RSIの基本的なシグナルと使い方
RSIは「Relative Strength index」の略で、Relativeは直訳すると「相対的な」であり、Strengthが「(力の)強さ」を意味することから相場の「相対的な力の強さ」を示す指標ということになります(相対力指数とも呼ばれます)。
アメリカのJ.W.ワイルダーがという人が発案したもので、相場の「買われ過ぎ、売られ過ぎ」を判断する現代のオシレーター系テクニカル指標の代表的な一つであり、多くの投資家の御用達となっています。
RSIの基本的な売買シグナル
RSIの計算式は、以下のようになります。
1日目のRSI
RSI=A÷(A+B×100)
A:直近N日間の値上がり幅の平均
B:直近N日間の値下がり幅の平均2日目以降のRSI
RSI=A’÷(A’+B’×100)
A’:(A×13+当日の値上がり幅)÷14
B’:(B×13+当日の値下がり幅)÷14
RSIの最も簡単なシグナルの見方は、RSIが70以上30以下で相場が行き過ぎ、つまり買われ過ぎあるいは売られ過ぎ、と判断するものです。
上記の計算式はややこしいですが、単純な見方をすると、直近N日の「買いの強さ」の割合が、相場の動き全体の中でどの程度占めているかを表していることがわかると思います。
つまりRSIが50で「買いと売りの強さがフィフティーフィフティーである」と言えるわけです。それを20%も上回れば(下回れば)当然買われすぎ(売られ過ぎ)という判断が妥当であることが理解できるのではないでしょうか。
- RSIが70%以上で逆張りの売りサイン
- RSIが30%以下で逆張りの買いサイン
RSIはトレンド相場に弱い
ただし、為替相場の場合、動き始めると一気に動くという性質もあって、実際、RSIが80以上(あるいは20以下)の状態が長く続くことも多々あります。
そのためRSIはレンジ相場では使えるがトレンド相場ではダマシが多くて使えないとする声や、あるいはRSIのシグナルを基本の「70以上30以下」ではなく「80以上20以下」に設定して使っているトレーダーも存在します。
ちなみにRSIは、MACDなどと同じく、チャートの下の部分に表示されます。
下の画像では、RSIが70以上の状態になっているにも関わらず、なおも価格が上昇し続けているのがよくわかると思います。
こういったRSIの欠点を補う代表的なトレード手法として以下の2つが考えられます。
- 他のテクニカル指標と組み合わせる
- RSIの向きにも注意を払う
RSIは「買われ過ぎ&売られ過ぎ」を見るためのオシレーター系テクニカル指標なので、ボリンジャーバンドなどのトレンド系テクニカル指標と組み合わせて使うのがよくあるパターンで、お互いの弱点を補い合えるため、より精度の高いテクニカル指標となります。
また、RSIの向きにも注意を払い、例えば「RSIが70以上でもRSIの向きが上向き」であれば、まだまだ上昇トレンド継続中である、と判断するような見方も存在し、それによってダマシを少なくしようとする考え方もあります。
RSIのダイバージェンス
RSIの向きにも注意を払うべきなのは、RSIの価格と為替レートの向きが、ほとんどの場合シンクロしているから、というのがあります。
以下の画像を見れば、一目瞭然ですね。
逆に言うと、ほとんどシンクロするはずの価格とRSIに逆行現象(価格は上昇しているのにRSIが下降している、あるいはその逆)が起きた時は、相場に大きな変動が起きる前触れ(シグナル)になりえることを意味します。
この逆行現象のことを投資の世界ではダイバージェンスと呼び、RSI以外のテクニカル分析においても売買シグナルとしてよく使われるので、覚えておいて損はありません。
RSIのヒンジやフック
その他にも、トレンドサイクルの中に現れるヒンジやフックなども、エントリーや決済のシグナルとして活用できます。
特に70以上、30以下でのヒンジやフックはRSIの場合、めったに表れないため、強いシグナルとして見ることができます。