットが生じることになります。

ドルコスト平均法とは?

ドルコスト平均法とは、投資信託などの長期投資で用いられる積立て方法で、計画的に投資商品を買い増していく手法です。
買い増す際の金額は固定なので(ドルに投資する場合)、ドル円のレートが下がった場合は、購入枚数が多くなり、レートが上がった場合は、購入枚数が少なくなりますが、基本的な考え方はナンピンと同じで、目的は平均コストを引き下げることです。

ナンピンとドルコスト平均法の違い

ナンピンと、ドルコスト平均法の一番の違いは、計画性のあるなし。

ドルコスト平均法は、前述したように、長期的な投資が目的です。
FXの短期トレーダーのようにすぐに売って利ざやを稼ぐためにやるわけではありません。

例えば、仮にドルに投資する場合、1度に持ち金を全て投入すれば、予想とは逆に動いた場合、資金の大部分を失ってしまうことになりかねません。

そのリスクを避けるため時間的分散を行い、例えば、最初の月に10万円ドルを購入し、その後は毎月1万円づつドルを買い足していく、といった具合にすることで、急激な為替変動が起こった際のリスクヘッジとして用いることができます。

勿論、運よくドル円のレートが上昇した場合は、すぐに売り決済してしまい、利鞘を得ることも可能ですが、ドルコスト平均法は、寧ろ、逆に動くことを想定した、最悪の場合を視野に入れた上でのリスク低減のための手法です。

そのため、最初から、ドル円が上昇をすることを期待して、全資産をハイレバで投入するような短期トレーダーの考え方とは対極に位置しているということができます。

ナンピンが批判される背景

ナンピンは、よく批判されますが、これは多くの投資家が短期的な利鞘を目的としている人が多いからに他なりません。

  1. ドル円100万円購入
  2. 1円下がったらさらに1ロット(100万円)買い増し
  3. 更に下がったら1ロット買い増し
  4. ………
  5. 更に下がったが、買い増す資金が底を尽きたため、強制ロスカットで大損害

ナンピンはダメ、という人の多くは上記のようなケースを想定しているわけです。

対して、ナンピンを推奨している人は次のようなケースを想定しています。

  1. ドル円1万通貨購入
  2. 1円下がったらさらに1万通貨購入
  3. ………
  4. 更に下がったら1万通貨購入
  5. 以下、無限に買い増しを続ける(ための資金がある)

無限にナンピンを続けることを無限ナンピンといいますが、計画的な視野に基づいた無限ナンピンは、FXにおいては、ほぼ必勝法と呼んでもいいくらい、勝率は高いです。

上記の場合だと、1ドル100円のレートの時点から買い下がっていったと仮定して、仮にドル円のレートが過去最低の77円にまで下がった場合、22+21+…2+1=253万円の損失です。

このくらいの損失が十分許容範囲なら、上記のようにドル円を1万円分ずつ買い下がっていく行為は、短期的には含み損が膨らみますが、長期的には利益が出る確率は高いです。平均コストは、88.5円なので、それ以上にまでドル円のレートが回復すれば、いいだけですから、下のここ20年ほどのドル円のチャートを見る限り、限りなく必勝法に近いと言えます。

dolleren20chart

上記の損失額でも大きすぎると感じれば、取引枚数を減らせばいいだけです。
現在は、大抵のFX業者が0,1ロット(1000通貨)の取引に対応しています。

ドル円100円の時、1000通貨での取引に要する必要証拠金は4000円。1円マイナスで1000円の損失です。つまり77円まで下がったとしても想定損失額は先ほどの10分の1の25万3千円です。

この金額でも許容できないという場合は、おそらく長期投資はやらないほうが良いのでしょうが(笑)、例えばSBI FXトレードの場合、1通貨から取引できるので、無限ナンピンはおそらく誰にでも可能でしょう。

しかも、今回はドル円で想定しましたが、豪ドル円などの通貨ペアを選べば、スワップポイントも期待できるため、更に損失がでる可能性は、長期的視野で見れば、より少なくなります。

この点に着目し、ナンピンよりもさらにローリスクでありながら、かつリターンも最大限に狙える投資法としてトラリピというトレード手法がFX長期投資家たちの間で大人気ですが、しっかりとリスク管理した上での計画的なナンピンの有用性を知る人なら、何故トラリピが人気があるのかもわかるのではないでしょうか。

個別株の無限ナンピンは危険

無限ナンピンを批判している人はFXトレーダーよりも寧ろ株トレーダーのほうが圧倒的に多いです。

理由は、個別株には、倒産リスクがあるからでしょう。

つまり、どんなに少額で買い下がっていっても、倒産してしまえば、全ての投資金が一気になくなってしまいます。

その点、為替相場は、基本的に行って来い。要するに上がったり下がったりです。米ドルやユーロなどのメジャー通貨の価値が0になるなんてことは今のところ気にする必要はありません。というより、そうなった時は、世界は混乱どころの話では済みませんから、日本もどうなるか、わかったものではありませんから(笑)。

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上の図は、豪ドル円のここ20年におけるレートの推移です。

つまり2008年のリーマンショック時の豪ドル円50円くらいを最悪のシナリオとして想定し、1000通貨単位での少額での無限ナンピンなら、スワップ金利も含めて、どこかで損益分岐点に到達する可能性は非常に高いと言えます。

計画的な無限ナンピン(ドルコスト平均法)は、必勝とまではいわないまでも、昔からある、FX長期投資における非常に有効な戦略です。
ただし、FX初心者が損失を免れたいがために行う、途中で資金が尽きてしまうようなナンピンは、いたずらに損失額を大きくするだけなので注意が必要です。

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