約定拒否(グレーアウト)を連発するFX業者
FX取引で、ポジションを持ち、うまく利益が乗り「さあ、利確しよう」と決済注文ボタンを押そうとすると、何故か、取引画面の背景が暗くなり、一切の注文を受け付けなくなる。
それが何秒か続き、その間にせっかく出ていた利益がマイナスになってしまった……。
こういった口コミをネット上でよく見かけます。
こういった現象をグレーアウトと呼ぶそうで、システムに障害が発生した場合に起こる現象ですが、中には、意図的にグレーアウトを引き起こし、投資家に不利益を被らせるFX業者が存在する……という噂をきいたことがあります。
グレーアウトはスキャルピング対策
ストップ狩りが、デイトレ・スキャルピング以外のスイングトレーダーや長期投資家に対する「搾取」であるのに対し、この意図的なグレーアウトは、主にスキャルピングトレーダーからの搾取を狙った不正行為と言えます。
FXは取引コストが安いこともあって、スキャルピングという短期での回転売買を行う投資家が、株式投資などに比べて非常に多いです。
スキャルピングは、FX業者のシステムに負荷を与えるだけでなく、マリーやカバーもやりにくく、いわばFX業者にとってやっかいな存在です。
そのため、中にはエントリーから決済までの時間が数秒以内のいわゆる秒スキャを禁止している業者も存在します。
が、スキャルピングをやっているFXトレーダーは意外と多いため、完全に禁止にしてしまうと、顧客が集まらない。
だから、表向きは「スキャルピングOK」という姿勢を示し、顧客を集めておいて、そして裏では、スリッページや意図的なグレーアウト等で、スキャルバーから搾取している、考えられます。
スキャルピングトレーダーは成行注文メインで、しかもハイレバで取引する人が多いため、グレーアウトが非常に効果的なんでしょうね。
グレーアウトはインターバンクでもある昔からの慣習
実はこの意図的なグレーアウトは、インターバンク(銀行間取引)でもあります。
為替取引は、どこの銀行もリスクを背負って、利益をあげるために行っています。
基本的にプロは相場状況が読めない時は取引をしないので、相場が上がるか下がるか読めない時、リスクと取りたくない時は、レートを提示せずに、注文を一切受け付けない状態にすることもあります。
これは昔からある慣習なので、特に問題のある行為ではありません。
インターバンクには多くの銀行が参加しているので、仮にA銀行がグレーアウト状態でも、B銀行やC銀行が注文を受け付けていれば、取引が可能であるため、認められている行為と言えます。
が、相対取引であるFX業者がグレーアウトを使うのは、はっきり言って反則です。
何故なら、基本的に私たちトレーダーは、A社に入っている証拠金はA社での取引でしか使えません。
A社が注文受付拒否をしてしまったら、はっきり言ってA社に入れている資金は全くの遊び銭になり、資金効率が悪化します。
儲けのチャンスを逃すばかりか、損切りしたいのにできず、想定外の損失を負ってしまう。
これはもう詐欺と呼んでも良いレベルだと思います。
もし、あなたの使っているFX業者で「謎のシステムダウン」よる約定拒否が、絶妙のタイミング(こちらが不利になるようなタイミング)で頻繁に発生するようなら、絶対に取引口座を変更しましょう。
口座開設は正直面倒で、何度もしたくないというのは、誰もが思っていることでしょうが、こればっかりは仕方がないですね。
「俺の使っている業者って詐欺業者?」みたいな疑いがあると、どしても取引に集中できないと思います。
どこのFX業者でも、最初に設定した許容スリッページ幅を超えて滑りが発生した場合は約定拒否になりますが、スリッページを広めに設定していながら、頻繁に約定拒否が起こる業者も同様です。
背景がグレーアウトするか否かが問題ではなく、約定拒否が頻繁に起こるかどうかが問題です。