FX法人化のメリットとデメリットを比較

FX専業である程度儲かるようになると、多くの人は法人化を考えると思います。
法人化したほうが良いのかどうかは収入がどれくらいあるのかや将来どのような生き方をしたいのかにもよりますが、概してメリットのほうが多く、FXで生計を立てると決めたのならできるだけ早く法人化したようが良いようです。

「法人化するなら800万くらい稼いでから」といったように、法人化するのに最低これくらい稼げていないといけない的な考えを持っている人もいますが、少ない収益(年間500万以下)でも安定して今後も勝つ自信があるのなら、法人化してもやっていけると思います。

法人化のメリット

法人化のメリットはたくさんあります。

  1. 所得が900万以上なら税金が少なくなる
  2. 経費で節税できる
  3. 損失繰越が9年に増える
  4. 個人事業主に比べて社会的信頼が得られる
  5. 法人口座ならレバレッジ50倍から70倍までOK

税制上の優遇

まず1ですが、個人事業の場合、所得税の税率は、695~900万円までが23%、900~1800万円が33%、1800万円以上が40%となっているのに対し、法人の場合は一律税率30%です。

つまりFXで年間900万以上の所得があるのなら、3%分だけですが、所得税が減らせます。

また、法人化すれば、個人でやって場合に比べ、経費として認められるものが断然増えます。
例えば、自宅のアパートの一室を、自宅兼仕事場(ディーリングルーム)として使っている場合、家賃や光熱費も経費として計上できます。

加えて、損益の繰越制度も個人は3年しか認められていないのに対し、法人は9年になります。

1年目:+500万
2年目:+300万
3年目:+100万
4年目:-1000万
5年目:+500万
6年目:-200万
7年目:+400万
8年目:+500万
9年目:-500万

極端ですが、例えば、上のような場合だと個人事業の場合、1~3年目までの所得合計900万に対して30%の税金(900万の30%=270万)を支払う必要がありますが、、法人だと9年間の合計所得600万に対して税率が計算され(600万の30%=180万)、1年あたり180万÷9=20万程度とかなりお得になります。

社会的な信頼

個人トレーダーのままだと、周囲からはニートとして見られることが多いです。株ニートやFXニートと言った具合にです。
投資家は収益が安定しませんから、不動産を購入しようにもローンなど組ませてもらえませんし、下手するとクレジットカードの審査にも通りません。

が、法人化すれば、立派な会社経営者として周囲から認められることになります(やっていることは変わらないのですが)。
1人しかいない会社ですから、肩書は勿論社長です。周囲の見る目は断然変わってきます。

FX法人口座だとハイレバレッジでの取引が可能

個人口座だと規制のためレバレッジ25が限界ですが、法人口座の場合、国内業者だと約50倍から約70倍くらいまで認められます。

2015年1月に発生したスイスフランショックなどの急激な為替変動により損失を計上した法人が多数でたため、2017年2月27日より、店頭FXにおける法人口座に対し、金融庁による証拠金規制が導入されることになりました。
これによりレバレッジは各社100倍程度から50倍から70倍までの変動制と移行することになりました。

必要証拠金の計算は、為替レートやボラティリティなどから算出される為替リスクから計算され、毎週金曜日に、通貨ペアごとに公表されます。要するに通貨ペアごとにレバレッジ上限が違うことになり、そのレバレッジ上限も毎週変更されます。

というわけで、規制を受けて、レバレッジが下がってしまった法人口座ですが、それでも個人口座よりも少ない証拠金で取引できるため、資金効率は良いと言えます。

ハイレバでハイリスク・ハイリターンを狙った取引するつもりがなくとも、レバレッジが高いと追証や強制ロスカットの基準が下がりますので、万が一の時、役立つ可能性はあります。

ハイレバと言えば、海外FX業者への口座開設を考える人が多いのかもしれませんが、海外FX業者は詐欺業者である可能性もあり、出金トラブル等も多数報告されているので、個人で海外FX口座を開くくらいな国内業者に法人口座を開くほうが低リスクだと思います。

ちなみに会社員など他に本業があっても法人口座は作れます
筆者の知っているFXトレーダーは、兼業・専業問わず、ほとんどが法人口座でトレードしています。

法人化のデメリット

勿論、法人化することでデメリットもあります。

それはいろいろ面倒なことが増えるということ。

まず、法人の維持費がかかります。
全く利益が出ていない状態でも最低年間7万円(最高8万2千円)支払う必要があります。

また、法人化の際の手続きや確定申告の手順もいろいろとややこしくなるので税理士さんにお願いすることになると思います。
その場合、税理士さんに支払うお金が必要になります(経費として計上できます)。

そしてFXを辞めたくなった時も、そう簡単に会社を解散することはできません。

この時、個人でやっている場合なら、いつでも自分の好きな時にやめれますが、法人の場合、これも手続きが煩雑です。

これも税理士さんにお願いすれば、それほど手間はかかりませんが、当然、手数料を支払う必要があります。

税理士さんへの手数料は、大体毎月、月次会計処理として1万、決算・申告費として10万円くらいが相場(計年間20万程度)。
更に会社設立、解散の際にはそれぞれ25万程度が必要なようです(税理士さんによって違うので要相談)。

どのくらい稼げるようになれば法人化すべきか

年1000万稼いでいる人なら、税理士さんへの手数料は、どうってことない金額ですが、年100万くらいしか稼げていない場合は、当然ですが、かえって経費や会社維持費のほうが重くのしかかってきます。

どのあたりが境目か、と言われると難しい問題ですが、某税理事務所によると投資家に限らず、個人事業主から法人へと移行する境目は年800万くらいだそうです。

800万という数字はあくまで統計的なもので明確な根拠はないそうですが、あまり維持費等が精神的な負担になるとトレードに集中できないでしょうから、投資家の場合、それなりにFXで稼げるようになり、勝ち続けていく自信がつくまでは法人化は控えたほうが良いのかもしれません。

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