第10話:ポジションサイジングの重要性を理解する

第9話の続きです。
優位性のある売買ルールを確立するために、テクニカルツールをあれこれ研究するも、私のやり方が悪いのかセンスがないのか、とにかく、全く成果を得られないまま、3ヵ月あまりが過ぎようとしていたある日。

いつものように、FXプライムbyGMOの為替コンテンツ「井戸端会議」を読んでいた私は「おお!これだ!」と思えることに気づかされることになります。

ポジションサイジングとは?

ポジションサイジングとは、簡単に言うと、普段は3万通貨、勝つ自信のある時は5万通貨、勝つ自信のない時は1万通貨、といった具合に、状況に応じてポジションサイズを変更すること。

FX上級者が多用する損小利大を実現するためのテクニックの一つとされています。

私はこれまで「その売買シグナルに従って機械的にトレードしていれば勝手に利益が積みあがっていくような手法」=「優位性のあるトレード手法」だと思ってきました。

もしかすると、これは決して間違ってはいないのかもしれません。

しかし、私はこうも思っていたのです。

優位性のあるトレード手法=優位性のあるテクニカルツールの組み合わせ。

要するにトレード手法を、単なるテクニカルツールの組み合わせ、として考えていたのです。

もしかすると、この考え方も間違ってはいないのかもしれません。
流行のミラートレーダーなど、システムトレードのストラテジーの多くはまさにそれですからね。

しかし、単なるテクニカルツールの組み合わせだけで、優位性のあるトレードルールを構築することは、少なくとも私には難しすぎました。

何をどうすれば良いのかとっかかりさえ全く掴めず、ただ闇雲に目視でバックテストを重ねるのは、あまりにも効率が悪すぎるように感じられ、モチベーションを保つのが困難だったのです(ちょいトレFXなどのバックテストツールのある現在とは違って、当時は、そういった便利なツールはありませんでしたので)。

しかし、ポジションサイジングという概念は、私に「テクニカルツールだけがトレード手法の全てではない」ことを気付かせるに十分でした。
ポジションサイジングというトレード手法は、その存在こそ、以前から知ってはいたのですが、あまり重要視していませんでした。
初心者向けではない気がしていたのです。

しかし、ここにきて、ようやくその重要性を知ることとなります。
初心者だからと、新しい考え方を学ぶことをしないのではいつまでたっても成長はありません。

ピラミッティングとは?

FXプライムbyGMO「井戸端会議」は、為替ディーラーさんの投資戦略やポジションなどが日記形式で紹介されているのですが、私の目にとまったのは、その中でとあるディーラーさんが行っているピラミッティングという手法でした。

ピラミッティングというのは、ある意味ナンピンの逆で、上がったらさらに買い増す、というもの。

例えば、ドル円を100,50円で1万通貨買い、その日の最高値である100,80円で利食い、という思惑を持っていたとします。

初心者の時は、ドル円のレートが100,80に達すると、何も考えずにすぐに利食いしちゃいますが、ピラミッティングを行うような上級者は「100,80をブレイクしたらさらに上昇するはず」とばかりにさらに2万通貨買い増します。

更に、101,00という心理的な節目さえもブレイクしたら、今度はさらに3万通貨買い足す、と言った具合に、自信のある時はどんどんポジションを増やしていくのです。

井戸端会議の某ディーラーさんは、最近調子が悪く連敗がつづいていたようなのですが、このピラミッティングを成功させることで「普段の損切り額の20倍の利益がでました!」とのことでした。

ピラミッティングは、勿論、相当な自信がないとできない手法ですが、1回でも成功することができれば一気にそれまでの損失を取り戻すことも可能です。

ポジションサイジングという考え方を、これまでのテクニカル分析と組み合わせれば、優位性のある手法を編み出すことができるのではないか?

そう考えた私は、テクニカルツールを使ったバックテスト(目視)の日々で、完全に折れそうになっていた心に、新しい力(モチベーション)を取り戻すことができたのです。

テクニカル分析だけが優位性のあるトレード手法の全てではない

私はこれまである程度の頻度でシグナルが発生かつ勝率5割以上の売買ルールの構築を目指してきました。
しかし第8話の最後のほうでも述べていますが、損小利大トレードになっていれば、別に勝率はあまり関係ないんですよね。

「勝率はあまり関係ない。トレンドに乗って損小利大を実現することが大事」とは、頭の中で理解しているつもりだったのですが、為替相場では大きなトレンドがめったに発生しないばかりか、仮に発生したとしても、それを早期に、しかも高精度で感知してくれるテクニカルツールがなかなか見つけることができませんでした。

そのため、焦りから、いつの間にか、視野が狭くなり、テクニカルツールのシグナルのみで勝とうとしすぎていた部分があったように思います。

しかし、ポジションサイジングというテクニックを使えば、別に大きなトレンドに乗る必要さえもないことになります。

小さなトレンドであっても「明らかにこの後ドル円は上がる!」という確信さえ抱くことができれば、ポジションを増やすことによって、仮に利食い幅と損切り幅が仮に同じだったとしても、の損小利大にすることはできるのですから。

ポジションサイジングを用いたトレード手法の具体例

  1. トレンド的中率は5割以上で、シグナルは1日に数度発生
  2. トレンド的中率は7割で、シグナルは1日に2,3回程度
  3. トレンド的中率は8割で、シグナルは2日に1,2回程度

私は、上記のような売買ルールは、テクニカルツールの組み合わせの試行錯誤の中でいくつか見つけていました。

が、上記の3タイプの売買ルールは、的中率とシグナル発生頻度のどちらかに問題があり、いずれもそれ単体では、あまり有効ではありませんでした。

しかし、ポジションサイジングというテクニックを含めると、それらの欠点を補うことが可能になります。

仮に、以下、上記の3タイプの売買シグナルを、それぞれ弱シグナル、中シグナル、強シグナル、と呼ぶことにすると具体的には以下のようにします。

  • 弱シグナル点灯で1万通貨エントリー
  • 中シグナル点灯で3万通貨エントリー
  • 強シグナル点灯で5万通貨エントリー

上記のようにシグナルの種類に応じて、取引枚数を変更するのが一応基本になりますが、勿論、これだけではありません。

弱シグナルでエントリーしたポジションを保有中、途中で中シグナルや強シグナルが点灯すれば、買い増しやピラミッティング。
強シグナルでエントリーしたポジションを保有中、途中で弱シグナルに変われば4万通貨だけ決済で残りは保有(分割決済)。

上記のように、分割決済やピラミッティングを使えば、トレンドに乗れなくても、損小利大を実現することは可能です。

これまでは中、強シグナルは、発生頻度が低く、その時に取引画面を開いているかどうかわからないため、システムトレーダーやスイングトレーダーなら別として、少なくとも裁量でのデイトレードでは有効ではない、と考えてきました。

かといって、トレンド感知率5割程度の弱シグナルでは、よくて収支トントンにしかなりません。

  • 弱シグナル:損小利大トレードがやりにくい
  • 中強シグナル:発生頻度が低すぎてデイトレに向かない

このジレンマを分割決済やピラミッティングで解消できるかもしれない。
この時点では、まだまだ確証までは至りませんでしたが、少なくともその可能性が見いだせただけでも、FXを諦めかけていた私にとっては僥倖でした。

私は2008年から10年近く、未だにFXを続けていますが、そのトレード手法はまさに「ポジションサイジング+テクニカル分析」です。

今現在のトレード手法にたどり着くには、まだまだトライ&エラーを繰り返し、これから何年もかかることになるのですが、実はその基本的な考え方は、このページで書かれているものと全く同じです。

最初の半年で300万を失った私ですが、その後、わずか2ヶ月で、FXで生き残るために必要な基本的な考え方にたどり着けたことは、非常に幸運だったと思います。

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