政策金利が株価や為替相場に与える影響とスワップ金利の決まり方

政策金利とは、簡単に言ってしまえば、国の中央銀行(日本なら日銀)が、市場にお金を貸し出す時の金利のことです。
今回は政策金利とスワップ金利の関係についての話です。

政策金利と為替や株価の関係

この政策金利が安いとどうなるか(仮に1%とします)。

この場合、例えば、A銀行の場合、中央銀行から利息1%で借りて、そのお金を10%の利息で企業や個人に貸出し、その差で儲けることができますから、当然、金利が安ければ安いほど、利益を上げやすいためたくさん借りたいと思うはずです(実際たくさん借ります)。

これにより

  1. 銀行が中央銀行からたくさんお金を借りる
  2. 借りたお金を企業や個人に低金利で貸す
  3. 結果、企業の設備投資等が活発化し、新しい工場等が作られれば雇用も促進される
  4. 個人も自動車や不動産ローンを組みやすくなり、積極的にお金を使うようになる

といったように景気をアップさせる効果があります。

景気がアップすれば、当然、いろんな企業の売り上げはアップし、徐々にその国の株価も上がっていきます。

一般に、低金利政策をとっている国は、上記のような景気上昇効果を狙って、政策金利を下げる場合がほとんどです。

ただし、政策金利を下げたからと言って、景気が必ずしも上昇するとは限らないことは、長年デフレで苦しんでいる今の日本の状況をみれば明らかですね。

政策金利を高くすると通貨高になる

政策金利と株価との関係は上記のようになりますが、では、為替の場合はどうかというと、一般に政策金利を上げると、その国の通貨は買われ、逆に金利を下げると、その国の通貨は売られます。

FXでは、両国の金利差によってスワップ金利を受け取ることができますからキャリートレードつまり「金利の安い国の通貨売りって金利の高い国の通貨買い」が起こり安くなります。

ただし、先ほど、政策金利を下げると、景気がアップする効果があると述べたように、政策金利を上げると、今度は逆に景気をダウンさせてしまう可能性が高くなります。

  • 政策金利を上げる→自国の通貨価値上昇&株価下落へ
  • 政策金利を下げる→自国の通貨価値下落&株価上昇へ

その国の通貨価値が高いということは、その国に対する信頼の表れであり、一般的には、通貨高と株価上昇は同時に起こるとされていますので、実際、米国や欧州などは、株価と為替相場は連動する場合がほとんどです。

なので、上記と矛盾しているように感じるかもしれませんが、決して矛盾しているわけではありません。

通貨価値や株価の変動のタイミングが違うだけ。
政策金利の変更は、通貨安や通貨高へは割とすぐに反映されますが、株価への影響はかなり後になって表れます。

例えば、近年のアメリカの場合だと、不景気に陥ると

景気悪化&株価下落
政策金利下げる
ドル安へ
景気が落ち着いてきた&株価上昇(金利を下げた効果)
政策金利上げる
ドル高へ

という過程をたどりながら景気アップへと戻ってきていて、ドル安と株安、あるいはドル高と株高が同時に起こっています。

逆に過去の日本の場合だと

景気悪化&株価下落
政策金利下げる
円安へ

とここまではアメリカと同じでしたが、景気アップに繋がらなかったため、政策金利を下げ続け、気がつけばゼロ金利に。
そのうちにアメリカや欧州のの景気が悪くなり、気がつけば安全通貨として円が買われ、円高になり、株価下落なのに円高、これってどういうこと?

といった具合に推移してしまいました。

要は、世界経済はいろいろ複雑であり日本のように政策金利を下げても、なかなか景気回復&株価上昇へと繋がらなかったり、2001年に国家破綻に陥ったアルゼンチンンのように政策金利を上げても通貨安が解消されず、その間にスタグフレーションに陥ってしまったケースもあり、そう単純ではないということですね。

ただ基本的には

  • 政策金利を上げる→通貨高&株価下落へと繋がりやすい
  • 政策金利を下げる→通貨安&株価上昇へと繋がりやすい

と言えますし、こと為替に限っては、どこかの国が「政策金利を上げる(下げる」という話題が為替マーケットで持ち上がった時は、その国の通貨は買われる(売られる)可能性が高いということは間違いありません。

スワップ金利と政策金利は連動してる?

ちなみに、言うまでもなく、各FX業者が提供しているスワップ金利は、各国の政策金利を大きく反映しています。

FXの場合、仮にオーストラリアの政策金利が5%、日本の政策金利が1%なら、両国の金利差「5%-1%=4%」を年利として計算、それを365で割ったものを、毎日スワップポイントとして受け取ることができます。

FX業者によってスワップ金利が違うのは何故?

例えば、豪ドル円のスワップ金利の場合、例えばA社は80円以上貰えるのに、B社下は50円半ばしかもらえない、と結構な差があります(ちなみに各社の提供するスワップ金利は一律ではなく、変動します)。

これは各FX業者の提携するカバー先銀行との交渉によってきまります。

要するに企業努力。
一般に、カバー先の銀行が多い業者ほど、よりよい条件のスワップ金利を提供できる仕組みになっているようです。

だから当然ながら「豪ドル円のスワップ金利はA社が一番だけど、南アフリカランド円はB社が、トルコリラ円はC社が一番なんだよな。一体どこを選べばいいんだよ?」といったことが起こります。

A社は、オーストラリアとの取引が多い銀行と仲が良く、B社は南アフリカとの…といった理由が存在するからです。

長期投資でスワップ金利目的でFXをやっている人は多いと思いますが、そういう意味では、言うまでもなく、どこの国の通貨を保有するのかをまず決めて、それから、その通貨と円との通貨ペアのスワップ金利が他社よりも多くもらえる業者でポジションを持ったほうが、多少は利益は増えることになります。

ただ、繰り返しますが、スワップ金利は一律ではなく、変動します。
これは簡単に言えば、各FX業者と銀行間との仲の良さも、いろんなことが原因で変動するからに他なりません。

そういう意味では、目先の多少の差にはあまりこだわらず、有名なFX業者、提携している銀行が多そうな信頼感のあるFX業者を選ぶようにすれば、後々も安心、ということになります。

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