コール・プットとは?バイナリ―オプションの基礎用語まとめ
今回はバイナリーオプションの基礎用語について解説したいと思います。
コールとかプットとかプレミアムとか、別に知らなくてもバイナリ―オプションは始めることができるし……。
という人もいると思いますが、オプション取引市場は、為替市場のトレンドを時に大きく左右するため、バイナリ―オプションをやるやらないに関わらず、その基礎的な仕組みや用語はぜひとも知っておいたほうが良い、と私は思っています。
どのみち、GMOクリック証券の「外為オプション」の口座を開く際、知識確認テストを受ける必要がありますので、軽く読み流す程度で良いので、読んでみてください。
オプションとは?
まずオプションの意味って何?
こう聞かれて答えられる人は、意外とあまりいないのではないでしょうか。
簡単に言うとオプションとは「権利」のことを意味します。
つまりオプション取引とは権利の取引(売買)のこと、と言い換えることができます。
コール・プットとは?
コールとは一定期間後に、特定の投資商品(原資産)を、定められた価格(権利行使価格)で、買う権利のことを意味します(コールオプションとも言います)。
反対に、プットとは一定期間後に、特定の投資商品(原資産)を、定められた価格(権利行使価格)で、売る権利のことです(プットオプションとも言います)。
例を上げると、例えば
- 現在ドル円のレートが1ドル100円だったとします。
- そして10日後、1ドル101円以上になっている、とあなたが予測していたとします。
- この時に「10日後に101円でドル円を100万通貨購入する権利」を購入したとします。
そして実際にドル円があなたの予測通り、首尾よく1ドル102円になっていたとします。
この時、当然、あなたは権利を行使しますよね?
何故なら、権利を行使すれば、ドル円のレートが102円の時に、ドル円101円でのロングポジション100ロットを保持していることになるわけですから、1円分の利鞘で、計100万円の利益を得ることができるからです。
この場合は、損失は後述するプレミアムのみになります。
この事例で言うと
一定期間後(10日後)、特定の投資商品(原資産=為替レート)、権利行使価格101円でドル円のコールオプション(正確には米ドルコール・円プットオプション)を購入した、ということになります
バイナリ―オプションで、ドル円の円安チケットを購入するということは、満期時(将来)にドル円を予測ライン(権利行使価格)にて購入する権利(コールオプション)を購入しているのと同義になります(円高チケットの購入はプットオプションの購入にあたります)。
ただし、通常のオプション取引(プレーンオプションと呼びます)の場合、満期時に権利行使価格よりも上に為替レートにあればその差(利幅)だけ利益を得ることが可能ですが、バイナリ―オプションではあらかじめ定められた一定の金銭(ペイアウト)しかもらえません。
つまりバイナリ―オプションは通常のプレーンオプション取引と違った特殊なオプション取引、と言えます。
プレミアムとは?
プレミアムとは、コールオプションやプットオプションを購入するために必要な料金のことです。
コールプレミアムとかプットプレミアムといった使い方をします。
先ほどの例をもう一度使いますと
- 現在ドル円のレートが1ドル100円だったとします。
- そして10日後、1ドル101円以上になっている、とあなたが予測していたとします。
- この時に「10日後に101円でドル円を100万通貨購入する権利」を購入したとします。
この場合、予測通りにレートが動く確率は、それほど高くないことはFX経験者ならよくわかると思います。
オプション購入時点では、今後ドル円のレートが上にいくか下に行くかは五分五分です。
その時点で、1円も上にラインを上げて予測しているわけですから、そうなる確率は少なくとも5割以下でしょう。
なのでこの場合、コールプレミアムは安く済みます(プレミアムの計算は非常に複雑なのでここでは割愛します)。
逆に
現在のドル円のレートが100円の時に「10日後、1ドル99円でドル円を100万通貨購入する権利を購入する場合」はどうでしょう。
この場合は逆に予測ライン(権利行使価格)よりも上に来る確率は5割以上です。
だからこの場合はコールプレミアムは、結構高めになります。
ドル円が10日間全く動かなければ、100万円の利益が得られる計算ですから、おそらくプレミアムは基本的に100万円とほぼ同等の価格になるはずです。
このように常識的に見て予測が容易い状況の時はプレミアムは高くなり、予測が難しい状況の時はプレミアムは安くなります。
これはバイナリ―オプションでも同じですね。
購入価格や倍率の決まり方
ちなみに、上の例のように
現時点のレート1ドル100円の時に権利行使価格101円でコールオプションを購入した場合、そのような状態のことをアウト・オプ・マネーと呼びます。
現時点のレート1ドル100円の時に権利行使価格99円でコールオプションを購入した場合、そのような状態のことをイン・ザ・マネーと呼びます。
アウト・オブ・マネーとかイン・ザ・マネーという用語はバイナリ―オプションではあまり出てきませんが、ラダーオプションにおいては以下のように言うことができます。
現時点のレートが予測ライン(権利行使価格)よりも下にある場合にコールオプションを購入することはアウト・オブ・マネーにあたり、プレミアムはペイアウト1000円の半分(500円)よりも高くなっているはずです。
現時点のレートが予測ライン(権利行使価格)よりも上にある場合にコールオプションを購入することはイン・ザ・マネーにあたり、プレミアムはペイアウト1000円の半額(500円)よりも安くなっているはずです。
プットの場合は真逆ですね。
先ほど、ちらっと述べたようにプレミアムの決まり方は複雑で、その通貨ペアのボラティリティや権利行使までの残り時間なども考慮されるため、一概には言えませんが、簡単に言うなら、上記のように言うことができます。
原資産とは?
原資産とは、金融派生商品(デリバティブ)取引の対象となる資産のことをいいます。
ちなみにデリバティブとは個別株式やFXなど、株や通貨そのものではなく、そこから生まれる数値等を対象に権利や契約などが金融商品になったもので、要するに先物取引やこのページで説明しているオプション取引などのことを指します(FX業者の提供するバイナリ―オプションにおける原資産とは言うまでもなく為替レートのことです)。
オプション取引については多少イメージがわいたでしょうが、先物取引については、おそらくほとんどのFXトレーダーにはあまり実感がわかないものと思われます。
まあ、あまり知る必要もないのですが(笑)。
要するに世界のお金持ちたちは、実際の物や商品だけでは飽き足らず、そこから派生するいろんなものを投資(投機?)の対象にしてお金のやり取りをして楽しんでいる、ということだけ理解しておけば十分でしょう(笑)。
インターバンク市場ではオプション取引がよく利用される
ちなみに、インターバンク市場における為替ディーラーはこのオプション取引を多用します。
何故かというと、インターバンク市場では、個人向け店頭FXのようにほぼ必ず実行されるストップロス注文のような便利なものがないからです(インターバンク市場では買い手と売り手の思惑が一致して始めて売買が成立するため)。
だから仮に1ドル100円の時にドル円1億通貨のロングポジションを作ったとすると、その際、同時に95円を権利行使価格として、ドル円1億通貨のプットオプション(売る権利)を購入しておきます。
こうすることで仮にインターバンクのレート配信が停止するような大暴落が発生し、ドル円のレートが95円を大幅に下回ったとしても、95円の時点で1億通貨のショートポジションができていることになるので、事実上両建てができることになり、確実な損切り注文の代わりになります(ただの両建て売り注文だとレートが飛んだり、配信が停止した場合は約定しません)。
どんな大暴落しても損失はプレミアムと、上記の場合だと5円分の利鞘のみに限定されるわけで、こうやってプロのディーラーさんは万一の場合に備えてリスク管理をしているわけですね。