スキャルピングOKのおすすめFX業者はどこ?
スキャルピングは、スイングトレードやデイトレ等、他のトレード手法と比べてFX業者の選択が非常に重要です。
短期トレードは、短期であればあるほど取引回数が多くなるため、スプレッドやスリッページ(注文価格と決済価格との時間的なずれ)などのちょっとした差が無視できなくなってくるからです。
- スプレッド0.5pipsでスリッページなしだと、1万通貨1000回取引で実質取引手数料5万円
- スプレッド0.3pipsでスリッページ0.5pipsだと、1万通貨1000回取引で手数料8万円
前者のほうがお得なのは言うまでもありません。
また、業者によっては、スプレッドが時間帯によってびっくりするぐらい開いたり(0.3pips→5pipsなど)、スリッページの滑り具合、発生頻繁など、業者間での差が激しいです。
実際に口座を開設してみると、実質取引コストがカタログスペックよりかなり割高なんてこともよくある話です。
加えて、スキャルピングを実質的に禁止している業者も存在します(スキャルピングをやりすぎると口座凍結など)。
以上、こういったことを全て加味した上で、自分にとって最適な業者を選択する必要があります。
目次
スキャルピングに最適な業者の条件
主に下のような条件を満たしていると、スキャルピング業者として100点満点を与えられると思います。
- 安定して最狭スプレッドを配信
- 約定力が高い(スリッページがほとんどない)
- 取引ツールが使いやすい
- 口座凍結の恐れがない
実は、はっきり言うと、筆者の知る限り、上記の4条件を全て満たしているFX業者は存在しません(笑)。
まず、1ですが、例えば、GMOクリック証券やDMMドットコム証券などが最狭スプレッド業者として有名ですが、基本的に国内FX業者のスプレッドは原則固定スプレッドと呼ばれるもので、24時間常にカタログ通りのスプレッドを配信しているわけではありません。
ネットでの口コミ等を見てもわかりますが、
みたいな声がよく見られます。
また、2ですが、基本的にスプレッドの狭い業者程、よく約定価格がよく滑り、約定力が高い業者ほどスプレッドは水準よりも広く設定されています。
例えば、DMMドットコム証券はスプレッドは業界最狭水準ですが、スリッページの酷さに関しては結構有名で、GMOクリック証券などは低スプレッド業者でありながらスリッページに関しても一応の評価があるのとは対照的です。
ただ、GMOクリック証券とDMMドットコム証券の比較でも書いたように、DMMドットコム証券のほうがスプレッドが最も狭い時間帯が長い、つまり安定してカタログ通りのスプレッドを配信しているという利点もあります。
- スプレッドが安定している業者はよく滑る
- スリッページが小さい業者はスプレッドが安定しない
勿論、上記のような状況は、時期的なものもあるので、今あなたがこの記事を読んでいる時点で、GMOクリック証券とDMMドットコム証券、両社のスプレッド配信状況やスリッページがどうなっているのかはわかりませんが、いずれにしても透明性がないことにかわりはありません。
また、国内で人気の低スプレッド業者のほとんどに「スキャルピングをやりすぎると口座凍結」の噂がある点も見過ごせません。
スキャルピングのように短時間で頻繁にトレードするとシステムに不可がかかるため、人気のある「ユーザーが多いFX業者」程、実質的にスキャルピングを禁止しているようです。
取引ツールに関しても、人気業者ほどユーザーの声を反映したアップデートが頻繁に行われるため、操作性や使用感が他社よりも優れている場合が少なくないのに対し、過疎ってるFX業者はスキャルピングOKではあるものの、ユーザーが少なく、取引ツールが旧式だったりして使いにくい場合が少なくありません。
この辺りも相反していることになります。
- 人気業者はスキャルピング禁止?
- スキャルピングOKの業者は取引ツールが使いにくい?
スキャルピング歓迎のNDD口座とは?
スプレッドが変動したり、スリッページが発生したり、あるいはスキャルピングばっかりやっていると突然口座を凍結されたり……。
スキャルピングをやっているFXプレイヤーは非常に多いため、上記のようなFX業界のありかたに、一時業界全体に不信感が漂ったことがあります。2011年ごろだったでしょうか。
そのころから、ちらほらと人気が出てきたのがいわゆるNDD方式のFX業者。
NDDとはノー・ディーリング・デスク(no dealing desk)の略で、いわゆる為替ディーラーを一切介さない、コンピューター取引のこと。
株式投資などと同じくマッチング方式でレートが決まるために、マイナススプレッド(買い価格よりも売り価格のようが高い状況)があるなど配信レートに関しては非常に透明性が高く、FX業界に不信感を抱いていたユーザー(主にスキャルパー)たちの支持を集めることになります。
ただし、現在も大人気か、というとそういうわけではないようです。
理由は
- スプレッドが完全変動制かつ、やや広め
- スキャルピングユーザー以外に興味を持たれない
主に2の要因が強いのでしょう。
結局、スキャルピングユーザー以外取り込めないため、人気業者となりえず、非人気業者は先ほど述べたように取引ツールの改良にあまりコストを割けないため、ツールが使いにくかったりするという弱点があります。
加えてスプレッドが完全変動制で、当初はマイナススプレッドの時間帯もあるとのうたい文句でしたが、実質はあまりそういう旨味は少ないことがわかってきました。
それにどんなに条件の良いFX業者であろうと、スキャルピング自体が非常に難易度が高いトレード手法であることに変わりはなく、負け組が多く、長続きするユーザーが少ないのも、人気業者になれなかった大きな理由でしょう。
というわけで、パーフェクトな、誰にでもお勧めできる完全無欠のスキャルピング業者は存在しません。
もし本当にあなたがスキャルピングに最適なFX業者を探しているのだとすれば、結局のところ、自分でいろいろ使ってみて、自分で判断するしかありません。
おすすめのFX業者は?
以下、筆者が実際に使ってみてのおすすめのスキャルピング用FX業者の評価です(AからCの3段階評価)。
利用時期には差がある(同時期ではない)ので、その点は注意してください。
といっても筆者の思う(比較的)おすすめのスキャルピング業者は2社しかないのですが(笑)。
1つは低スプレッド業者として大人気のGMOクリック証券「FXネオ」。
- 取引コスト:A
- 取引ツール:A
- 透明性:C
- 人気の低スプレッド業者かつスリッページ小さい
- 取引ツールが使いやすい
- スキャルピングが禁止ではない
以上、3点から評価しました。
特に3のスキャルピングが禁止ではない、というのは問い合わせから確認済みです(GMOクリック証券はスキャルピング禁止との噂があったため)。
低スプレッドかつ高約定力、それでいて取引ツールが抜群に使いやすい。
GMOクリック証券「FXネオ」は、スキャルピング向け口座として非常に優秀で、ほぼパーフェクトに近いです。
勿論、欠点として以下の3点が上げられます。
- 1000通貨以下での取引に対応していない
- スリッページが多少ある
- スプレッドが広がる時間帯があるなど透明性が低い
この辺りを加味して判断していただければと思いますが、個人的には総じておすすめなのではと思います。
透明性を求めるならNDD口座
透明性を重要視するならディーリングデスクを介さないインターバンク直結型取引(NDD)が第一候補になります。
国内NDD口座はほとんどありませんが、もし選ぶとしたらセントラル短資FXのデイトレ・スキャルピング向け口座「ウルトラFX」がおすすめです。
- 取引コスト:A
- 取引ツール:B
- 透明性:A
スプレッドはGMOクリック証券「FXネオ」に比べてやや広いですが、約定率99.9%、レートは最速0.1秒更新と約定力は非常に高く、スキャルピングに最も求められる取引のスピード感は他社を圧倒しています。
また、NDDなので透明性も高いです。
反面、取引ツールは若干痒い所に手が届かないというか、人気業者のものと比べると、不備があるように感じます。
ただし、ウルトラFXにはUチャートという他社にはない強みがあって株式投資の板のように他の投資家の売買ポイントがみることができる機能があります。
デイトレ・スキャルピングユーザーのみならず、FXトレーダーにとって他のプレーヤーの指値・逆指値ポイントが見れるのは大きな強みになり得ますが、このUチャート、使用条件が厳しく
となっています。
1万通貨での取引なら1か月で500回、月20日とすると1日平均25回以上の取引が必須になります。
要するにヘビーユーザー向け。
ただし、以前は前月の取引実績1000万通貨だったので、かなり緩和されましたし、最低取引枚数も5万通貨から1万通貨へと引き下げられていますので、ヘビーユーザー以外もかなり利用しやすくなったのではないでしょうか。
デューカスコピージャパンも評価が高い!
スキャルピング歓迎のNDD業者としては、デューカスコピージャパンも口コミ評価の高い業者です。スプレッドは狭く、スリッページも約定拒否もなく、指標発表時のスプレッドの広がりも少ない、と評判です。
ただし、換算すると1pips未満ですが、手数料が往復で発生するので、コスト的には決して良好とはいえない模様です。
といっても、それでも使っている人がいるので、それほど問題はないのかもしれません。
ちなみにデューカスコピージャパンは、セントラル短資FXと同じく板情報を見ることができますが、こちらは無料で誰でも見ることができます。
スキャルピングには向かないFX業者
以上、おススメのスキャルピング口座の紹介でしたが、おまけにあまりおススメでない業者も紹介しておきます。
ただし、評価は筆者の個人的な感想によるものなので、その点はご注意ください。
DMMドットコム証券「DMMFX」
GMOクリック証券と並んで国内最大手の人気業者ですが、スリッページが大きく、スキャルピングには向きません。
チャートや取引ツールが使いやすい点は評価できますが、わざわざDMMFXでスキャルピングする意味はないと言えるでしょう。
ちなみに、スリッページが酷いのは、兄弟業者の外為ジャパンも同様。
外為ジャパンはスキャルピング歓迎&1000通貨単位取引対応なので、DMMFXよりはましですが。
FXプライムbyGMO
GMOクリック証券「FXネオ」のグループ業者であるFXプライムbyGMOは、サーバーの強さには非常に定評があり、約定力の高さは本家GMOクリック証券「FXネオ」を上回ります。
が、スプレッドはNDD並みに広く、1000通貨取引対応も、1000通貨での取引の際には往復で手数料がかかるため、スキャルピングメインの場合、取引コストが馬鹿になりません。
SBIFXトレード
1万通貨以下の場合、GMOクリック証券やDMMドットコム証券よりもスプレッドが狭く、かつ最低取引単位1通貨(必要証拠金5円ほど!)、とまさに初心者向けに特化した感のあるSBIFXトレードですが、ここは某動画サイトによるとスキャルピングを頻繁に行うと口座凍結されるそうです(サポートとのやり取りも鮮明に動画で残っています)。
スキャルピングOKなら、低スプレッドかつ1通貨単位で取引可能、と練習口座としては最適なのですが残念です。
マネーパートナーズ
約定力ナンバー1の呼び声高いマネパもスキャルピング口座の候補に挙げる人は多そうですが、筆者も実際利用していたことがありますが、指標発表前など、もともと広いスプレッドがさらにあり得ないくらい広がる(ポンド円だと20銭以上とか……)のと、チャートの見にくさ・使いにくさがなかなか改善されないことが不満で、他社に乗り移りました。
ちなみにマネパもスキャルピング禁止業者との噂があります。
オリコン・スキャルピング部門1位はヒロセ通商
筆者は使ったことがありませんが、ネットで「スキャルピングOK」と検索すると1、2位を独占しているヒロセ通商とJFXマトリックストレーダー。
実は両社は兄弟グループ。
どちらも取引ツールは非常に使いやすく、業界最狭水準のスプレッド、1000通貨対応と合わせて、スキャルピング初心者向けの口座としてはあまりにも有名ですね。
スプレッドやスワップなどのスペックは両社は全く同じですが、その他の条件面(ツールの使いやすさ、通貨ペアの多さなど)ではヒロセ通商「LION FX」のほうが上回っているので、どちらか一方を選ぶなら、ヒロセ通商のほうがお勧めです。
ただしヒロセ通商「LION FX」は
朝方や流動性の低下した時間帯にスプレッドが広がる
スリッページが酷い
といった悪評もよく目にします(JFXも同様)。
まあ、こういった評判はどこの業者にもある程度はあるものなので、あまり気にする必要はないのかもしれません(笑)。