第5話:ヘッジファンドのストップ・ロス・ハンティングで100万円の負け

第4話の続きです。
約定力の高い業者に引っ越し、スキャルピングでの1,2pips抜き&損切りなし、というやり方で6,7,8の3ヵ月は10万円以上の利益を上げ、ようやく4月のマイナスがチャラにできそうな気配になったものの、常に取引画面に張り付いていなければならいこと、その割にはあまり儲からないこと、そして何よりも、いつか破たんしそうで心中穏やかでいられないため、精神的な疲れだけが貯まり、全然FXが楽しめない……、という話でした。

あともうちょっとマイナスがチャラになって楽になれる……。

そう思っていた矢先、不幸なことに、2回目の悲劇に襲われることになります。

2008年9月5日の雇用統計でやらかす

その日は、2008年9月5日の金曜日。雇用統計の発表日でした。
私はいつものように、雇用統計発表後の乱高下を狙ったスキャルピングを行うことにします。

ちなみにマネパに口座を変えてから雇用統計後のスキャルでは3ヵ月連続負けなし。

マネパでは雇用統計発表直後、スプレッドが30銭くらいに広がりますが(爆)、5分くらい経つと5銭くらいにまで戻ります(当時はドル円のスプレッドは通常時で4銭です)。

この3ヵ月はその時点での優勢な方向を見極め、その方向へエントリーする、というやり方でうまくいっていたのです。

この日9月5日も、同じようにレートの動き具合を見て、売りが優勢と判断し、ショートでエントリー。

ちなみに、ドル円は3月に一度100円割れを起こした後、4、5,6,7,8と5ヶ月連続の陽線。
9月以降もこれが続くものと思われていました。

私のここ3か月の戦略は前回書きましたが、以下の通り(4の損切りはしたことありませんが)。

  1. ドル円の方向性(買いか売りか)を見極める
  2. その方向性に従って秒スキャをする
  3. 指標発表時はポジションを閉じる
  4. 損切りは10銭

1の方向性についてですが、基本、私はドル円の方向性は上向きと考えていました。
つまりドル買いが基本。

仮にスキャ目的でとったポジションの含み損がどんなに膨れ上がろうとも、ドル円のトレンドの方向性さえ間違っていなければ、必ず、レートはもとに戻って事なきを得る。

そう考えていましたし、事実、ここ3ヵ月はその戦略により、1度も損切りすることなくやってこれたのです。

なのに、この日は、ドル売りでポジってしまいました。

理由は、雇用統計の数値が予想よりも大幅に悪化したから。

FX初心者の私は「雇用統計の数値が予想よりも悪化したら売り」という、いわばセオリーに従っただけなのですが、しかし、外為相場は、短期的にはセオリー無視で動くことが多々あることを、私はこの時初めて知ることになります。

ヘッジファンドのストップロスハンティングが炸裂

105,50円付近で持った私のドル円ショートポジションは、その後、一度も利を乗せることなく、つまり1,2pips抜きさえ不可能なまま1直線に、結局月曜日には109円をつけるまで上昇していくことになります。

このドル円の急上昇の理由は今思えば、ストップ狩り(ストップロスハンティング)が行われたからなのでしょう。

悪徳FX業者がやっているストップ狩りではなく、ヘッジファンドなどの大手投資機関によるストップロスハンティングです。

ストップロスハンティングの仕組みは以下のページでも書いているのでぜひ参考に。

外国為替市場にトレンドが生まれる仕組み

いずれにせよ、私はどんどんと上昇していくドル円レートを見つめながら、ぶつけようのない怒りとともに疑問に捉われていました。

「雇用統計の数値が大幅に悪化したのになんでドルが買われてるの?」

私と同じように思っているFX初心者は当時多かったと思います。

しかし、多くの初心者は私よりも賢かった。しっかりとストップロスの逆指値を105,50から106円までの間に置いていたのでしょう。

皮肉なことに、それら個人投資家のストップロス注文を刈り取りながら、大手投資機関の仕掛けたハンティングは大成功に終わることになります。

神頼みトレードがついに崩壊

この三カ月、一切損切りしないというやり方で、なんとかしのいできた私ですが、来るべき時が来てしまいました。

私はその後、雇用統計の数値が……と心の中でつぶやきながら「いずれ上げどまるはず」という予想のもとに106円付近でナンピンの追加売りをすることにします。

ちなみに、9月から、私の取引枚数は、8月までの10万通貨から20万通貨に増えていました。
10万通貨での1,2pips抜きではせいぜい月10万が限度なので、手っ取り早く利益を増やすにはレバレッジを倍にするのが一番だと思ったのですが、運の悪いことに、これが裏目にでました(笑)。

20万通貨で、-50pipsなので、含み損は既に10万円にまで達しています。

ここ3ヵ月間、眼精疲労と戦いながら、コツコツとなんとかかすめ取ってきた1カ月分の利益をたった1日で失うなんて、当時の私には到底受け入れられませんでしたし、かと言って、このまま含み損を抱えたままでは絶対に夜安眠などできるはずもありません。

しかもその夜は金曜日ですから、土日含めて3夜連続、大きな不安を内に秘めたまま眠ることになります。
何としてもそれだけは避けたかった。

なら、損切りしろよ!というツッコミが聞こえそうですが(笑)、当時の私の頭にはその考え全くありませんでした(笑)。
この時素直に損切りしていれば、たったの10万円の損失で済んでいたのですが。

雇用統計の数字は悪かった。だから絶対にドル円は106円より上にはいかないはず。

とにかく私はそう思っていたのです。

できるだけ早く含み損を0にして、ポジションをスクウェアにしてぐっすり眠りたかった私ですが、週末ということもあって相場は105,80から105,90付近で既に揉み合い状態で、なかなか上にも下にも動きそうもありません。
このまま相場が元のレート105,50円に戻るを待つのは非常に時間がかかりそうでした。

となると、手段はもうナンピンしかありません。
ナンピンすればあと25銭戻るだけで含み損0になって、何事もなかったかのようにぐっすり眠れますからね。

というわけで、106,00円付近でナンピンを行ったわけですが、しかし、この私の予想というか希望的観測はものの見事に外れることになります。
なんとドル円は106円を突破した当たりから、更に上昇を強め、あれよあれよのうちに、気がつけばついには107円台にまで到達。

何が起こったのかはよくわかりません(本日2度目のストップ狩り?)。というか茫然自失状態だったのであまりよく覚えてません(笑)。

とにかくナンピンを行ったことにより、損失はあっという間に60万超えに(笑)。

私は青ざめた顔でその後も相場がもとに戻るのを祈り続けることになりますが、その夜はもうそれ以上大きく動くことはありませんでした。

気がつけば土曜日の朝の6時。

疲れ果てた私は、燃え尽きたかの如く、ようやく諦めて横になることにしますが、全く眠れなかったことは言うまでも合いません(笑)。

ナンピンは悪魔のささやきのごとく

実は、雇用統計発表日ではありませんが、この日の約1か月前の金曜日にも同じようなことがありました。
ポジションとは反対の方向へドル円が動くも「含み損を0にした状態で土日を迎えたい」という思惑からナンピンを行ったことを覚えています。

が、結局その夜は元のレートには戻らず、マイナス50万くらいにまで膨れ上がった含み損を抱えつつ、土日を過ごすことになります。

当時は「コードギアス 反逆のルルーシュR2」が日曜5時から放送されていて、私はいつも楽しみに見ていたのですがその時ばかりは全く楽しめなかったことをよく覚えています(笑)。

ただし、この時のポジションはドル円ロングで、前述したように当時はドル円のトレンドは上向きだったため、結局、事なきを得ることになります。
月曜日の朝、起きて真っ先にテレ東で為替レートを確認すると、含み損はすっかり解消され、寧ろ、数万円の利益が乗っている状態でした。

今度も同じような結果になれば、と期待していたのですが、2度も奇跡を起こしてくれるほどFXの神様は甘くはありませんでした(笑)。

土日に発表されたとある要人発言により、更にドル円は上昇。
2008年9月8日月曜日は窓を開けて109円弱からスタートすることになります。

そしてついに含み損は100万円にまで到達。

金曜日の夜、損切りしていれば-10万円で済んだ損失がナンピンを行ったがためにその10倍の損失にまで膨れ上がってしまったのです。

勿論、他にも不運が重なりましたが、とにかく含み損100万を抱えたままその後仕事に出かけるなんて考えられなった私はついに損切りを決意。

そして疲れ果てた私はきっぱりと「FXはもうやめよう」と決意するのですが、たったの1週間でその決意が覆ることになります。

何故なら、その後、1週間も経たないうちに、ドル円は105円を割ることになったからです。

その事実が再び、私に闘志を呼び起こします。

言うまでもなく、私の今回の大損失は

  1. すぐに損切りしなかったこと
  2. ナンピンを行ったこと

の2点にあります。いえ、勿論、素人的なトレードを繰り返したことも原因ですが、とにかくドル円が結局105円を下回ったことで、そういった事実は頭から消え去ることになります。

結局、FXって最後まで損切りしなければ勝てるんじゃん!

というわけで、再び、マイナス100万円を取り戻すべく、戦場に舞い戻ることになるのですが、そんな私を更なる悲劇が襲うことになります(泣)。

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