FXを始めるのに有利な時期やタイミングってある?
FXをやっていると「私もFXに興味あるのだけど、今って円安だし、今はちょっとダメだよね。儲かりにくいよね?」みたいな質問を受けることがあります。
よく円高になると「円高の今がFXを始めるチャンス!」のようにFX業者がキャンペーンを始めたりするので、そういうイメージがあるのかもしれません。
円高はFXを始めるチャンスなのか?
確かに、円高問題がニュース等で、騒がれている時と言うのは、FX初心者にとって稼ぎやすい時期ではあります。
というのも、FXでの利益の上げ方には、為替差益だけでなくスワップ金利もあるため、FX初心者ほど円を売ってドルやユーロを買う、といういわゆる円キャリートレードをする傾向が強いです。
ドル円を取りあえず購入。逆に動いたら(さらに円高になったら)、まあ損切りせずに外貨預金感覚で塩漬けしておけば、スワップ金利で稼げるし…といった単純な発想がそこにはあるのでしょう。
過去の為替相場では、その発想は、多くの場合、FX初心者に利益をもたらしてきました。
しかし、それはビギナーズラックであって、今後とも同じように通用するとは限りません。
円高=トレンドの底?
例えば、ドル円は、2011年に80円割れ底を付けた後、2012年からは上昇トレンドを描いています。
が、私は2011年後半ごろから2012年に始まった円安トレンドに乗り遅れてしまいました。
理由は、2011年後半の時点では、まだ円安トレンドが始まるとは、確信が持てなかったからです(私の場合、2012年3月の大きな上昇でもって少し確信が持てました)。
2011年は、まだまだ米国の経済の先行きは不透明で「もしかしたらドル円は70円割れ、いや60円割れもあるかも」なんて言う人もいたくらいで、あのタイミングでは、円高トレンドが底を打ったとは、誰にも確信は持てなかったはずで、FXで痛い目を見てきた経験者ほど、なかなか強気になれなかったはずです。
そういった意味で怖いもの知らずの初心者が「円高=チャンス」というFX業者のキャンペーンにまんまと乗せられて、しかも結果的に大きな利益を得る姿に、うらやましさを感じずにはいられませんでした。
「信じる者は救われるという言葉は相場にも当てはまるのか!」などと悔しい思いをしたものです(笑)。
FXは底で買って天井で売れば儲かる
考えてみれば、わかると思いますが、言うまでもなく「円高だからチャンス」なわけではありません。円高トレンドが終焉に近づいている、つまり相場の底だったからこそのチャンスだったわけです。
同じ理屈で考えれば、円安トレンドが天井に近づけば近づくほど「売りで儲けるチャンス」になります。
そして、相場の天井や底がどこかを正確に見極めるのは、簡単ではありません。
過去のチャートの動きから「大体この当たりだろう」と目星をつけることはできても、断言は誰にもできません。
とすれば、FXを始めるのに有利な時期やタイミングは、誰にも分らない、ということができます。
それは為替相場が天井や底をつける時期やタイミングを知ることと同義だからです。
繰り返しますが、仮に現在が円安だからと言って、それが「儲けるチャンスがない」というわけではありません。
もしかしたら今が天井かも知れないし、FXは売りでも参加可能だからです。
多くの専門家がいろいろとそれらしい予想しますが、あくまでそれは予想であって、予言ではありません。
相場には何があるかは誰にも分らないと言えます。
それに、何も大きな流れ(トレンド)を見極めなくても、短期的には為替は行ったり来たりの展開になることが多いです。
FXはレバレッジを利かすことも可能なので、行ったり来たりを何度も繰り返す小さな波を利用して、高安を繰り返しとることができれば、大きな波に乗った時の利益よりもはるかに大きく稼ぐことも可能です。
今は円安だから…といってFXをやらない人は、次の超円高局面まで待つつもりなのでしょうか(ちなみに2008年くらいから2011年までの急激な円高トレンドは100年に1度の世界的金融危機が原因だと言われています)。
勿論、FXはリスクもあるので、安易には手を出さない、というのは、非常に良い考えだと思います。
しかし、FXに興味があるのに、タイミングがどうのこうので始めない、というのは非常に馬鹿げた話です。
為替相場に、儲けやすい時期もタイミングも存在しません。