グランビルの法則はチャート分析の基本
グランビルの法則とは、移動平均線とローソク足との関係性から売買シグナルを読み取るための基本的なチャート分析の8つの法則のことです。
本来は株式取引における法則ですが、勿論、FXでも利用できるので、初心者の方は覚えておいて損はありません。というか、ぜひ、覚えておいておきたいものです。
グランビルの法則とは?
グランビルの法則は、米国のチャート分析家ジョゼフ・E・グランビルという人から名前が付けられました。
移動平均線での売買シグナルと言えば、ゴールデンクロスとデッドクロスが有名ですが、グランビルさんは、移動平均線やロウソク足の方向、トレンド、乖離率などから、相場のシグナルを読み取ろうとし、8つの法則を導き出しています。
以下がその8つの法則。つまり売買シグナル発生のパターンです。
買いが4パターン、売りが4パターンからなっています(買いと売りは表裏一体で言っていることは同じですが)。
買いのパターン4つ
移動平均線が下降トレンドから上昇トレンドへ変換あるいは横ばいへ+ロウソク足がその移動平均線を下から上へ突き抜ける(強い買いシグナル)。
ロウソク足が移動平均線を下抜け+移動平均線が上昇中の時は一時的な調整(押し目買いシグナル)。
ロウソク足がもちあい状態+上昇中の移動平均線に接近+移動平均線を割り込まず再度上昇(買い増しシグナル)。
移動平均線の下落よりも、ロウソク足の下降速度が大きく、乖離が大きくなると自立律反発する可能性が高い(途転買いシグナル)。
売りのパターン4つ
移動平均線が上昇トレンドから横ばいまたは下降トレンドへ+ロウソク足がその移動平均線を上から下へ割り込む(強い売りシグナル)。
移動平均線をロウソク足が下から上に突き抜け+移動平均線は下降中の時は局面調整(戻り売りシグナル)。
ロウソク足が持ち合いのまま+下落中の移動平均線に接近するも、移動平均線を上抜けせず再度下落へ(売り増しシグナル)。
移動平均線の上昇よりも、ロウソク足の上昇が大きく、乖離が大きくなった場合、高値警戒感から自律反落する可能性大(途転売りシグナル)。
グランビルの法則は遅効性のテクニカル指標
上記の8つの図は、実際のチャートから抜き出したものですが、その後全てシグナル通りに相場は動いています。
だましは一切ありませんでした。
というと、ものすごい優秀なテクニカルツールのように思うかもしれませんが、実はこのグランビルの法則、大きな欠点があることでも有名です。
それは売買シグナルがチャートに反映されるのは、かなり後になってから、というもの。
要するに、シグナルを見て買いや売り注文を出すには既に遅い場合が多いのです。
だから、この法則を実際のトレードに生かせるチャンスはそうそうないかもしれません(後になって、エントリーしておけばよかったという場合がほとんど)。
ただし、知っておくと、稀に大チャンス(シグナルがあまりにも明確な局面)に巡り合う可能性もあるわけで、その場合、グランビルの法則を知らなければ、みすみすその千載一遇のトレード機械を見逃してしまうことになりかねません。
そう考えると、初心者の方はしっかり頭に入れておいたほうが良い、と言えます。
勿論、どんなチャート分析方法でも、必ずだまし(シグナル通りに動いているように見えて、反対に動いてしまうこと)の可能性があるわけですから、初心者の方が、盲目的にこの法則に従うことはNGですが。
グランビルの法則は移動平均線と価格の動きとその関係性に着目した基本的でシンプルなテクニカル指標。FXを始めたばかりの人にとって、学ぶことのできる部分は多いと思います。