第6話:リーマンショックでマイナス200万の損失

第5話の続きです。

ストップロスハンティング(推定)にやられて、再び100万円の借金を背負うことになった私は、一度はFXをやめることを考えるも

  1. 自分の相場観(ドル買い)が間違っていなかったこと
  2. 結局損切りしなければ損失は0だったこと

の2点から、あまりにも悔しくて、リベンジを誓って再びFXを再開することにします。

が、根本的な考え方が間違っている以上、この後、ますます損失が拡大していくのは必然だったのかもしれません

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トレンドさえ間違っていなければ損切りの必要はない

前回の失敗で一度はチャラになりかけた累計損失が、マイナス100万円にまでなってしまいましたが、ドル買い、という方向性は間違ってはいませんでした。

  1. トレンドを見極める
  2. その方向でスキャルピング
  3. 反対に動いても損切りしない

という私の戦略は、まだまだ破られたわけではなかったのです。

私が6,7,8の3ヵ月の間、下手くそなトレードながらもコツコツと10万円の利益を上げてこられたのは、4月以来ドル円が上昇トレンドだったから。だから、ドル買いしていれば、何度か数十万円の含み損が発生することもありましたが、損切りさえしなければ、結局はレートはもとに戻って事なきを得ました。

前回失敗したのは、何をとち狂ったのか、ドル売りをしてしまったから。

というのが、この時点での私の考えでした。

要するに、ドル買いで1,2pips抜きのスキャルピングを繰り返し、コツコツと1000円、2000円とリカク、含み損が発生しても我慢して無視していればOK。

それで月10万稼げる、と思っていました。
6,7,8の3ヵ月は10ロットでの取引でしたが、20ロットなら月20万稼げることになり、月20万ずつ利益が出せれば、100万円のマイナスは5ヶ月でチャラにできることになります。

絶対にドルは110円に乗せるはず。少なくとも100円割れは絶対にない。

私はそう確信していました。

私がドル円の100円割れがないという確信を持つにいたったのは、「10年連続負けなし!」という肩書を持つ、マット今井さんという有名なトレーダーさん(現衆議院議員)が「ドル円は特殊な通貨であり100円割れは絶対にない」と断言しているのを外為どっとコムのコラムで読んだから。

ドル円はサブプライムローンショックで、3月に一瞬100円割れをしたばかりでしたが、あれは非常に特殊なケース、とのことでしたので、とすれば、もうしばらくは100円割れはないはず。

私はそう考えました。

それに、この5ヶ月あまりのFX生活の中で私はドルという通貨の強さを身に染みて味わっていました。

どんなに経済指標の結果が悪化しようとも、どんなに一時的に売られようとも結局はドル円のレートは元通り。

私の損切りしないという戦略がほぼうまくいってのは、ここ数か月のドル買いトレンドがあったからに他なりません。

実は既に始まっていたドル売りトレンド

さすがドル。
さすがアメリカ。
さすが世界の基軸通貨。

世界の中心的存在であるアメリカの通貨が今後大きく売り込まれるなんて、とてもじゃないけど想像できない。

どんな状態の私でしたが、実は週足チャートや月足チャートではドル円は下降トレンドを描いていました。

目先の利益しか頭にない私は日足チャートや分足チャートしか見ていなかったため、大局的な視点を描いていたのです。

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ドル円の上昇トレンドのように思えて、実は大手の投資機関などは戻り売りのチャンスをうかがっていたのだと思います。
上記画像は、ドル円の当時の週足チャートですが、今見れば、絶好の売りのチャンスのように見えますからね。

ただし、如何にヘッジファンドなど、大手の投資機関と言えども、大がかりなレート操作はできません。
ストップロスハンティングは、その他大勢の投資家を巻き込む形でしか成功しないからです。

彼らはその機会を虎視眈々と待っていたのでしょう。

何かきっかけさえあれば、大量の仕掛け売りを浴びせ「ドル円100円割れはない」と思っている投資家がドル円100円あたりにおいているであろうストップロス注文を再び狩って大暴落を引き起す。

おそらくその時の為替相場はそういう緊迫した状況だったと思うのですが、勿論、当時の私には全くといっていいほどそういった考えはありませんでした

2008年9月15日リーマン・ブラザーズ証券が破たん

そのきっかけは意外にも早くやってきました。
のちにリーマンショックと言われる世界金融危機のきっかけとなるアメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻するという事件です。

その日は日本では祭日。
このニュースは多くの報道番組で取り上げられることになりますが、ドル円相場は一時売りが強まるものの、すぐに元に戻る展開。

まさかこの後、これが世界金融危機の発端になろうとは、多くの人は予想すらしていなかったでしょう(勿論私も)。

寧ろ、こういったネガティブなニュースが流れ、一時的に売られるもすぐに買い戻されるドルの強さをあらためて認識させられただけでした。

実は、2008年9月と10月、自分がどんなトレードをしていたのか、よく覚えていません。
記憶にないんです。

FXを始めて最初のころは毎日のように日記に残していた取引履歴。
このころからさぼるようになっていたのです(笑)。

ただ、何も書かれていないということは、おそらく9月、10月も秒スキャ&損切りなし戦法は、結果的に上手くいっていてそれなりの利益はでていたのでしょう。

ただし、この後、全て持っていかれますが(笑)。

ちなみに、リーマンブラザーズ破綻以降は、さすがにドル円は日足チャートでも下降線をたどることになります。

が、私の中にはある「100円割れは絶対にない」という思いは、揺るぎもしません……と言いたいところですが、実際は揺れていたと思います。
ただ、ドル買いのみで利益を上げてきた私にとって、それ以外の選択肢はなかったのです。

円キャリートレードの終わりの始まり

これまであまり触れてきませんでしたが、2008年10月までは為替相場では円キャリートレードというものが流行っていました。

円キャリートレードとは、低金利通貨である円を売って、高金利通貨(豪ドルなど)を購入、両国の金利差分の利益を受け取るという、いわばスワップ金利目的の長期投資のためのトレード手法です。

2000年あたりから長く続いてきた「円安トレンド」に乗っかる形で多くの投資家がこの円キャりトレードを行っていたと言われています。

いわば2000年から2008年くらいまでは、ドル円やユーロ円などのクロス円を購入しているだけで簡単に儲けることができた時代であり、当時FXでは400倍くらいのレバレッジをかけられていたことから「普通の主婦でもFXで数億円稼ぐ」ことが可能な時代だったと言えます。

なんせ、ここ数か月の私と同じように「ドル買いであれば損切りする必要なし」を続けるだけで億万長者になれたわけですから、非常に美味しい時代だったと思います。

そう考えると、私のなんと運の悪いこと(笑)。
FXを始めたその半月後に、円キャリートレードの終焉の時がやってきたわけですから。

ついにドル円100円割れ

ちなみに、最初のドル円およびクロス円の大暴落は2008年10月6日月曜日。

この日、夕方の30分くらいの間に、ドル円が103円くらいから、2円近く暴落して、たまたま取引画面を見ていた私は、これまでにない相場の急激な動きに驚いた記憶があります。

おそらく前述したように、ヘッジファンド等のなんらかの仕掛け売りがあったのでしょう。

が、結局この日はドル円の100円割れは実現しませんでした。
寧ろ、翌日、再度ドル円は103円くらいまで一時戻し、依然としてドルの底堅さを感じさせる動きになりました。

少なくとも私は「やっぱりドル円100円割れはないな」と思っていました。

が、その翌日、2008年10月8日水曜日。
この日、ついにドル円は100円を割ることになります。

と言っても一瞬の出来事で、すぐにドル円は再度103円付近まで戻すのですが、おそらく2008年10月6日以降、私たち個人投資家の預かりしならないところで、大手投資機関たちのドル円100円割れをめぐる、激しい戦いが起こっていたのだと思います。

ドル円100円割れを起こしたくない陣営VSドル円大暴落を起こしたい陣営。

有名どころの証券会社やファンドたちがこの時、一体どちらの陣営だったのかは、わかりませんが、おそらくこの後倒産することになる銀行などは、前者だったのだと思います。

そして勿論というか、残念なことに私も前者でした(泣)

何日だったかはよくわかりませんが、10月20日当たりでしょうか。

私はドル円のレートが102円くらいに戻った時「やっぱりドル円は100円割れは一時的なもの。この後絶対戻すはず」という、毎度おなじみの希望的観測のもと、ドル円ロングのエントリーをすることになります。

が、この時も、前回同様、1度も利益がのることなく、1pips抜きすらできないまま、ドル円は大暴落を始めることになります。

そして私は懲りずにナンピンを繰り返します。
丁度1ヵ月前、同じような体験をしているにも拘わらず、です。

前回はドル売りだったから損したけど、今回はトレンドにそったドル買いだから大丈夫なはず。

そう思っていました。もう既にドル売りトレンドが始まっていて、おそらく私も薄々そのことを感じてはいたのですが、そのことを受け入れられないまま、私は祈るように数日間過ごすことになります。

もう、はっきり言って仕事どころではなかったことをよく覚えています。頭にあるのは常に為替相場のことばかり。
もう既に累計マイナス100万円の損失があるわけで、もうこれ以上損失がでれば退場は免れません。
全財産がなくなってしまいます。

だから今度こそお願い、神様助けて!

という私の悲痛な願いは、今回も受け入れられることはありませんでした(笑)。

10月22日水曜日、ついにドル円がに明確に100円割れに至ります。
ポンド円などは10月21日、22日と2日続けて10円超の大暴落!

FXを始めて半月近く、初めて経験する相場の大暴落でした。

しかし本当のセリング・クライマックス(selling climax)は、まだまだ終わったわけではありませんでした。

2008年10月24日。
その日、ポンド円は20円超、ドル円は7円超の大暴落を起こすことになります。

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なんとか持ちこたえていた私のポジションは、その日ついに強制ロスカット

大学卒業以来、こつこつと貯めてきた私の全財産300万円は、ほんの少しを残しただけで、この日で全てなくなって消え去りました。

ちなみに、その後、ドル円は2012年まで下降トレンドを描き、円高は一時は80円割れまで進むことになり、私の102円でのドル円ロングポジションに利益が乗るのは2013年11月まで待つ必要があったことになります。

要するに損切りしない戦法が完全に崩壊したわけで、これはお金だけでなくFXで儲ける術も全て失ったことを意味します。


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