FX業者によるストップ狩りとその対策

ストップ狩り(ストップロスハンティング)という言葉には二つの意味があります。
1つは、ヘッジファンドなど大手の大口の投資機関による、為替や株式投資におけるレート操作のこと。
もう1つは、実際に行われているのか不確かではありますが、ネット上で噂されているFX業者によるものです。

ストップ狩りとは?

ストップ狩りとは本来の意味は、1つ目の大口の投資機関が行う、一種の為替介入のことです。

介入と言えば、例えば、急激な円高が進んだ時などに日本政府が行う「円売り介入」が一番ぴんとくるのではないでしょうか。
数年前、ドル円が78円台のレートをつけていた時、日本は3兆円ほどのお金を使って、ドル円のレートを83円台まで引き上げました。

勿論「3兆円程度の買いを入れれば、ドル円のレートは5円くらい動く」わけではありません。日本政府が円売り介入を行う、と大々的に報道されることによって他の投資家たちもその動きに追随し、マーケット全体を巻き込んだ「ドル買い円売り」の流れが生まれたわけです。

これと同じことをヘッジファンドなども頻繁に行います。
といっても、ヘッジファンドには、一国の政府のような情報発信力も資金もありません。
介入なんて無理なのでは?と思うかもしれませんが、ある条件を満たせば、可能です。

例えば、ドル円が120円あたりからずるずると下がってきているような相場状況で、110,20円くらいまで来たとします。110円から112円くらいの間でドル円買い持ちの投資家は、だいたい110円ジャストあたりにストップロスの逆指値を置いている場合が多いですよね?

ヘッジファンドなど大口の投資家はそれを狙うわけです。

勿論、いくら大口の投資機関と言えども、日本政府のように数円も相場を動かす力はありませんが、20銭から30銭くらいなら動かせる資金があります。

  1. 110,20円で一気にドル売りを仕掛ける
  2. 100,00円までドル円が下がる
  3. 他の投資家たちのストップロス注文が発動する
  4. 一気にドル円は99,00円くらいまで下がる
  5. 十分下がったらヘッジファンドはドル円を買い戻す

勿論、いつもこういった為替介入がうまくいくわけではありませんが、勝負の世界に生きる人たちは時に大勝負を仕掛けてくることがあります。ストップロスハンティングはその代表的なもので、相場の流動性が低下しているような時によくおこります。

どちらかというと、為替相場よりも株式相場のほうが、こういった大口の仕掛けは多いです。

FX業者によるストップロスハンティング

前述したようにこれは確証があるわけはありません。ただ、2ch等の掲示板で昔から噂になっているというだけで、事実ではないかもしれませんが、非常によく目にする噂なので気になっている方は多いのではないでしょうか。

ストップ狩りを行っていると噂されるFX業者一覧は以下の通りです。

GMOクリック証券
DMM.com証券
YJFX
FXブロードネット
外為どっとこむ
外為オンライン
ヒロセ通商

……と、まあ、要するに、有名どころ、ほぼすべてのFX業者に嫌疑がかかっているようです。

これは、勿論、FXで負けた人による逆恨みの可能性もありますが、根っこの部分には、相対取引ではストップ狩りのような行為がその気になればいつでもできるから、という事実があるように思います。

相対取引はFX業界の不正の噂の温床

FX業者は、当然ながら、顧客のストップロス(逆指値)がどこに置かれているかがわかる立場にあります。

例えばドル円のレートが現在100,10-11円で、顧客のストップロスオーダーが100,00円丁度に多く並んでいたとします。
この時、スプレッドを意図的に広げます。

例えば、100,10-11円から100,00-11円と言った具合に、BIDを下げるわけです。
当然、その結果、顧客のストップロスオーダーは発動し、多くの人が損をすることになります。

相対取引では、基本的に以下の公式が成り立ちます。

投資家の損失=FX業者の利益

だから、FX業者は、上記のように顧客のストップロスオーダーが並んでいる辺りにレートが近づけば、スプレッドを広げて、利益を上げることが可能です。

ちなみにレート操作は、違法ではありません。相対取引はFX業者と投資家の1対1での取引なので、どのようなレートを配信しようとFX業者の自由というのが規約に定められてあります。

ただ、このようなことをあからさまに行えば、そのFX業者の信頼は失墜し、顧客は皆離れていってしまうわけですから、当然、こっそりとやる必要があります。

例えば、誰もチャートを見ていないであろう、日本時間の早朝などに。

FX業者は本当にストップ狩りをしているのか

何度も言うように、FX業者がストップ狩りをしているという確証はありません。あくまでやろうと思えばやれるんだろうな、というだけです。
また、FX業者のスプレッドが日本時間の早朝などに広がる傾向にあることも事実です。
経済指標発表後など、流動性が低下している時間帯は、インターバンクもスプレッドが広がりますから、FX業者がこれに倣うのは、特に問題のある行為とは言えません。

ただ、投資家側からすれば、朝方、急にスプレッドが広がって、自分の逆指値が引っかかってしまったら「やられた!これが噂のストップ狩りか!」と思ってしまうのは無理からぬこと。
他のFX口座のレートでは、特にその時間帯スプレッドが広がっていなかったりすれば、その疑惑はある意味確信に変わってしまうでしょう。

で、本当にやっているの?

個人的な見解としては、ストップ狩りは基本的にどこのFX業者もある程度はやっている、と思っています。
何故ならやろうと思えばやれるからです。

やろうと思えば簡単にできて、しかもルール違反でもなくて、誰にもばれずに儲かる方法があるとしたら、あなたならどうします?

FX業者はボランティアでやっているわけではなくて、あくまで利益をあげる為にサービスを提供しています。
彼らが利益をあげるために、誰にもバレないよう、小細工をしていたとして、それはある意味仕方のないことだと思いませんか?

少なくとも、個人的にはそう思っています。
というより、そう思っておいたほうがストレスを感じずに済みます。

ストップ狩りの対策

勿論、ある程度受け入れているとは言っても限度があります。

先ほどのように、経済指標が発表されたわけでもないのに、スプレッドが1銭から11銭へと10銭も急激に広がれば、さすがに許容範囲を超えていると思えます(個人的には2,3pips程度のストップ狩りまでが限度です)。

チャートを見て、早朝、あからさまにレートが上や下にとびぬけて動きている様子(異様に長いひげ)が見て取れた場合。
しかも、他のFX業者のレートでは、そういった動きが見られなかった場合。

それは悪質なストップ狩りが行われたのかもしれません。

悪質なストップ狩りを行ってくるFX業者への対策は一つだけ。
さっさと他のFX業者に資金を移し替えること。

ストップ狩りをやりすぎれば、顧客が逃げる、という図式が成り立てば、FX業者も、少なくともあからさまなストップ狩りは行わなくなるはずです。ただし、2,3pips前後のストップ狩りはリアルタイムでレートを見ていない限りはチェックしようがありませんので、やはり諦めて受け入れるしかないでしょう。

どうしてもストップ狩りが許せない場合

どうしても許せない、受け入れられない、という場合は以下の3つの方法が有効です。

  1. 流動性のある時間帯だけ取引する
  2. くりっく365やNDD業者に移行する
  3. SBIFXトレードに口座を開く

筆者がストップ狩りを受け入れているという理由は、実は自身がデイトレ―ダーだから、というのが一番だったりします。
夕方から深夜までの、流動性の高い時間帯にPC画面に張り付いてトレードしているわけで、つまりストップ狩りなんてあったことがないんです(笑)。

だから、一番手っ取り早い対策は、ポジションをその日のうちに閉じること。
日を跨がなければ朝方ストップ狩りにあうこともありません。

ちなにみ、クリック365やNDDは当然、ストップ狩りはありませんが、スプレッドが変動制であったり、手数料が発生したり、取引ツールがまだまだ未発達(あまり各社力をいれていない)で使いにくかったりして、必ずしもメリットだけではありません。

特に取引コストは店頭FXよりも高くなる傾向にあるので、多少のスリッページやストップ狩りなら、寧ろ受け入れたほうがお得感があると思われます。

個人的にイチオシはこのサイトで繰り返しおすすめしているSBIFXトレードに口座を開くことです。

SBIFXトレードは、詳細ページでも述べたとおり、公式サイトでストップ狩りを行わないことを明言している唯一?のFX業者でもあります。

ネットでの口コミでもストップ狩りを行っている、という悪評は全くと言っていいほどないので(利用者が少ないだけかもしれませんが)、一度試してみることをお勧めします。

ストップ狩りやレート操作が気になる方におススメのFX業者

  • SBI FXTRADE
    SBI FXトレードは、ストップ狩りをしない(NOストップ狩り宣言)と断言している唯一の業者です。SBI FXトレードについてはこちらをご参照ください(SBI FXトレードの特徴)。
  • セントラル短資FX
    信頼性の高い業者を選ぶならセントラル短資FXがおすすめ。スイスフランショックのような大変動時にもきちんとレート配信を行っていた数少ない業者の一つです。

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