バイナリーオプションのスプレッドにも重要な意味がある
バイナリーオプションのプレイヤーは、ペイアウト倍率にばかり目が行きがちで、あまりスプレッドを見ていない人が多いようです。
そもそもバイナリーオプションにスプレッドなんてあるの?と思っている人もいるかもしれません。
実際には、バイナリ―オプションにもスプレッドは存在し、結構、重要な意義を持っています。
バイナリ―オプションの倍率の決まり方・算出方法でも書いたように、バイナリーオプションは、通常のFXと比べても透明性が低く、信頼できる業者を選択することは、非常に重要です。
業者の信頼性。
それを判断するのには、通常のFX同様、スリッページやスプレッドは一つの指標となり得ます。
バイナリ―オプションのスプレッドとは?
バイナリ―オプションのスプレッドは、通常のFXと同じで
ASK(購入価格)-BID(売却価格)
で算出されます。
上の画像だとコール(円安予測)の場合は472-312=160円で、プット(円高予測)の場合は688-528=160円。
どちらも同じです。
このスプレッドは、ボラティリティや満期までの時間、原資産価格と権利行使価格との位置関係で、刻一刻と変化します(一般にスプレッドはリスクプレミアムによって変わってきます)。
以下の画像の状況だと、先ほどとは違ってスプレッドは50円になっています。
スプレッドは相場状況やリスクの変動に応じてその都度変わりますが、プット、コールいずれの場合も同じ値になります。
バイナリ―オプションは「安値で買って高値で売る」取引ではないので、途中で転売しない場合は、当然ながら、スプレッドの広い狭いは関係ありません。
実際、BOプレイヤーは転売しない人のほうが割合的に多いでしょうから、そういう意味でもスプレッドを計算することもあまりないかもしれません。
しかし、転売する場合は、言うまでもなく、スプレッドは狭いほうが有利なわけで
狭いスプレッドを提供している業者=価格競争力のある業者
と見ることができます。
逆に言うと、他の業者と比べてあまりにもスプレッドが広い業者は、適正価格が提供できていない=ぼったくり業者と見ることができます。
バイナリーオプションのスプレッドには2種類ある
実は上記に挙げた
ASK(購入価格)-BID(売却価格)
で算出されるスプレッドとは他に、もう一つ、バイナリーにはスプレッドと呼べる値が存在します。
それは
コールオプションの購入価格とプットオプションの購入価格の合計値-ペイアウト
で算出される数値です。
転売は、あまり利用する人も少ないでしょうから、前者のスプレッドの関しては「業者が適切な価格を提供しているか否か」の判断をする時以外は、あまり存在意義は少ないと言えます。
しかし、後者のスプレッドに関していえば、結構重要です。
何故なら両建てをする場合、損益に大きく関係してくるからです。
先ほどの画像をもう一度見てください。
上のの画像のケースだと同じ権利行使価格で、コールとプット両方を購入した場合、計1160円で、スプレッドは1160円-1000円で160円。
ASK(購入価格)-BID(売却価格)で算出されるスプレッドと同じになっています。
下の画像の場合もコールとプット両方購入した場合、計1050円で、スプレッドはペイアウト1000円を引いて50円。
この場合も、ASK(購入価格)-BID(売却価格)で算出されるスプレッドと同じになっています。
上記の画像2つはともにGMOクリック証券「外為オプション」の取引画面のものですが、GMOクリック証券「外為オプション」では、以下の1と2で算出される2つのスプレッドは取引画面を注視している限り、全くブレがなく、常に同じになっています。
- ASK(購入価格)-BID(売却価格)
- コールオプションの購入価格+プットオプションの購入価格の合計値-ペイアウト
実はバイナリー業者によっては1と2のスプレッドが同じでない場合があります。
例えば、某海外FX業者の日本法人が提供しているバイナリーオプションでは2のスプレッドが1のスプレッドの2倍くらいに広がっていたりします。
1と2は通常は同じ計算式で算出されるものでもあるにもかかわらず、です。
ペイアウト倍率やスプレッドは、業者のさじ加減で自由に設定できるのがバイナリ―オプション。
必ずしも同じにしなければならない理由はありません。
しかし、だからこそ、きっちりと安定したスプレッドを提供してくれる業者は、そうでない業者よりもいろんな意味で、きちんとした健全な経営をしてくれている、といえるのではないでしょうか。
両建てをする場合スプレッドは重要
何度も言うように、1のスプレッドは転売をしない限り、一切投資家の損益には関係がありませんが、2のスプレッドは両建てを多用する場合は重要です。
例えば、以下のように原資産価格(為替レート)が111.20近辺にあったとします。
この場合に
111.30でコールオプション(円安)購入
111.10でプットオプション(円高)購入
とすれば、レンジアウトオプションが実現できます。
111.30円を権利行使価格とするコールオプション(円安側)の購入価格は約358円。
一方、111.10円を権利行使価格とするプットオプション(円高側)の購入価格は約362円。
両建てしても720円で、ペイアウトは1000円になります。
ボラティリティが高く、レンジをどちらかに突き抜けることは容易に予測はできるものの、どちらの方向かわからない。
こういう場合、両建ては立派に役立ちます。
通常のFXの場合、両建ては微妙な戦法ですが、バイナリーオプションにおける両建ては使いどころが多いです。
- 安いスプレッドを提供してくれる業者は、両建てを行う際にはありがたい
- スプレッドが適正価格で安定している業者は信頼がおける
二つの意味でバイナリーオプションのスプレッドは重要な意味を持っています。
みなさんが使っているバイナリー業者、スプレッドはGMOクリック証券さんと比べてどうですか?
特に後者のほうのスプレッドが割高ではありませんか?
あまりにもスプレッドが高すぎると感じる業者は、それ以外にもいろいろと投資家が不利になるような施策を行っている可能性が高いです(ペイアウト倍率やスリッページ、約定不利、レート操作等)。
バイナリーオプションのスプレッドは、直接的に自分には関係ないと感じる投資家が多いため、あまり話題になることはありませんが、信頼のおける業者かどうかを見極めるのには、非常に重要な指標だと思います。