クソポジチェッカーやポジション比率の見方と活用法

クソポジチェッカーとは、主にOANDAというFX業者が提供するオープンポジションツールのことで、通貨別に売りと買いのポジション比率や指値・逆指値の位置などがどの価格帯にどの程度溜まっているのかをチェックするためのツールのことです。

OANDA外国為替注文書

糞ポジ=含み損の出ているポジションを意味していて、2chを中心にこの呼び方が定着したようです。

クソポジチェッカーの見方

糞ポジチェッカーは、未決済注文と未決済ポジションの2つ分布図からなっています。

まずは未決済注文のほうから見ていきます。

未決済注文とは、まだ約定していない注文。
要するに指値・逆指値注文のことです。

以下の画像は、ドル円の未決済注文の価格別の分布の様子です。

現時点でのレート110.30より上の左側、オレンジ色の帯は、現レート以下で買いポジションを持っている投資家たちの利益確定の売り(指値)決済注文、右側の水色の帯は、現レート以下で売りポジションを持っている投資家の損切りの買い(逆指値)決済注文が、現時点でどれくらい貯まっているかを表しています。

同様に、現時点のレートより下の左側水色の帯は現レート以上で買いポジションを持っている投資家の損切り逆指値、右側のオレンジの帯は、現レート以上で売りポジションを持っている投資家の利益確定の買い指値注文の分布の様子です。

次に未決済ポジションの分布の様子とその見方についてみていきます。

上の画像で、現時点でのレートより上、左側のオレンジの帯は、現時点でのレートよりも高い値位置にあるショートポジションの分布図。
右側は現時点でのレートよりも高い値位置にあるロングポジションの分布図。

同様に、現時点のレートより下側、左側の水色の帯は、現時点のレートよりも低い位置でのショートポジションの分布図。
右側は、現時点のレートよりも低い位置にあるロングポジションの分布図です。

上の分布図はドル円のものですが、勿論、ユーロドルやオージードルなど、OANDAで取引可能な通貨ペアならどれでも表示可能。
また、金や銀などの商品(コモディティー)の様子も見ることができます。

さて、問題です。

クソポジチェッカーの名前の由来となっている糞ポジとは、何色の帯のことでしょう?

言うまでもなく、水色の価格帯におけるポジションのことですね。

ちなみにオアンダのこのツールは過去24時間以内における未決済および未決済ポジションなので、数日前のものなどは含まれません。
また、OANDAで取引している投資家限定のものであり、市場全体でのものではありません。

そういう点では、これらのデータだけを頼りにトレードするのは、決しておススメできません(他の分析ツールの補足や参考程度にとどめるのが良いと思われます)。

ただ、この画像だけでも投資家たちの面白い傾向が見て取れるのも事実です。

それは右側の画像から既に含み益が出ている良ポジ(現レートよりも下でロング・上でショート)よりも含み損が出ている糞ポジ(現レートよりも上でロング・下でショート)のほうが多いことがわかりますが、にも拘わらず、左側の画像を見るに、ストップロスのための未決済注文がほとんどない、ということです。

つまり、ほとんどの投資家はストップロスを置いていないということが見てとれます(笑)。

その他のFX業者の通貨別売買比率チェックツール

上記のクソポジチェッカーはOANDAのユーザーたちのデータなので、とても為替相場全体のポジション比率を表しているわけではなく、そのため、信頼性に乏しいです。

が、実はOANDA以外にも多くのFX業者が上記のように通貨別の売買比率データを、口座開設者以外でも見れるように公表しています。

と言っても、他のFX業者のものは、OANDAのように価格帯別のポジション比率ではなく、単なる売買比率(しかもそのFX業者の口座開設者のデータ)なので、それ単体では、OANDA以上に活用は難しそうですが。

SBIFXトレード

SBIFXトレードの通貨別新規売買比率

SBIFXトレードさんの通貨別新規売買比率は、24時間以内における新規買いと新規売りの比率を表したものです。
青が売り、赤が買いです。
SBIFXトレードで取り扱っている全通貨ペア分のデータをみることができます。

外為どっとコム

外為どっとコムポジション比率情報

外為どっとコムさんのポジション比率は、OANDAやSBIFXトレードとは違って、その時点までに貯まっているポジションの累計でのもの。
なので、活用という点では、一番、活用ができそうなデータと言えます。

ちなみに上のリンク先では、2016年11月までのグラフまでしか見ることができませんが、XLSデータとしていつでも前日までのものをダウンロードしてみることができるようになっています。

マネーパートナーズ

マネーパートナーズ未決済建玉での比率

マネーパートナーズさんの売買比率も外為どっとコムさんと同様、24時間以内の新規注文比率ではなく、前営業日までのでの未決済ポジションの比率ですので、活用価値が高そうです。

とはいえ、マネパに口座開設している投資家だけのデータである、という点には変わりはなく、例えばユーロドルなどは上記の外為どっとコムさんのものと比べるとロングとショートの比率が全く違ったものになっているのがよくわかります(上記データの取得は同一日に行っています)。

正直これでは、どちらが為替相場の全体の傾向に近いのか、迷ってしまいます。

くりっく365

取引所取引のくりっく365でも、各種データが公表されています。

くりっく365各種データ

通貨別のポジション比率は外為どっとコムさんと同様にXLSデータでダウンロード可能。エクセル等で閲覧することができます(毎週火曜日に前週火曜日の取引終了時のデータが更新されるようです)。

パーセンテージではなく注文の数量なので、非情に見づらく、しかも1週間前のデータということなので、短期トレーダーには正直活用する価値はなさそうですが、くりっく365のデータは最も透明性に優れ、しかもこれまでの履歴として、どのように買いや売り注文数が推移していったかを見るのには、参考になるかもしれません。

シカゴIMM通貨先物ポジション推移

多くの証券会社では、シカゴIMM通貨先物ポジション推移のデータも見ることが可能です(ここでは松井証券さんの公式サイトより抜粋させてもらっています)。

松井証券:シカゴIMM通貨先物ポジション推移

以下の図は先物の取引所として有名なアメリカのシカゴマーカンタイル取引所(CME)で取引されている通貨先物のポジション比率です。

先物取引はヘッジファンドなどがリスクヘッジのためによく利用することが知られていますので、上記のデータはいわばヘッジファンドの投機的なポジションのデータとも言えます。

日本円/米ドル、カナダドル/米ドル、ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル、NZドル/米ドル、スイスフラン/米ドル、ユーロ/米ドルの7通貨ペアしかデータはありませんし、しかもドルストレードばかりなので、クロス円通貨メインの日本のFXトレーダーにとってはいまいち参考にならないかもしれませんが、ドルストレートを中心にトレードしている方には参考になるかもしれません(ちなみにデータの更新は毎週金曜日の取引終了後に火曜日時点の数値が発表されます)。

この他にもDMMFXや外為オンラインでもポジションの売買比率のデータを発信していますが、こちらは取引ツールからしか見ることはできません。
またセントラル短資FX「ウルトラFX」のUチャートではリアルタイムで板情報を見ることが可能です。

クソポジチェッカーやポジション比率データの活用法

以上のように複数の業者がロングポジション・ショートポジションの比率を公開してくれているわけですが、では、これらのデータを実際のトレードにどうやって活用するのか。

その点について考察してみたいと思います。

ポジション比率データの活用のしかた(短期トレーダー編)

まず上記のFX業者のポジション比率には大きくわけて2通りあることを理解しなくてはなりません。

  1. SBIFXトレードの場合:前日に発生した買い注文と売り注文の比率
  2. それ以外:前日までに積みあがっているロングとショートの比率

だということです。

両者は似ているようで全く違うデータですので、その活用法も全く違います。

基本的な見方では、後者のポジション比率では、積みあがったポジション比率が高ければ高いほど「買われ過ぎ・売られ過ぎ」として反転する可能性が高いです。

例えば、ロングを持っている人は、利食いであれ損切りであれ、いつかは必ず売り決済を行うわけですから、ロングの割合が多ければ、価格が上昇すれば利食いを行う可能性は高まります。そしてそうなると、トレンドが反転、あるいは一時的に押し目買いのチャンスが生まれる可能性が高いです。

逆に価格がロング持ちの人たちの思惑とは反対に、大きく動いた場合、彼らは損切りする可能性が高まります。
また、大手の投資機関は、そういった投資家のストップロスを狙ってストップロスハンティングを仕掛けてくる可能性もあります。

外国為替市場にトレンドが生まれる仕組み

そう考えると、いろいろな相場のパターンが予測できます。

  1. 各FX業者のドル円のロングポジションの比率が高い→単純に押し目買いのチャンスを狙うかトレンド反転を狙う。ストップロスハンティングがあれば、その動きに追随することを考える
  2. 各FX業者のドル円のロングポジションの比率が高いのにSBIFXトレードの前日の売買比率は売りが優勢だった→多くの投資家がそろそろ買いトレンドの終焉を見ているので、これ以上買いに追随するのは危険

といった具合に、分析の仕方はいろいろありそうな気がします。

中長期トレーダーの場合

中長期投資がメインの方は、目先の売買の勢い等はあまり気にする必要はなく、ポジション比率等はあまり意味のないデータかもしれませんが、例え中長期投資であったとしても、可能な限り相場の底で買いポジションを作りたいでしょうし、少なくとも天井をつかまされるのは御免だと思います。

ポジション比率データは、トレードの終わりや始まりを見るのにも十分活用できるので、そういった視点で上記のデータを眺めてみると良いのではないでしょうか。

  1. 売りポジション優勢だった通貨ペアが徐々に買いポジションの比率を増やしている→そろそろ売りトレンド終焉
  2. まだまだ買いポジション優勢の通貨ペアでSBIFXトレードで売り注文が多かった→一部の投資家が逆張りを狙っている→ストップロス狩りが行われれば、更なる上値が期待できるかも

みたいな見方も可能です。

ただし何度も言うように、FX業者別のポジション比率や売買比率のデータは、母集団が小さく、為替マーケット全体の売買傾向を見るのには適しません。

なので「いついかなる場合でも信頼に足るデータである」とは決して言えませんが、自分の相場観や常日頃愛用しているインジゲーターの補足としてなら、十分に参考にしてみる価値はあるのではないでしょうか。

買いか売りか迷っている時に迷いを断ち切る。
それだけでも、活用の価値はあると思います。

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