豪ドル円のスワップ金利だけで月10万稼げるか?
FXにはキャピタルゲインだけでなく、スワップ金利というインカムゲインも期待できるという特徴がありますが、では、果たして、スワップ金利だけで月10万の収入を得ることは可能でしょうか。
目次
長期投資は豪ドル円がベスト?
FXでの長期投資といえば高金利通貨でありながら、比較的経済水準も安定している豪ドルを選ぶ人が多い様に思います。
トルコリラなど、もっと高い金利が期待できる通貨もあるのですが、高金利であるということは、「高い金利を餌にしないと、誰も買ってくれない」ということでもあります。すなわち、そういった通貨に投資するのは、リスクもそれなりに高い。
しかも、いまいち日本人にとってあまりなじみがない国の場合、情報も入ってきにくいため、リスクが発生していたとしても、なかなかニュース等で報道されなかったりします。
豪ドルスワップ金利で年利がどれくらいになるか計算してみる
というわけで、ここでは、日本人に大人気の通貨ペア、豪ドル円でのスワップ金利で、検証してみたいと思います。
まず、月10万円稼ぐためには、1日3333円の利益が必要です。
豪ドル円のスワップポイントは、2017年現在、ほとんどのFX業者が1万通貨あたり50円未満(ちなみに2017年6月現在、筆者が調べたところ、豪ドル円のスワップポイントはヒロセ通商さんが一番高い模様)。
ヒロセ通商「LION FX」公式サイト
豪ドルスワップポイント比較
仮に50円として計算した場合、1日3333円のスワップ金利を得るためには、ざっと約67万通貨以上のロングポジションが必要なことがわかります
豪ドル円のレートを80円として計算した場合、レバレッジが1倍なら5360万円必要です。10倍なら536万円程度。
長期投資はレバレッジ2から3以下でやるのが普通(それ以上だとリスクが高くなりすぎる)なので、仮にレバレッジ3倍だと仮定します。
その場合、必要証拠金は5360÷3=約1787万で、月10万×12で年120万の利益だから、年利は約6.7%程度の計算になります。
2008年のリーマンショック以来、大幅に政策金利を引き下げたオーストラリアですが、それでも、レバレッジをきかせれば、年利7%くらいは得られる計算になります。
しかし、これはずっと豪ドル円のレートが80円前後で収まってくれた場合です。
下図の豪ドル円のここ20年のチャートをみても、最悪50円くらまで下がる可能性は0ではありません。
50円まで下がると、損失67万通貨×(80-50)=で2010万円の為替差損になります。
この程度の損失に耐えられるだけの余裕資金があれば、結構安全に、豪ドル円のスワップ金利だけで月10万円は稼げそうです。
ただし年利7%というのは、それほど難しい条件ではありません。
1000万以上の資産があるなら、株式投資でも、FXのシステムトレードでも、うまくポートフォリオを組むことができれば、ローリスクで十分、稼げる数値だと思います。
そう考えると、現在の金利が下がってしまっている状態の豪ドル円でのスワップ目当ての長期投資は、あまり賢い選択肢ではないという気がします。
豪ドル円ならスワップよりデイトレのほうが儲かる!
ちなみに、FXのデイトレだと、月10万円というのは、うまくいけば一瞬で稼ぐことができます。
豪ドル円67万通貨をレバレッジ3倍で運用するためには、最低1787万円必要だと前述しました。
これをドル円70万通貨でのデイトレに変えて計算してみると、この場合、必要証拠金はレバレッジ1倍だと7700万、3倍だと約2570万になります(ドル円のレート110円で計算)。
1回30pipsをリカクと損切り幅に設定し、1日11回トレードして6勝5敗の成績を収めることができるだけで、なんと利益は21万円。
あっという間に1日で、目標月10万の2倍、20万円を達成です。
たったの勝ち越し1だけでOK。
勿論、月10万が目標なわけですから、1日で1勝分勝ち越す必要はなく、1カ月で1勝、勝ち越せばよい計算になります。
一カ月のトレード回数101で、51勝50敗(勝率約5割0分5厘)。これで月21万です。
こうしてみると、FXはスワップ金利目当ての長期投資よりも、レバレッジをきかせたデイトレのほうがはるかに稼ぎやすいような気がしませんか?
勿論、1つ勝ち越しただけで月21万ということは、1つ負け越しただけで-21万円ってことでもあるので、どちらが良いとは、一概には言えませんが、個人的には、はるかにデイトレのほうが魅力的に感じてしまいます。
スワップ投資ならトルコリラ円がおすすめ
というわけで、2017年現在においてですが、豪ドルへのスワップ投資ははっきり言ってお勧めできません。
ちなみに、現在のFX業界では、続々と各社トルコリラ円の取り扱いを始めています
高金利通貨の主役は、いまや完全にトルコリラに移ったといっても良いでしょう。
トルコリラならレバレッジ1倍でも年利10%、レバレッジ5倍なら40%を越えます(セントラル短資FX調べ)。
オーストラリアほどトルコの経済は盤石ではなく、その点が気がかりではありますが、この高スワップは魅力ですね。
追記:2018年はメキシコペソが熱い?
2017年はトルコリラの年でしたが、2018年はメキシコペソが熱いようです。
トルコよりも金利ややや劣りますが、経済状況は圧倒的に上です。
そういう意味では、スワップ投資なら、今はメキシコペソがイチオシかもしれません。