ボリンジャーバンドだけで勝てるスキャルピング手法とは
今回は、とあるスキャルピングトレーダーが愛用しているという、ボリンジャーバンドを使ったスキャルピング手法の紹介です。
ボリンジャーバンドはシグナルが視覚的に非常に見やすいこともあって、特に反応速度が重要なスキャルピングでは愛用している人が多いように思います(かくいう筆者も昔スキャルピングをやっていた時は常にボリンジャーバンドをチャート上に表示させていました)。
ボリンジャーバンドに関して、基本的な見方は以下のリンク先で予習しておいてください。
目次
ボリンジャーバンドだけで勝てるか?
- 職業:専業?
- 年齢:40代
- 性別:男
- 取引単位:100万通貨
まずは僕のボリンジャーバンドを使った順張り秒スキャ手法を紹介します。
「まずは」というのは、僕が複数のスキャル手法を状況に応じて使い分けているからで、まあ、これについては後述することにして、とりあえず初心者向けのスキャル手法を1つ紹介します。
ボリバン順張り手法
ボリバン順張りにはいわずと知れたバンドウォークが有名ですね。
基本的にバンドーウォークが発生したらすぐさまエントリーして1,2pipsで利確することができたならばほぼ100%の確率で勝てると思います。
といってもバンドウォークが発生したかどうかを判断するのが難しいのですが(笑)。
前置きは置いといて、ここでまずバンドウォークとは?を定義しておきます(以下買いの場合で売りの場合は逆)。
- 終値が2αより上
- 中央バンドが右肩上がり
- 陰線が発生したら1度リセット
いろいろ考え方はあるかと思いますし、人によって微妙に定義は違うのでしょうが、一応僕の場合は上記のように定義しています。
以下の画像はドル円1分足チャートですが、60分(1時間)の間に大小合わせて4回バンドウォークが起こり、1、2pips抜きなら4戦全勝になります。
結論:秒スキャならボリンジャーバンドだけでも勝てる
僕なりの結論としてバンドウォーク時の順張りスキャルはほぼ9割以上の確率で勝つことができます。
ただし、この手法には大きな弱点があります。
それはバンドウォークはそうそうに発生しないという点でしょう。
上記の画像では60分のトレードでたったの4回しかシグナルが発生していないわけで、1,2pips抜きなら最大でたったの8pipsの利益。
だいたいスキャルをやってる人は損切り10pipsの人が多いと思いますが、この設定だと、1回負けると1時間の成果が全てチャラになってしまうことに。
だから途中で根負けしてしまう人が多いんだと思います。
ようやく1時間かけて10pips稼いだと思ったら1回の負けで飛んじゃった。あほらし。
みたいな感じでしょうか。
こういう人は1,2pips抜きのスキャルピングは向かないと思うので、一発で10pipsくらい狙うような他の手法を模索すべきでしょう。
基本的気にスキャルで勝てないという人は
- 順張りなのか逆張りなのか明確でない
- シグナルのルールが明確でない
- ルール通りにトレードできない
のいずれかに当てはまっているように思います。
特に3ですね。
勝率を重視するなら、当然、シグナルは厳しめに設定すべきで、取引回数が少なくなるのは必然です。
でも勝てない人はこれが我慢できない。
ここがFXで勝てる人と勝てない人の一番の差だと思います。
もう1度言います。
- 終値が2αより上
- 中央バンドが右肩上がり
- 陰線が発生したら1度リセット
このルールに従って1.2pips抜きを目指すならほぼ9割以上で勝てます。
ただ、日によっては1分足ですらバンドウォークがほとんど全く発生しない日もあれば、上記の画像のように1時間に5回くらい発生しても、運悪く1割を引いてしまうと、1時間ただ働きになってしまうのでコンビニでバイトしてたほうがまし、ということになります。
このあたりの条件を飲める人なら、この手法は本当にお勧めです。
ボリンジャーバンドは逆張りと順張りどっち?
ボリンジャーバンドって本来は逆張りで使うのでは?と思い込んでいる人が多いかもしれませんが、実はボリンジャーバンドの発案者であるジョン・ボリンジャー氏ですら、ボリンジャーバンドの逆張りには否定的な意見を持っています(参考:ボリンジャーバンドの基本的なシグナルと使い方)。
だからと言ってボリンジャーバンドの逆張りは使えないというわけではなく、相場状況によっては有効だと思います。
というのも僕自身ボリンジャーバンドの逆張りスキャルもやるからです。
- 中央バンドで買い
- 2αで売り
たったのこれだけです。
本当にこれだけ?と思うかもしれませんが、相場状況によってはこれだけでも面白い様に勝てます。
ボリンジャーバンドだけで勝てるの本当の意味
最初のほうで述べましたが、僕は相場の状況におうじて複数のスキャルピング手法を使い分けてます。
僕は基本的にトレードの際、ボリンジャーバンドとローソク足以外は全くみません。
ボリンジャーバンドだけで相場の状況を把握します。
何故なら、ボリンジャーバンドだけで相場状況がほとんどわかるからです。
ボリンジャーバンド5つの形
大きく分けると、ボリンジャーバンドだけでも、5つの形があります。
まずは中央バンド、プラスマイナス2α、3つのラインがほぼ平行状態(パラレル)にある時。
全く方向感がなく、こういう場合、言うまでもなく絶対にポジってはいけません。
大抵の場合、パラレル状態に引き続いて2αとマイナス2αが広がりを見せます。これを仮にイクスパンディング(Expanding)としましょう。
このイクスパンディングの状態はいわゆるトレンドの始まりのシグナルと見ることができますが、ダマシも多いので、ここはまだ我慢時。エントリーするのはプラス2αかマイナス2αが、中央バンドと同じ方向へと反転した時。
こうなると完全なトレンド発生と判断します。
下の画像では下向きですね。
トレンドが発生すると、+2α、-2α、中央バンドが全て同じ方向を向きます(上の画像だと下向き)。
そしてその後のシナリオとして大抵の場合、徐々に収束していき、パラレル状態に戻るか、アップダウンの激しい相場ならパラレル状態を抜かして下→上みたいに逆方向へのトレンド状態になったります。
最後の5つ目はボラがほとんどない状態。
これは1つ目の形態パラレルと似ていますが、違うのは+2αと-2αの間隔の大小。
こういう上下のバンド間隔が小さすぎる場合は、次の瞬間、厳密にはバンドの広がりや反転ポイントなどもあるのでしょうが、わかりにくいため、一気にトレンドへと移る、と考えてしまっていい様に思います。
繰り返すと、要するにボリンジャーバンドの5つの形とは
- +2α、-2α、中央バンドが平行(間隔広い)
- +2α、-2α、中央バンド(間隔狭い
- +2α上向き、-2α下向き、中央バンド平行
- +2α上向き、-2α上向きへ反転、中央バンド上向き
- +2α、-2α、中央バンドが全て上向き
トレンドが下向きの場合も含めればもっとありますが、今回はそれは省略するとして、大抵の場合、1や2から3へ、そして3→4→5へと移っていきます(3や4から1や2へ逆戻り、あるいは3→4→3→4→5みたいなケースもあります)。
要するにボリンジャーバンドが今どの段階にあるかで相場の状態をみることが可能です。
1は、上か下か皆が迷っている時。
2は、皆がお休み状態。
3は、大口の仕掛けが入った時
4は、仕掛けが成功しかかっている時
5は、仕掛けが完全に成功した時
こんな感じでしょうか。
ここで最初の画像に戻ってください。
4回の買いシグナルのうち、3回目のシグナルだけが他とはボリンジャーバンドの形が違うことに注目してください。
1回目と2回目と4回目は5の完全にトレンドが形成されている状態(3つのラインが全て同じ向き)ですが、3回目だけは4のまだトレンド形成か否かがはっきりとわかっていない状態だと言えます。
今回の場合は初心者向けの1,2pips抜きのスキャルピングなので、4でも5でも大差ありませんが、5pipsから10pipsくらい狙うのなら3つめのシグナルはやや弱いと判断できます(実際に上記の画像では上手くいってません)。
- 1pipsを狙うのか5pipsを狙うのか
- 順張りで行くのか逆張りで行くのか
これだけでも判断はその都度違ってきます。
例えば、上の画像の場合だと3の場合は「弱い買いシグナル」と判断して逆張りの売りで仕掛けたほうが大きく抜くことが可能でした。
このようにボリンジャーバンドでしっかりと相場状況をだいたい把握すること可能ですし、重要なのは相場状況に応じて1pipsを狙うのか5pipsを狙うのか、順張りで行くのか逆張りで行くのかを変えることです。
勿論、ボリンジャーバンドだけでは相場状況を100%完璧に把握することはできません。
読み間違えることも少なからずあります。
その場合、他の指標、例えばADXやMACDなんかと組み合わせることで、より正確に相場状況を把握することも可能です。
でも、スキャルピングという手法の場合、複数のテクニカルを表示させてしまうと、今度は瞬時の判断が難しくなるというデメリットもあるため、かえって逆効果になることもあります。
スキャルピングのシグナルはシンプルであったほうが良い、というのが僕の考えです。
複雑な、例えば3つも4つもテクニカルを表示させてもそれを全部見ながらトレードする反射神経や判断力は少なくとも僕にはないからです。
そういう意味で僕にはボリンジャーバンドだけで十分ですし、実際、ボリンジャーバンドだけでも十分な利益を残すことができています。