専業主婦がFXの稼ぎで扶養から外される目安

昨今、TVや雑誌等で多くの専業主婦トレーダーが取りざたされていますが、専業主婦の方が、片手間にFXで毎月数万円稼ぐことは、勿論、不可能ではありませんが、それほど簡単というわけではありません。

ですが、高収入が期待でき、しかも自宅でできる内職が他にあまりないため、家庭の都合で外に働きに行けない専業主婦の方などは、FXを始めたいと思っている人も少なくないと思います。

勿論、FXを始めることは別に悪いことではありませんし、この不況下に高収入が見込める夢のある仕事は他にありませんから、始めたい人は始めても良いとは思います。

が、中途半端な覚悟で、中途半端な利益を得てしまうと、税制上で不利益を被ってしまう可能性があります。

例えば、前回お話ししたFXで月5万お小遣いを稼ぎたいなんて例なら大丈夫ですが、あまり稼ぎすぎると納税額が増え、かえって家計がより苦しくなる可能性があるので要注意です。

専業主婦が知っておくべき税制上の3つの数字

FXやその他の内職などで利益を得た時、それがかえってマイナスになるのかどうかの境目として、意識しておきたい金額は38万、103万、130万、の3つです。

FXでの収入がこれらの金額を超えてしまうと、税制上、支払わなくてはいけない金額が増えてしまいます。

38万円を超えるとどうなるか

一般に38万の壁と呼ばれるものですが、専業主婦でパートやアルバイトなどを一切していない場合、この38万円というのがまず最初の壁になります。

一般に夫がサラリーマンの場合、妻の年間合計所得が38万を超えると配偶者控除を受けられなくなります。

控除とはある金額から一定の金額を差し引くこと。
例えば、年収500万のサラリーマンで、給与所得控除150万、社会保険料控除75万、基礎控除38万円、配偶者控除38万円と仮定すると、税金は年収の500万にかかるのではなく、500万-150万-75万-38万-38万=199万円にだけかかります。税率10%だとすると約300万×10%=30万円程度お得になります。

ちなみに38万円は収入ではなく所得ですので間違いのないように。

所得=収入-必要経費-基礎控除

FXの場合、セミナー代、インターネット代、書籍代などが必要経費として認められ、基礎控除は38万円まで認められます(つまり38万円以下の利益だと所得税は0で確定申告の必要はなし)。

FXで年100万円稼いでいた場合

FXで年間合計100万の収入がある場合、基礎控除の38万円を引いた後でも100万-38万=62万で、所得が38万円を超えることになります。
なので、先ほどの配偶者控除の条件から外れることになります。

仮に夫の所得(年収から各種控除額を引いた残り)にかかる税金が10%だった場合、夫の給料から、38万円×10%=3万8千円、余計に支払う必要があります。

更に妻のFXの利益100万にも当然、税金がかかります。
経費を一切無視すれば100万-38万円(基礎控除)=72万円が所得になるので、この場合は72万×5%=3万6千円。

夫と妻両方合わせて、合計、3万8千円+3万6千円=7万4千円、所得税が増えることになります。

更に住民税も2万~3万円程度支払額が増えます。

更に更に、夫の勤務先に家族手当等の制度があった場合、減額される可能性もあります。

ちなみにFXでの利益が76万円未満だった場合、76万-38万円(基礎控除)=38万円未満で、配偶者控除の条件から外れることはありません。

今回はFXでの利益が100万円で76万円よりも24万円増、税制上のマイナスが10万円程度ですから、損よりも利益のほうが大きいですが、場合によっては稼ぎすぎて損になることもあるので注意が必要です。

103万円の壁

専業主婦FXトレーダーの場合、この103万円という数字は無視しても良いです。
103万円という数字は、一般的にパートやアルバイトなど給与所得を得ている主婦に関わるもので、

180万以下の給与所得者に認められる給与所得控除が65万円、基礎控除が38万円、合わせて103万円

という計算からきています。

給与収入が103万未満なら所得は0として計算されるため、確定申告が必要ないのですが、それ以上を超えると確定申告の必要があるよ、というだけの話です。

給与所得を得ていない専業主婦トレーダーの方には縁のない話です。

130万の壁

103万円という数字は気にする必要はありませんが、130万円という数字は専業主婦トレーダーも大いに気にする必要があります。

というのも、年間の収入が130万円を超える(所得ではなく収入なので経費や控除が引かれる前の数字です)と、夫の社会保険の扶養から外れてしまい、第一号被保険者として自分で国民年金に加入する必要がでてきます。

また健康保険も同様に、自分で新たに国民健康保険に加入、既定の保険料を支払う必要がでてきます。

国民年金は大体年間20万程度、国民健康保険料は各自治体や所得額、加入者の年齢によって違いますが、年間で10万円以上支払わなければならないケースも多々あります。

年間130万以上稼いでしまうと、完全に個人事業主としてみられ、夫とリンクされていた様々な妻としての特権が全てはく奪されてしまうので、思わぬ出費が強いられるので注意が必要です。

まとめ

専業主婦FXトレーダーの税金対策をまとめると以下のとおりになります。

  • FXでの収入が38万を超えると確定申告が必要
  • FXの所得が38万円を超えるとで配偶者控除が受けられなります
  • FXの収入が130万を超えると自分で国民年金、国民健康保険に入る必要あり

所得と収入の違いが少しややこしいですが、こればかりは致し方ありません。

ちなみに昼間パートやアルバイトで給与所得を得ていて、夜はFXで稼いでいる、というような主婦の方の場合は、更に計算がややこしくなります。

給与所得とFXの所得は合算できないので別々に計算する必要がありますが、確定申告がネットからできるようになり、お金の計算も勝手にやってくれるので、それほど面倒ではないのですが、どうせならこういったややこしい計算を無視しても良いと思えるくらい、思いっきり稼ぎたいものですね。

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