日経平均株価が下がると何故急激に円高になるのか

株価と為替レートの関係性でも書きましたが、基本的に株価と為替レートには絶対的な関係性はありません。

ただし、株価が上がったり下がったりということはその国の経済状況を表していますので、株価上昇=その国の通貨高、株価下落=その国の通貨安、というのが一般的な考え方になります。

が、日本という国は少し特殊で、日経平均株価が下がると、急激に円高に振れる傾向があります。

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株価が下がると円高になる理由を理解する

以下の画像は、NYダウ、日経平均株価、ドル円のレートの連動性を示したものです。

NYダウと日経平均株価とドル円の連動性

多少のずれはありますが、上の図を見ても、日経平均株価とドル円のレートがほぼ同じ動きをしていることがよくわかります。

つまり、株価上昇=円安(ドル高)、株価下落=円高(ドル安)です。

これは冒頭で述べた

株価上昇=その国の通貨高、株価下落=その国の通貨安

とは全く逆の動きになっています。

何故、日本だけ逆の動きになるのか。
その理由を順をおって説明してみたいと思います。

日本の株取引のメインプレーヤーは外国人投資家

現在、日本の株取引の約7割を外国投資家が占めていると言われています。

何故こういう状況になっているかというと、日本人は昔から「貯蓄」を美とし、投資を「ギャンブル=悪」とする文化があるからです。

欧米では小学生でも株式取引をしているのを知っていますか?

日本でも小学生株トレーダーはいるでしょうが、欧米と比べると、かなり少ないそうです。

  • 欧米:余ったお金は投資すべし
  • 日本:余ったお金は貯金すべし

この考え方の違いです。

考え方の是非についてはここでは触れませんが、いずれにせよ、日本人はあまり投資をしない民族です。

個人の金融資産に占める預貯金の比率は、米国が13%、イギリスが23%、ユーロ圏が33%に対して、日本は52%ですから日本人の貯金好きは圧倒的と言えます。

外国人投資家は日本の株を買う際に2つのことをする

というわけで、日本の株式市場のメインプレーヤーは外国人になっています。
彼ら外国人投資家、例えば米国の投資家は、日本の株を買う際、2つのことをします。

1つは、ドル売り円買い。
米国の投資家は、日本以外の国に住んでいる場合が多いわけですから、当然、日本の株を購入するにはドルを円に両替する必要があります。

その結果

株価上昇と円高が同時に起こる

と言いたいところなのですが、実は起こりません

というのも、外国人投資家は、日本のとある企業を評価してその企業の株を購入したかったわけで、円を買いたかったわけではありません

仮にとある企業の株価が下落し、同時に円安になると、株で損しただけでなく、最初に行った両替(ドル売り円買い)の逆をおこなう際為替差益でもマイナスになることになり、ダブルパンチを食らうことになります。

それをさけるためにするのがヘッジ。

株式・商品・外国為替(かわせ)などの取引で、相場の変動で生ずる決済時の損失に備え、先物(さきもの)で売買しておくこと。

  • 株を買うためにドル売り円買い(現物取引)
  • ヘッジで円売りドル買い(FXなど先物取引)

FXトレーダーにもわかりやすく言うと、現物と先物で両建てをしておくわけですね。

そうすることで為替の変動による損益は固定されるので、純粋に株価の変動だけを気にしておけば良いことになります。

株価が下落する際にすること

仮に購入した株が期待に反して下落した場合、外国人投資家たちはどうするか。

選択肢は2つあります。

  1. 損切りして撤退
  2. 損切りせずに証拠金追加

FXトレーダーと同じですね(笑)。

株で証拠金、というと初心者FXトレーダーは違和感を感じるかもしれませんが、基本的にプロの投資家は信用取引でレバレッジをかけて株を購入したり売ったりします。

株の信用取引は仕組みも複雑でいろいろな意味でリスクも高くなるため、個人投資家、特に初心者でやっている人はいませんが、FXだけでなく、株も信用取引というシステムを用いれば、FXと同じようにレバレッジをかけたり、売りから入ったりすることが可能です。

信用取引のことはここでは省略しますが、とにかく株価下落の際に外国人投資家たちは以下の2択を迫られます。

  1. 損切りして撤退
  2. 損切りせずに証拠金追加

1を選んだ人(例えば米国人投資家)は、撤退する際

株→円→ドル

と資産を変換することになります。
要するに株を購入する時とは逆の円売りドル買いをします。

が、実際には先物でのヘッジも行っているので同額のドル売り円買いを行いますので、結局のところ、1を選択した投資家が為替に与える影響はほぼ皆無、と言えます。

では2を選択した投資家の場合はどうか。

彼らは株の含み損で強制決済にならないよう追証でさらに円が必要になるため、更なるドル売り円買いをすることになります。

外国の株式、しかも信用取引でレバレッジも効かせておこなうようなトレーダーはほとんどがプロ。
ヘッジファンドやメガバンクのディーラー、有名個人投資家などです。

彼らは資金も豊富ですから、1発勝負、ということはあまりしなくて、買い下がりや売り上がり、買い増しなど多彩なテクニックを使ってくることが多いです。

簡単に言うと、少しくらい逆に相場が動いたとしても慌てて損切りするようなことはまずありません
相場が逆に動くことも想定に入れた上で戦略を立てているので、このようにな場合、証拠金追加あるいは更なる株の買い増し(買い下がり、ナンピン)を行ってくる場合が多いです。

その結果どうなるか。

日経平均株価の下落が円高を引き起こす

ということに繋がります。

更なる円高要因二つ

というわけで、以上が「日経が落ちると円高になる」という現象の理由の1つとされているものですが、実はもう2つほどあります。

1つは投資家による追撃売り。

日本の株価が下落すると円高になる、というのはもう多くの人が知っている事実ですので、ほとんどの投資家が「日経下がる=円買い」という感じで、私などは脊髄反射的に反応してしまいます(笑)。

これも急激な円高を促す要因として働いていると考えられます。

そしてもう一つは米国に対する日本経済の依存性が引き起こすもの

日本は、ほとんどの人が理解しているとは思いますが、アメリカ合衆国の経済に大きく依存しています。

だから、米国の株(NYダウ)が下落すると、日経平均株価も下落傾向になります。

NYダウ下落=ドル売り(円買い)

なので、NYダウの下落に伴いドル円のレートも下がる(円高になる)ことになります。

米国経済に対する依存性は、欧州やイギリスにも似たようなことが言えるはずなのですが、欧州やイギリスなどでは

NYダウの下落=自国の株価下落

までは同じですが

自国の株価下落=ユーロ安やポンド安

になるので、この点が日本とは違っています。

日本とイギリスを比較する

というわけでまとめると「日経平均株価が下落すると急激に円高に振れる理由」は以下の3つ、ということになりそうです。

  1. 外国人投資家の追加の円買い
  2. それに追随する投資家たちの仕掛け
  3. 為替でのドル売り円買い

何故、日本だけ株価が下落すると自国通貨高になるのか。

ここまでの話をよりわかりやすくするために日本とイギリスの株価と為替の関係を例に表にしてみました。

 日本(円)イギリス(ポンド)
1:NYダウ下落日経平均株価下落英FT100下落
2:NYダウ下落によるドル売りドル円レート下落ポンドドルレート上昇
3:自国株安の影響円売りポンド売り
4:外国人投資家の追証円買い影響なし
5:投資家の追撃売り円買い影響なし
結果急激な円高連動性なし

日本もイギリスも平均株価が下落する時は、その前触れとしてNYダウが下落していることが多いです。

その結果2でドル売りになり、為替取引で、日本もイギリスも自国通貨高へと圧力が高まることになります。

が、同時に自国の平均株価も下落しているため、3では円売り、ポンド売り圧力も高まります。

2から5はほぼ同時に起こりますが、イギリスでは株式市場のメインプレーヤーが自国のイギリス人、ということもあって4と5の影響はほとんどありません。

結果としてポンドがどちらに触れるのかは、2のNYダウの下落を嫌気したドル売りポンド買い)と3(英FT100の下落を嫌気したポンド売り)、その強弱次第、ということになります。

対して、日本では3よりも4と5の影響が強く、円高に急激に触れるという結果になります。

まとめ:理屈よりも結果が大事

ここまでの話はあくまで巷で言われていることであって、株式市場や為替市場という強大なマーケットで実際に何が起こっているのか、その詳細を知ることはできません。

そういう意味では、上記の話は単なる結果論でしかないのかもしれません。

しかし、投資において大切なのは理屈ではなく結果です。

要するに、私たち日本人投資家にとって大切なのは

株安が円高に繋がる

ということと、逆に円高が日本の輸出企業の株価の下落に繋がるため

円高からの株安

というシナリオもある、ということを常に頭に入れておくことです。


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