CFDとは?スプレッドやレバレッジをFXと比較
CFDとは「Contracts For Difference」の略で、直訳すると「差金決済取引」となります。
差金決済とは、簡単に言えば、実際には取引せずに、利益や損失などの価格差のみを支払う取引方法のことです。
例えば、FXをやっている人は、ドルを購入すると言っても実際にドルを受け取りませんよね?
あくまで1ドル=100円の時に1万ドル買って、1ドル=101円の時に売れば、1万円の利益。
といった具合に、為替差損(キャピタルゲイン)を狙って取引しているだけだと思います。
だから、実際に生じる損益はプラスマイナス1万円くらいで、だから、口座に入金する必要証拠金は少なくてOK、という仕組みになっています。
と、ここまでの話でもうわかったとは思いますが、実はFXもCFDの一種です。
FX(外国為替証拠金取引)だけ人気がありすぎて、別物扱いされているだけです。
CFDの取扱い銘柄は?
CFDは、FXと同じように、必要証拠金が少なくて済む、要するにレバレッジをかけることのできる投資商品の総称ですが、では、外国為替以外にどんな銘柄があるのか、というと、実はCFD会社によって取扱い商品はかなり異なっています。
多くのCFD業者では、世界各国の株価指数(日経225など)、商品先物(原油や金、銀、とうもろこしなど)、他には個別株式、株価指数ETFなどがあるようです。
一般に、海外CDF業者は取扱い銘柄は多く、例えばIG証券などは、CFD取扱い銘柄は1万以上!
対して、国内業者のDMM CFDでは7銘柄しか取り扱っていません。これは、まだ日本ではCFD自体がマイナーなため、力を入れている国内業者が少ないこととも関係しているようです。
要するに、CFDでは自分がどの銘柄を取引したいかも業者選びにおいて重要なポイントになるということですね。
CFDのレバレッジってどれくらい?
CFDもFX同様、レバレッジをかけて取引をすることができます。
- 株価指数CFD:10倍
- 商品CFD:20倍
- バラエティCFD:5倍
- 株式CFD:5倍
FX経験者からみると、CFDはレバレッジが低めに設定されているように感じるかもしれませんがCFD銘柄はFXに比べて、かなり流動性が低く、値動き幅(ボラティリティ)も大きいです。
なので、ハイレバでの取引はFXよりもハイリスクになりがちです(ハイリターンが見込めるとも言えますが)。
ちなみに規制される前はFX同様、もっと大きなレバレッジだったようです(笑)。
CFDの手数料やスプレッドは?
CFDの手数料は、有料の業者もありますが、基本無料なのはFXと同じです。
ただし、流動性が低く、値動きが激しいこともあって、スプレッド(買いと売りの価格差)はFXよりも広め。
FXでもドル円よりもボラティリティの大きいポンド円のスプレッドは広めですが、それと同じ理屈です(CFDの1部の銘柄はポンド円以上にボラがあります)。
日経225:変動(2~)
米国S500:変動(2~)
原油:0.03
金スポット:0.4
銀スポット:0.015
コーン:0.5
大豆:0.6
だいたい、GMOクリック証券のCFDだと、上のような感じです(基本的にCFDは店頭CFDもくりっく株もスプレッドは固定されていません)。
ちなみに、筆者が監視している間中、株価指数と原油以外は、ほとんど動きませんでした(つまり流動性がかなり低い)。
全然動かない、あるいはよく動くけどかなりスプレッドが広い。
ものすごく両極端ですが、いずれにしてもスプレッドは広めだと感じました。
コスパは間違いなくFXのほうが上と言えるでしょう。
この辺りも、まだまだCFDが日本でメジャーな投資商品になれない理由の1つなのでしょう。
CFDのオーバーナイト金利とは?
FXにも株にも、もっているだけで発生する利益というものがあります。
FXではスワップ金利、株式投資では配当にあたるのがそれですね。
CFDでもポジションを持ったまま日をまたぐと発生するオーバーナイト金利というものがあります。
FXの場合、スワップ金利はロングポジションに対して発生することが多いですが、オーバーナイト金利は、ショートポジションに対して発生します。要するにロングだと支払う必要があるということです。
例えば、米国30(NYダウ株価指数)を購入するには、ドルを借りる必要があります。原油や金や大豆を購入するにもドルが必要です。
そのため、そういった銘柄に投資するためには、業者からドルを借りて、それに対して金利を支払う必要がある、というわけです(この辺りが、少しややこしいところでしょうか)。
例えば、GMOクリック証券で、原油CFDのロングポジションを作るには、GMOクリック証券からドルを借りることになります。
この場合、オーバーナイト金利は、日本と米国の政策金利の差に、CFD業者の設定する金利をプラスして計算することになります。
オーバーナイト金利(支払い)=2国間の政策金利の差+証券会社の設定する金利、というわけですね。
ちなみに、ショートポジションの場合は、政策金利の差に応じて、金利をもらえる側になりますが、業者に支払う金利には変更がありません。
なので、ショートポジションの場合は、
オーバーナイト金利(受け取り)=2国間の政策金利の差-証券会社の設定する金利
となり、ロングの場合の真逆ではありません。
2国間の金利差よりも、証券会社の設定している金利のほうが高ければ、ショートの場合でも支払う立場になるので要注意。
設定金利の安い業者のほうが投資家にとって有利なのは言うまでもなく、この辺りもCFD業者を選択する際の目安になると思います。
と言っても選択肢はほとんどないも同然なのですが(笑)。
CFDの取引時間は?
CFDの取引時間はFXと同様にほぼ24時間取引が可能ですが、多少の空白時間があり、またその空白時間も銘柄によって変わってきます。
例えば、一番人気の日経225の場合、月曜〜金曜の8時半から翌日の7時まで(米国夏時間では、8時半から翌日の6時まで)。
取引時間は、CFD会社によっても少し違うようなので、取引する時は、必ず確認しておく必要があります。
まとめ
以上、CFDとFXを比較すると、まとめると以下のようになります。
- FXはCFDの一種
- CFDは全体的にFXよりもスプレッドが広い
- CFDは全体的にFXよりもレバレッジは小さい
- CFDは全体的にFXよりも流動性が低い
- CFDにはオーバーナイト金利というものがある
- CFDもFX同様、ほぼ24時間取引が可能