国債と為替相場、株式市場の関係

FXをやっていると、為替相場を動かす要因として国債という用語が出てきます。「米国国債の長期金利が上昇のためドル買いが強まった」といった具合に、ニュース等でも取り上げられることもあります。

株価と為替レートの関係性で述べましたが、国債市場、為替、株式市場、それぞれのマーケットで絶対的な関係性は存在しません

が、一応、基礎というか「ほとんどの場合はこうなるよ」というパターン的なものは存在しますし、それぞれの関係性にも理由があるので、知っておいて損はありません。

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国債とは?

まず、簡単に国債について説明しておきます。
国債とは、国が発行する債権。ようする「国が私たちからお金を借りています」ということを証明する借用書のようなものと言えます。

つまり、例えば、仮に米国が国債を発行したとします。
10年債(10年後に返済という意味)で、100ドルで購入可能だったとします(以下、金額は計算上わかりやすい設定にしています)。

話はそれましたが、米国の10年国債をあなたが100ドルで購入したとします。
それはつまり、あなたが米国政府に100ドル貸したというのと同じで、米国政府がデフォルト(破産)していない限り、10年後には100ドル全額戻ってきます。
勿論、それだけでなく金利(利回り)も毎年もらえます。じゃないと購入する意味が私たちにはありません。

国債にも売り買いできるマーケットがある

例えば、今回の10年債の利回りが購入時5%だったとします。つまり、毎年5ドルの利息をもらえるわけですね。

米10年債100ドル分を購入=米国政府に100ドル預ける、です。そしてこの結果、毎年5ドルもらえます。銀行に預けるのと比べたら結構な利子がもらえるわけですから、かなりお得ですね。

ただし、国債は米国だけが発行しているわけではありません。日本も欧州も英国も発行しています。
また、それ以外にも株、為替、原油、商品先物など、世界中にはいろいろな、状況によっては、国債よりもお得な(儲かりやすくなっている)金融商品も存在します。

もし、年利5%の金融商品である「米10年債」よりも、より儲かる投資商品があった場合、投資家のあなたはどう思いますか?

大抵の場合、米国債を売って、そのお得な金融商品のほうに投資資金を移し替えたい、と思うはず。

そういう場合、国債市場(国債の売り買いができるところ)で、購入した国債を売ることが可能です。
ただし、株価と同じで、そこには相場というものがあります。

例えば、100ドルで買った国債を、110ドルで売りたいと思っても、それが相場からかけ離れた値段だった場合は当然、買い手は見つかりません。株式投資と同じです。

ちなみにこの変動する国債の価格のことを発行価格と言います。

そして10年後の償還時に、米国政府から返還される、いわゆる保証された金額のことを額面価格といって債権に明記されていることからこう呼ばれます。ちなみに株券に書かれている金額も額面価格と言いますが、株の場合は、額面価格=保証された金額ではないことは言うまでもありません。

国債の金利は変動する

国債は償還期限(10年債の場合は10年後)まで保持していれば、額面価格全額が返ってきます。
が、前述したように、それは国債を発行した国が経済破綻を起こさないという前提の上でのもの。つまり、リスクが全くないわけではありません。

そして、そのリスクはその国の経済の状態などが原因で変動します。

当然、その国の発行する(あるいは過去に発行した)国債の価値も、前述したように変動します。

あなたが100ドルで購入した米10年債が、米国の景気低下やテロなどの影響(カントリーリスク)が原因で、国債相場で90ドルまで値が下がってきていたとします。

先ほどの場合、あなたの国債は毎年5ドルもらえるものでしたよね?
だから、金利は5ドル÷100ドル×100=5%でした。

しかし、今は90ドルで購入できる。言い換えれば90ドルの投資で、毎年、5ドルの利子がもらえることになります。
しかも、満期まで保持していれば額面価格である100ドルも返ってきます。
つまり100ドル-90ドル=10ドルの売却益(キャピタルゲイン)もゲットできます。

これは
10年間で5ドル×10年+10ドル=60ドルの利息が付くのと同義です。

もっというと
1年あたり、60ドル÷10年=6ドルの利息がもらえるのと同義です。

90ドルの投資で毎年6ドルの利回りとは、6ドル÷90ドル×100=6,67%ですから、この場合、金利が6,67%-5%=1,67%も上昇したことになります。

今回のケースだと、米国のカントリーリスクが高まり、米国の信用と米国債の価値が低し、その結果として米国債の長期金利が上昇した、ということになります。

ちなみに、10年債のように償還までの期限が長い国債の金利のことを長期金利と呼び、為替相場に与える影響も強いことから、FXトレーダーは散々耳にすることになります。

長期金利を変動させる要因

上のケースでは、米国のカントリーリスクが増大したことから国債の発行価格が下落+長期金利上昇、という話をしました。

が、長期金利が上昇するということは、もらえる利息が増え米国債の投資商品としての価値が上がったともとれます。
つまり、米国債を買いたい、という投資家が増えることに繋がる要因となりえます。

そして、米国債を購入するにはドルが必要です。日本人の場合だと、銀行で円とドルを交換する(ドル買い円売り)をする必要があります。

世界中の投資家が、米国債購入に動けば、当然ながら、世界中でユーロ売りドル買い、ポンド売りドル買い、などの動きへと繋がります。

一方で米ドルも米国が価値を保証している有価証券ですから、米国政府が破たんすれば紙くず同然になります。国債と同じです。

上のケースでは米国のカントリーリスクが上昇しているから、米国債の値段が下がったわけで、当然、この場合、ドル売り圧力も強まることになります。

  • 米国債が欲しい→ドル買いへ
  • アメリカやばそう→ドル売りへ

言うまでもなく、上の2つは矛盾しています。相反していますよね?
だから、米国債の長期金利の上昇が、必ずしも為替相場でドル買いへと繋がるとは限りません。その時々の世界情勢によります。

米国のリスクが今後も続く、という市場のコンセンサスがある場合は、ドル売り圧力のほうが強まります。
反対に今回の米国のリスクが一時的なものでそう長くは続かない、という楽観的な見方がマーケットを支配している場合はドルは大きく買われることになるでしょう。

要するに、その国の国債の価格や長期金利と通貨価値との間には絶対的な相関性はない、ということですね。

経済ニュース等で述べられる「長期金利が云々でドルが売られた(あるいは買われた)」というのは、言ってしまえば結果論だということです。

NYダウ(株価)と国債の関係性

ここまでの説明でもわかると思いますが、株価と国債との間にも絶対的な相関関係はありません。

株価と為替レートの関係性でも書いた通り、ここ数年、NYダウとドル円相場は、ほとんど連動していますが、これは結果的にそうなっているだけで、今後もこの連動性が続くとは限りません。

今のところは、米国経済が好調で、世界中の投資家の米国への信頼度が高い場合は、世界中の投資資金が米国に集まってきますので、国債価格と株価上昇(長期金利の下落)、ドル買いへと繋がるパターンが多いです。

ちなみに米国債は、1年を通じて、いろんな種類のものが発行され、時期が重なると毎週のように発行される場合もあります。

「今週は米国国債の入札が目白押しなので、要注意です」なんて文がFX会社から送られてくるマーケット情報にあったりしてFX初心者の方は混乱する場合があります(筆者もそうでした)。

が、実はあまり気にする必要はないんですよね。あまりそれで為替相場が大きく動くということも少ないように思います。
ただし、他に材料がない場合は、国債の入札状況で、為替マーケットが大きく反応することもある、ということは頭に入れておきましょう。

ちなみに、昨日行われた米国債入札が不調だった場合。

この場合、今後、ドル円は上がりますか?下がりますか?

この問いにあなたならどう答えますか?

ここまで読んでいただいた人にはわかってもらえると思いますが、言うまでもなくケースバイケースですね。

米国債入札の不調は米国経済への懸念の表れだ、と多くの投資家が感じている場合、当然ながら、ドル売りになります。NYダウも下がりますし、つられて日経平均株価など、世界中の国で国債安、株安になる可能性が高いです。

逆に米国債入札の不調があまりニュースにならない場合もあります。米国経済への信頼度が高い場合は「国債価格が下落? まあたまたまだろう」というふうにとらえられ、株価や為替相場に全く影響を及ぼさない場合もあります。

また、国債価格下落=長期金利上昇で、米国債に投資したいという投資家が増えると、国債、NYダウが下がっているのに、ドル買いが活発化し、しばしばFXや株式投資の初心者を混乱させますので、要注意です。

世界中のあらゆるマーケットは結局一握りの大口投資家の気持ち次第

今回は、国債、株式、FXだけの話でしたが、現実の世界は、ここに金相場や原油などの商品先物、不動産投資など、いろいろな要素が複雑に絡み合っています。

現代社会は、世界のお金の流れの90%が投資や投機によるものだと言われています(これをマネー経済といいます)。

要するにほんの一握りの人間が世界の富の9割を独占し、彼ら「お金を持て余した大富豪たち」が少しでも自分たちの資産を増やそうといろいろ画策し、世界中の様々な金融商品(株、為替、国債、原油、金などいろいろ)を吟味、少しでも儲かりやすいところに投資資金をつぎ込んだり、反対に引き上げたりして、世界中のマーケットを荒らし回っている、といっても過言ではありません。

だから、私たち個人投資家は、相場には方程式はないということを踏まえておく必要があります。

FXにしろ、株にしろ、最終的には大口の機関投資家の共通意思(コンセンサス)で、相場が激しく動く場合がほとんどですからね。

そういう意味では、ファンダメンタルズ分析は重要ですが、決して絶対的なものではなく、あまり固執しすぎると、大きな過ちを犯してしまう可能性がある、と言えます。


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