景気が良い・悪いとは?株価や為替相場に与える影響

ニュースや新聞でよく「景気が良い」とか「景気が悪い」とか目にしますが、そもそも景気が良い・悪いとはどういう経済状態のことを言うのでしょうか。今の日本は景気が悪いと言いますが、どうやったら良くなるのでしょうか。また、株価やFX取引との関連性についてもわかりやすく教えてください。

景気が良い・悪いってどういうこと?

景気が良いというのは、簡単に言うと、その国におけるお金の循環が良いということです。

ものすごくわかりやすく説明するために、例えば日本の人口が3人だとします。

Aさんはお寿司屋を運営しているします。
Bさんはイタリア料理店を運営しているとします。
Cさんは中華料理店を運営しているとします。

3人の職業に意味はありません。何でもいいです。

Aさんは毎月10万円分、Bさんのイタリア料理店でご飯を食べているとします。
Bさんは毎月10万円分、Cさんの中華料理店でご飯を食べているとします。
Cさんは毎月10万円分、Aさんのお寿司屋さんでご飯を食べているとします。

この場合、Aさん、Bさん、Cさん、いずれも月収10万円で、家庭の収支は10万円-10万円で0円。
現実には、こういうことはありえませんが、仮にこういう世の中だったとします。

この場合、世の中に流れているお金の量はいくらですか?

答えは10万円ですよね。

それでいてAさん、Bさん、Cさん、いずれも月収10万。
そして毎月使うお金も10万です。

3人とも一切貯金もせず、儲けたお金をその月のうちに使っているので、お金の流れに全くの無駄がありません。

もしこういう国ががあったとしたら(絶対ありませんが)、その国は非常に景気が良いということができます。
ある意味、究極の好景気と言える状態です。

しかしある日、Aさんに心の変化があったとします。

Aさんはある日、貯金を始めました。

毎月の収入10万のうち1万円を貯金、Bさんの中華料理店で使うお金を9万円にまで減らしました。
そうするとBさんは月収が10万円か9万円に減ることになります。

Bさんは当然焦ります。給料が減ると誰でもそうなりますよね?
だからBさんも将来に不安を感じて支出、つまりCさんの中華料理店で使うお金を10万円から8万円に減らして毎月1万円ずつ貯金することにしました。

すると今度はCさんが焦ります。これまで毎月10万収入があったのに、それが8万円に減ったのですから。
だからCさんも将来に不安を感じ、毎月1万円ずつ貯金を開始、Aさんのお寿司屋さんで使う毎月のお金を10万円から7万円にまで減らしました。

すると今度はAさんが焦り……。

となってどんどん3人の毎月のお金を使う量が減っていきます。

こんな風にその国に暮らす人の収入(給料)がどんどん減っていき、不安を感じるようになり、お金を使うのを控えるような経済状況のことを不況=景気が悪い、と言います。

景気の良い時

  1. お金をどんどん使う人が多い
  2. その結果、国全体のお金の循環が活発になる
  3. 将来に対して楽観的
景気の悪い時

  1. お金を節約する人が増える
  2. その結果、国全体のお金の循環が悪くなる
  3. 給料が減るから将来に対して不安を抱く

簡単にまとめると上記のようになります。

ちなみに、上の例では日本に人が3人しかいないというちょっとあり得ない状況でしたが、実際は日本の人口は1億人以上。
皆がそれぞれいろんな職業につき、いろんな経済活動をしているので、もっと状況は複雑ですが、景気の良い時というのは

  1. 皆がお金をどんどん使う(精神状態にある)
  2. お金の循環が良くなる
  3. お金の循環が良いから商売が儲かる
  4. 商売が儲かって収入が増えるからますますお金を使うようになる

というようなことがその国のあちこちでおこっています。

逆に景気が悪い時には

  1. 皆がお金を使わない
  2. 使わないからお金の循環が悪くなる
  3. お金の循環が悪いから商売が儲からない
  4. 商売が儲からなくて収入が減るからますますお金を使わないようになる

というようなことがその国のあちこちでおこっているわけです。

ちなみに景気が悪い状態が続くとデフレ(デフレーション)と言われ、物価がどんどん下がっていく経済状態になります(逆をインフレ・インフレーションと呼びます)。

  1. 物が売れない
  2. 物を売るために価格を下げざるを得ない
  3. 企業の売り上げが減り、社員の給料も減る
  4. ますます物が売れなくなる

上記のようにデフレが底なしで続くさまをデフレスパイラルと呼び、現在の日本はまさにこの状態と言えます。

何故、日本は景気が悪いのか?

上記の例の中で、景気の良い状態から景気の悪い状態へと移るきっかけとなったのはAさんが貯金を始めたから、でした。
このことからわかるように、日本の景気が長年上向かない大きな要因として

  1. 国が昔、貯金=良いこと、として教育していたこと
  2. その結果、日本には無駄な出費を抑え、貯金する人が多いこと

があげられます。
金は天下の回り物とよく言いますが、本当は皆が将来のことなんか忘れてどんどんお金を使うようになれば、日本の景気は間違いなくよくなります。

実際、米国は、日本と比べて平均給与は同じくらい、失業率も日本よりも悪いですが、お金の循環は日本よりも間違いなく良いです。
それは米国が「余ったお金があったら投資せよ」と長年にわたって教育してきた結果「借金してでも投資をする」と言われるくらい国民がお金を使うのが大好きな国だからです(米国では小学生にも株式取引の教育を行っているそうです)。

ただし、その結果、何年かに一回、リーマンショックやサブプライムローン危機などを発生させては、世界経済を混乱に陥れているわけで、どちらが良いとは一概には言えないのですが(笑)。

勿論、日本の景気が悪い理由は、日本人の貯金好きであるという国民性だけでなく

  1. 日本が世界で初めて少子高齢化を迎え、年金問題、老後の生活等、皆が不安を抱えている
  2. 実際、少子化による人口の減少により、モノを購入する人が減っている

という事情もあります。

また、これまで日本の経済を引っ張ってきた自動車や電化製品業界の売り上げが悪化するも、代わりにこれからの日本を引っ張っていくべき新たなる時代の担い手が全く生まれていない、というのも影響しています。

いずれにせよ、日本がデフレスパイラルから抜け出すには、相当の困難を極めるかもしれません。

景気の善し悪しはGDPで測る

ちなみにその国の景気の善し悪しを図る経済指標はたくさんありますが、中でも最も重要なのはGDP(国内総生産)と呼ばれるものです。

GDPと為替相場に与える影響

GDPとはその国でどれだけお金が使われているかを指し示す指標で、大きく分けて4つに分けられます。

2016年度のGDP内訳

  1. 個人消費:56.34%(約300兆円)
  2. 政府の消費:19.92%(約100兆円)
  3. 輸出:17.22%(約90兆円)
  4. 企業の設備投資:15.26%(約80兆円)

1の個人の消費とは、要するにその国の住民が1年間でどれくらいお金を使っているか、を数値化したものです。

個人がたくさんお金を使えば、それだけ物やサービスを売っている企業は儲かり、その企業で働く社員の給料は上がり、そして給料が上がるとますますお金を使う人が増える、という好循環が生まれます。

企業は業績がアップすると、社員を増やしたり、新しい工場や事業所を作ったりと、設備投資などの先行投資を行うようになります。
そのため、個人消費はGDP全体の50%ほどですが、実際にはそれ以上の経済効果をもたらす要因となっているといえ、景気をよくするには欠かせない要因と言えます。

2の政府の出費は、公務員や自衛官への給与の他に、公共事業も含まれます。

誰が使うんだろう?と思うようなところに公園が作られたりする。
作る必要のなさそうなところに橋が建設される。
改修する必要のなさそうなところで道路工事が行われている。

皆さんも、そんな光景みたことありませんか?

公園や橋、道路工事の他にも河川の堤防、道路や橋の建設、改修工事などなど、政府はいろいろな公共事業を毎年、いろんなところで行っています。

  1. 国が業者に道路工事を依頼する
  2. 工事業者が工事に必要な機材を中小企業に発注する
  3. 機材の下請けをしている零細企業に仕事が回る
  4. 機材の運搬会社にも仕事が回る
  5. 工事業者も中小企業も零細企業も運搬会社も皆儲かる
  6. 各企業の社員の給料がアップ
  7. 各社員が普段の生活でよく買い物をするようになる

政府や自治体が公共事業を行うことで、いろんな企業が儲かり、雇用が増えたり、社員の給料がアップしたりして、お金の流れが良くなり、それが社会全体へと波及していく。

政府が公共事業を行うのはまさにこの波及効果(乗数効果と言います)を期待してのもので、だから特に必要のない道路や橋などがいろんなところで作られたり、改修されたりするわけです。

公共事業は「穴を掘って埋めるだけでも(景気をよくする)効果がある」とも言われ、政府は毎年50兆円ほど公共事業にお金を使っています。

スマホアプリが売れても景気は良くならない?

ちなみに、現在の日本では、これまで日本の経済をけん引してきた自動車や家電製品の売り上げがダウンし、その一方でスマホアプリ等のこれまでなかったものがバカ売れしています。

しかし、スマホアプリが売れても、それほど日本の景気には影響がありません。

それはスマホアプリが売れても、儲かるのはアプリを制作しているIT企業とその社員だけだからです。

例えば自動車の場合、車は一人では作れません。大勢の人で作ります。

タイヤを作る人、エンジンを作る人、ハンドルを作る人、エアバックやカーナビなどもそうですね。

車がよく売れる
タイヤを作っている人も儲かる
タイヤの原料であるゴムを作っている工場も儲かる
エンジンやハンドル、エアバックを作る会社も儲かる
カーナビやカーステレオを売っている家電店も儲かる
自動車保険会社も儲かる
鉄工所も儲かる

とにかく、いろんな人が自動車産業に関わっていますから、その乗数効果は、すさまじいものがあるわけです(電化製品にも同様のことが言えます)。

しかし、スマホアプリは一般に数人しか社員がいなIT企業なんかが作っていたりします。
スマホアプリがいくら売れても、自動車や電化製品が売れるほど、日本の景気に影響がないのはそういう理由があるのです。

ちなみに、日本の都道府県で、常に安定して失業率が低く、景気の良いところはどこかわかりますか?
答えは、言うまでもなく、トヨタ自動車の本社やその自動車工場が多く存在する愛知県です。

それくらい自動車産業は末端まで経済効果がよくいき届く、すそ野の広い業界であると言えるわけですね。

景気が株価に与える影響

景気が株価に与える影響は直接的で非常に単純です。

  1. 景気が悪い(物が売れない)
  2. 会社の業績がダウン
  3. 株価がダウン

一般に、景気の善し悪しは株価にダイレクトに影響を与え、株価が下がると社員の給料も下がり、さらに物が売れない世の中になるというデフレスパイラルを引き起こします。

なんとかデフレスパイラルから脱するため、政府は前述した公共事業を増やしたり、ハローワークに登録し積極的に雇用を行っている企業に助成金をあげたり、企業が設備投資のために銀行からお金を借り易いように、金利を引き下げたり(ゼロ金利政策)、量的・質的緩和政策を行ったり、更には銀行が貸し渋りをやめるようにマイナス金利政策を行ったりと、ありとあらゆる策を講じていますが、これらは全て株価を上げる=景気をよくするためのもの。

どれも一定の効果はあるものの、景気を押し上げ、デフレスパイラルから抜け出すまでには至っていません。

景気が為替に与える影響

景気と為替には直接の関係がありません。なので、景気が為替相場に与える影響は、株と比べてかなり複雑です。

為替のレートは一般に2つの国家の通貨の強さ比べの結果を表した相対的なものです。

要するに、日本の景気が悪くても、欧州の景気がそれ以上に悪ければ、円高ユーロ安になります。

また、先ほども述べたように日本の景気を支えているのは、スマホアプリを作っているIT企業ではなく、自動車や電化製品を作っている、俗に言う輸出産業です。
そして、それらの輸出企業の売り上げの大半は、北米への輸出によるものです。

これは日本の景気が悪くて車があまり売れなくてもトヨタ自動車の株価は下がるが、米国の景気が悪くなり、米国でトヨタの車が売れなくなると、より大きく下がる可能性が高いということを意味しています。

トヨタ以外の輸出企業も同様で、要するに日本の経済は米国の経済に大きく依存している、と言い換えることができます。

実はこういった状態は日本だけではなく、欧州やイギリス、オーストラリアなどもほぼ同様。

現在、世界の主要国の中で「景気が良い国」と言えるのは米国と中国だけというのが現状です。

そのため、米国経済に依存している日本や欧州や英国の通貨は、米国の経済の影響を強く受け、中国の経済に依存しているオーストラリアなどは自国の経済事情のほかに、中国の経済指標によっても、買われたり売られたりします。

要するに

米国の経済状態が良い→ドル高要因であると同時に円高要因でもあるため、円安になるか円高になるか予測不能

という非常に複雑な事態になっています。

株価と為替レートの関係性

ドル円の動きが非常に予測しにくく、上にも下にも大きく動かないのは

  1. 米国の景気が良い→米ドル買い&日本円買い&両国の株価上昇
  2. 米国の景気が悪化→米ドル売り&日本円売り&両国の株価下落

に繋がってしまっているからで、ドル円のレートが上がるか下がるかは、多くの場合、例えば1つの経済指標の結果がドルと円、よりどちらに影響を強く及ぼすか(市場参加者がどう考えるか)にかかっていると言えます。

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