RCIの基本的なシグナルと使い方
RCI(Rank Correlation Index)とは、直訳すると「相関性をランク付けして指標にしたもの」になります。
RCIは統計学における「スピアマンの順位相関係数」を相場分析に応用したもので、通常のテクニカル指標が価格や期間に着目するのに対し、RCIでは「順位付け」という新しい概念を相場分析に取り込んでいます。
RCIの基本的な見方
RCIの計算式は以下のようになります。
RCI=(1-(6×d)÷(nの3乗-n))×100
d:「日付の順位」と「価格の順位」の差を2乗し、合計した数値
n:期間
日付の順位:当日を1、として前日は2、2日前は3といった具合につけた順位
価格の順位:期間中の最高値を1とし、その次点が2,さらにその次点を3といった具合につけた順位
統計学を応用しているだけあって計算式は非常に難解です。
が、重要なのは計算式を理解することではなく、使い方・シグナルを覚えることです。
RCIのシグナル
他のオシレーター系指標と同じく、一定ラインより上で買われ過ぎ、一定ラインより下で売られ過ぎ、と判断するのが基本的な使い方です。
上の画像では上のラインを+80%、下のラインを-80%で設定ていますが、80を90%にして、フィルターを強めても構いません。
- +80(90)%ラインよりも上で買われ過ぎ
- -80(90)%ラインよりも下で売られ過ぎ
またRCIの向きにも注意を払います。
- +80%ラインより上で反落したら逆張りの売り
- -80%ラインより下で反発したら逆張りの買い
RCIはトレンド系テクニカル指標としても使える
また、RCIは他のオシレーター系指標と違いラインが滑らかであるという特徴があり、トレンド系テクニカル指標、例えば、移動平均線と同じようにして見ることもできます。
以下の画像は短期線9(黄色)、中期線26(赤)、長期線52(青)で表示したものですが、移動平均線同様、短期線と中長期線とのゴールデンクロス、デッドクロスをシグナルとして見ることもできます。
特に上限、下限付近で発生したゴールデンクロスとデッドクロスを強いシグナルとして見るのはMACDやストキャスティクスと同様です。
- +80%ラインより上で短期RCIが中長期RCIをデッドクロス
強い売りシグナルとみる - -80%ラインより下で短期RCIが中長期RCIをゴールデンクロス
強い買いシグナルとみる
さらにゴールデンクロス、デッドクロスの時にRCIが上向き(下向き)であれば、更に信憑性が高まります。
移動平均線と同じように使うこともできますが、基本的にRCIは逆張り系のオシレーターなので、トレンドの強い相場に弱いです。
強いトレンドが発生している時には、上限下限に張り付いてガーベージトップ、ガーベージボトムを形成しやすくなるので、その場合はトレンド系のテクニカルツールに切り替えるなどの工夫が必要です。