サラリーマントレーダーにお薦めのトレード手法「NYボックス」とは?
FXで勝ちたいなら自分だけの勝てるトレードルールを確立せよ、とはよく耳にする言葉ですが、これがなかなか難しいです。
FXを始めたばかりの初心者の場合、なんのとっかかりもないため、雲をつかむような話に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はそういったFX初心者にも参考になるであろう、NYボックスというシンプルなトレード手法を紹介したいと思います。
NYボックスとは?
NYボックスとはアメリカのロブ・ブッカーというとある投資家がその著書「超カンタン アメリカ最強のFX理論」の中で紹介しているトレード手法の中でも、シンプルでありながら、応用性も高く、かつ日本人トレーダー向けと呼ばれているものです。
NYボックスの基本ルール
ステップ1:15分足チャートでNY時間の深夜0時と朝7時のところに縦ラインを入れる(日本時間換算だと夏時間は昼13時と夜20時、冬時間なら14時と21時)。
ステップ2:2つの縦ラインの間での最高値と最安値の位置に横ラインを引く
これら4つのラインで囲まれた部分がNYボックスになります。
ステップ3:15分足チャートのローソク足の終値が完全にNYボックスを上抜けたら買いエントリー、下抜けたら売りエントリー。
利食いは20pips、損切りは30pipsで入れる。
これが第一フェイズのブレイクアウトルールになります。
ブレイクアウトルールではローソク足の高値や安値ではなく、終値が上抜けあるいは下抜ける必要があるので要注意です。
いったん下抜けてもすぐに戻すような場合はエントリーを見送ることになります。
上の画像では上手くファーストフェイズで利食いできた例ですが、損切りになってしまった場合、第2フェイズのリバーサルルールに移行します。
ステップ4:リバーサルルールは損切りになったポイントで途転すること。利食いポイントはNYボックスの上限あるいは下限になります。
以上です。
え?これで終わり?
というくらいシンプルなトレード手法ですね。
NYボックス基本ルールの補足
NYボックスの基本ルールの補足として、以下は絶対に守ってください。
- 最初のブレイクアウトで利益が出た場合、そこでトレード終了
- ブレイクアウトで損切りになった場合、リバーサルルールを必ず行う。最初の損切りだけで打ち切ってはダメ
- リバーサールルールで利益確定したらそこでトレード終了
いずれにしても勝てばそこで終了、最初に負けたらもう一度だけチャレンジ、負けは2連敗まで。
1勝で終わるか、1勝1敗で終わるか、2連敗で終わるかのいずれか3つのケースしかないことになります。
NYボックスの基本的な考え方
NYボックスの基本的な考え方は、為替相場で最も値動きが激しくなるNY時間での1日1回トレード。
NY時間に入る前の7時間における高値と安値を把握、それを明確に上抜けたら買い、下抜けたら売り、というシンプルなルールですが、このトレードルールの有効性はNY時間の始まりは欧州時間までのトレンドを引き継ぐことが多いという為替相場の経験則にのっとっています。
また1日1回(あるいは2回)のトレードを想定しているので、負けるとすぐ向きになってどんどん深みにはまり込んでしまうような人に対する戒めになっているのと同時に、昼間働いていて夜だけデイトレードをしているサラリーマントレーダーにとって非常に真似がしやすい、のも大きな特徴です。
NYボックスが日本人向けと呼ばれ、1時大流行したのもそのせいなのでしょう。
NYボックスのメリットとデメリット
個人的な感覚ですが、基本的にNYボックスだけで大きく勝つのは無理なのかな、と思います。
ただ、逆に大きく負けることもない、と思います。
というのも上記のリバーサルルール発動の際の画像をキャプチャするのが結構大変だったから。
それくらい最初のブレイクルールで利確してしまうケース(あるいは様子見)がほとんどでした。
何百回、何千回、とバックテストを重ねたわけではありませんが、目視で過去のチャートを見渡した限りでは勝率はかなり高いと思って間違いありません。
ただし、ドル円の場合だと、2,3日に1回くらいしか買い(売り)シグナルがでないので、裁量で取引画面をずっと見ながらトレードする場合、人にとってはイライラさせられることも多いかも知れません。
というのも、エントリーが「ローソク足の終値」で決まるので、OCO注文が使えないからです(決済注文には使えますが)。
勿論「15分足の終値」だけが問題なので、取引画面を見るのは15分ごとでOKなのですが、それでも気の早い人には向かない可能性はあります。
ユーロドルやポンド円など値動きの激しい通貨ペアならもっと売買シグナルが頻繁にでるかもしれませんが、それでも無理なら「数ある売買シグナルの一つ」くらいに考えておいたほうが良いかもしれません。
また、著者のロブ・ブッカー氏いわくNYボックスは「独自の検証を重ね自分でカスタマイズしていくもの」だそうです。
- リミットとストップの幅を変更する
- 時間足を変えてみる
- 取引通貨ペアをいろいろ試す
- RSIなど他のテクニカルツールと組み合わせる
- ボックスの縦線(時間軸)変えてヨーロピアンボックスにしてみる
ざっと考えてみてもいろいろアレンジする余地はありそうですね。
個人的にはNYボックスというトレード手法は以下の点で気にいっています。
- シンプルかつ明確なルールがある
- 様子見になることが多い(シグナル発生率は低め)
- ゆえに勝率も高め
- 1日1トレードが基本なので精神的なゆとりが生まれやすい
優秀なトレード手法は「絶対に大負けしない」ことが第一条件なので、そういう意味で、このNYボックスは勝てるトレードルールの基本は満たしているように思いました。
ただ、実際に、どれくらい利益が積みあがるかは、アレンジの仕方次第。
- ぐんぐん、資産が増えていくのか。
- どんどん、資産が減っていくのか
- じり貧で、徐々に資産が減っていくのか。
- あるいは利益の割に時間帯効果が低いのか。
1と2まずないと思いますが、NYボックスの初期ルールのままでは、3と4になる可能性は結構高いような気がするので、カスタマイズは必須だと思います。
ロブ・ブッカーさんが言うには「アレンジして1000回バックテストしてデモ口座で資金を2倍にしてから本番トレードに移行すること」だそうです。
そんなにやらないとダメなの?
と思う人も多いかも知れませんが、これくらいやらないと他の投資家との差は生まれませんので、いつまでたっても勝ち組には入れないと思いますよ。